※ 本記事は主にFDM(フィラメント)3Dプリンター造形物を対象としています。 光造形(レジン硬化品)はUV重合済みアクリル系で熱で軟化せず、加熱は表面焦げ・有毒ガス発生のリスクがあります。光造形プリントの剥離トラブルでお困りの場合は、モデル配置の見直し(接地面積の最小化)や、サポート設計の調整で対応してください。
FDM 3Dプリンターで出力した造形物がプラットフォーム(印字台)に強く吸着して剥がしにくい場合は、スクレイパーの種類を変えるか、ヒートガンで加熱することで改善できます。根本的な予防方法としては、モデルの配置を工夫するか、ラフト構造を変更することが効果的です。
吸着力が強くなる原因
造形物がプラットフォームから剥がれにくい主な理由は、プラットフォームと造形物の接地面積が広すぎることです。接触面が大きいほど吸着力が強くなり、スクレイパー(へら)での剥離作業が困難になります。
既に出力した造形物を剥がす方法
方法1:スクレイパーを変える
使用するスクレイパーを変えるだけで、剥離作業が劇的に楽になることがあります。以下のタイプを試してみてください。
- OLFA(オルファ)社の3Dプリントスクレイパー系統:刃物メーカー製で刃先の角度・材質が最適に設計された製品があります(型番は新旧で複数あるためOLFA公式オンラインショップで最新ラインナップをご確認ください)
- 打撃式スクレイパー(先端をハンマーで叩く専用工具):特に剥がしにくい造形物の剥離に有効な、先端を打撃して使うタイプの専用工具です。ハンマーは別売りが一般的
SK本舗の実機運用でもこれらのタイプのスクレイパーを使用しており、ノーブランドの汎用品より刃先設計が最適化された専用工具のほうが作業負荷を大きく下げられることを確認しています。
方法2:熱を加える
ヒートガンやドライヤーで造形物に熱を加えると、素材が柔らかくなり、スクレイパーを滑り込ませやすくなります。
- 加熱時は換気の良い場所で作業してください
- 加熱されたフィラメント(PLA・ABS等)から微量の発煙・臭いが出ることがあるため、吸い込まないよう注意してください
- プラットフォームと造形物が高温になるため、火傷に注意してください
剥がれにくい造形物を最初から作らない予防方法
根本的な対策として、出力時の段階で剥がしやすいモデル構成にすることが重要です。
- モデル配置の工夫:プラットフォームとの接地面積が広くならないよう、モデルの向きや配置を調整します
- ラフト構造の変更:ラフトのサイズを最小限に絞り、造形物とラフトの間隔(Raft Air Gap)を広げておくと、スクレイパーが入り込みやすくなります
補足
プラットフォームからの剥離困難は、モデルの構造や配置に起因するもので、プリンター本体の性能には関わりません。したがって、この問題による修理対応の対象外となることをご了承ください。
