皆様初めまして!
リレーコラム第5回 FDM編#05 を担当されました、Aoi 様よりご指名いただきました"赤井キキ"と申します。
普段はカプセルトイなどの玩具をメインとしたデザイン、設計、ものづくりをしながらデザイナーとして活動しています。
第6回の今回は、デザイナーらしく3Dプリンターを活用するべく、"新しいもの"のデザインを目指してみます!
1.発案
何かいいアイデアは無いかなと、アイデア帳をめくる。
しばらく探して目に入ったのは 「おりがみ」 の文字、おお!?
これいいかも!?
上手いこと折り紙と3Dプリンターを繋げたら面白いものができる気がする!?
でもどうしようか、どう繋げようか、う〜ん。
そういえば以前、名刺や厚紙に3Dプリンターで作ったスタンプでプレスしてエンボス加工しているのを見かけたことがあった気がする。
あれを上手く組み合わせれば折り紙にあらかじめ折り目を付けたりして折り紙するのが楽になるのではないか!?
妄想が広がってきた。
というわけで早速モデリングして実験してみる。
2.モデリング
まずはやっぱり折り紙の基本「鶴」だろう。
記憶を頼りに鶴を折ってみる。

なんとか折れた。
これを開いて、折り目を確認してみる。

折り目をマークしてみた。
赤が山折り、青が谷折り。この線を頼りにモデリングで板に凹凸を付けていく。
スケッチと押し出しだけの簡単なものだ。
ひとまずデータが完成した。

こんなものだろう。
3.出力
Bambu Lab A1 mini で2時間印刷したものがこちら。

これに折り紙を挟んで、

ぐぐっと圧すと、

お!?

お!付いてる付いてる!一発目だが、これは思った以上に上手くいったのでは?
折り折りっと、



う〜ん、折れたけれど全体的に凹凸が浅かったのか、折り目を付け直さないといけない部分が多かった。
モデルと実物を観察してみると、凸の山がデータより低いように見える。


原因は、3Dプリンターのピッチとノズル径を意識せずに設計していた事で、スライスのタイミングで凹凸の凸が浅くなっているからだと気づいた。
4.ブラッシュアップ
ノズル径 0.4mm、ピッチ 0.2mm で出力するので、その設定に沿ったデータに調整してみる。

全体的に高さは 0.2mm の倍数、凸の幅も 0.4mm の倍数の 0.8mm にして角に r0.2mm のフィレット、クリアランスは凹側 0.2mm でモデリングし直してみた。
ついでに厚さもギリギリまで薄くして、印刷時間と材料を節約していく。
5.印刷(2回目)

うんうん!1発目より凸にやる気がある!凸が凸っとしてる気がする!
早速圧してみよう。


ぐっ、ぐっ。


!!

おお!出てる!明らかに折り目がさっきより出てる!
これだよこれ!こうなってほしかったのよ!
2回目にして大成功の予感。



うん、パタパタ折れる、とっても楽だ。千羽くらい折るのにとても役に立ちそう。
折り紙に今までなかった近道をしているみたいで面白い感覚だ。

羽の上側に出るはずの折り目も、折り目付けをショートカットしたおかげでなくなっている。
3Dプリンターの仕様と設定にモデリングで合わせた事で、圧し機が思った通りの形状になったようだ。


小さく薄くしたおかげで折り紙用のケースに収まるサイズにもなった。これはうれしい。
6.バリエーション作り

上手くいったのと同じ設定を使ってハートと風車と兜も作ってみた。
鶴を最初に作ったのは間違いだったかもしれないな、ほかに比べて折り目が複雑であった。

風車で見比べてみるとよりよくわかる、ガイドの折り目が無くなるとこんなにもすっきりする。
楽しい!ポンポン圧してどんどん折れるのが楽しい!
まるでおりがみ工場になった気分だ。

名前を決めないとな、う〜ん、
名前は、 「おりがみ圧すたんぷ」 にしよう!
なんとなく語呂がいいのでね。
7.配布
子供にもわかりやすく文字を入れて、向きをわかりやすくして、微調整を加えて最終的にこんな感じのデータになった。

これらのデータは誰でも"圧すたんぷ"できるようにまとめて SK本舗様が運営する3Dデータのオンラインストア「3D DATA JAPAN」にて無料配布中!
印刷して"圧すたんぷ"してみてね〜!
8.感想
小さい頃から好きだった折り紙と3Dプリンター、このコラムを機会に一つのアイデアとして世に出せた事がうれしいです。
このアイデアが折り紙と3Dプリンターの両方の普及につながってくれたら嬉しいですね!
3Dプリンターは普段作品自体を作るというイメージが強いけれど、作品そのものに使わずとも活躍させることができる事も知ってもらえたと思います。
今回の記事は私のものづくりプロセスと頭の中をのぞき見てもらうかたちで書いてみました。
皆様も3Dプリンターでアイデアをどんどん形にしてみてくださいね!
それでは皆様、楽しい3Dプリンターライフを!
