SK本舗ユーザーのリレーコラム FDM編 #03 「スライサーソフトで作れちゃう!カンタンおなまえキーホルダー」|宇佐まり
みなさんこんにちは!3Dプリント楽しんでますか?
SK本舗ユーザーのリレーコラムFDM編第三回、前回担当のしぶちょーさんからご指名いただきまして、宇佐まりが担当させていただきますっ!
突然ですが、みなさんが3Dプリントをする際に使っているスライサーソフト……実は簡単なモデリングができることをご存知ですか?
今日はスライサーソフトだけで作れちゃうおなまえキーホルダーの作り方をご紹介します。
なんとこれ全部、スライサーソフトと3Dプリンター(単色機OK)だけで作れちゃうんです!

とっても気軽に取り組める内容になっているので、ぜひチャレンジしてみてください♪
①文字パーツをつくる
はじめに普段使っているスライサーソフトを開きます。
今回はBambu Sudioを使用しますが、Orca slicerなどでも同様の作業が可能です。
まずは上部のツールバーにあるテキストのアイコンを選択し、おなまえを入力していきます。
今回、数値はサイズを「15.0mm」、太さ(高さ)を「4.00」に設定します。

個人的には丸みを帯びたフォントの方がきれいにプリントしやすいため、よく使用しています。
今回使用しているフォントはGoogle Fontsで入手したM PLUS Rounded 1cです。
Google Fontsは無料で使えて商用利用等もしやすくクオリティが高いので、3Dプリントにもぴったり。
ぜひご自分のおなまえにぴったり合う雰囲気のフォントを探してみてください!
②べースパーツを作る
次にベースとなるパーツを作っていきます。
今回はちょっとレトロでポップな看板をイメージした仕上がりが目標です。
何も選択しない状態で右クリックを押し、「プリミティブを追加」から「シリンダー」を選択します。

追加できたらセンターに移動させます。
シリンダーを選択しながら右クリックで「センター」をクリック!

次にサイズ変更からZ軸(高さ)を3.00mmに設定します。
「均一なスケール」のチェックをオフにするのをお忘れなく!

次の工程に行く前に、テキストのパーツもセンターからずれて配置されている場合があるため、同様の操作を行ってセンターに配置し直してください。
次は、視点を真上に設定し、ベースとなるシリンダーが好みの形になるようサイズを調整します。
※デザインを想像しやすいよう、一時的にパーツの色を変えてみました。

今回はベースからやや文字をはみ出させることでレトロっぽさを演出してみました。
パーツの色を変えた場合はここで同じ色に戻します。

これでおなまえキーホルダーのメイン部分は完成です!
かなり形になってきましたねー!
今回のデザインはブローチパーツや磁石を接着すれば名札やマグネットとして使うこともできます。
その場合は手順「④すべてのパーツをマージする」を忘れず行ってください。
③ストラップ用の穴をつくる
最後にストラップのパーツをつけるための穴のパーツを作っていきます。
まずは作業しやすいよう、あたらしいプレートを追加しましょう。

次に何も選択しない状態で右クリック、プリミティブを追加よりシリンダーを追加し、直径10mm、高さ3mmにサイズ変更します。

サイズ変更モードを終了し、追加したシリンダーを選択した状態で右クリック、マイナスパーツを追加、シリンダーを選択します。

マイナスパーツをセンターに移動させ、直径を5mmにサイズ変更しましょう!

するとどうなるでしょうか?
一度スライスして見てみましょう。

簡単に輪っかができました!
それでは本体に輪っかをくっつけていきます。
本体のプレートに輪っかパーツをコピーし、センターに配置します。

移動ツールを使って配置します。

全てのパーツを同じ色に揃えます。

④すべてのオブジェクトをマージする
最後に、すべてのオブジェクトをマージ(合体)します。
この工程を忘れるとうまく印刷できなくなるので注意!
左のオブジェクト一覧でshiftキーを押しながら全てのオブジェクトを選択し右クリック、「マージ」を選択します。
輪っかの部分は上から2つ目の「シリンダー」を選択すればOK!

「アセンブリ」の中にすべてのパーツが格納されていたら大丈夫です!

一度スライスをかけて、想定通りの仕上がりになっているか確認しましょう。

良い感じですね。
ここまで来たらモデリングの工程はおしまいです!やったー!
⑤カラーリングの設定をする
ここからはカラーリングの設定をしていきます。
お使いの3Dプリンターが多色印刷に対応しているか否かで手順が変わります。
今回はベースをオレンジ、文字を黄色で印刷してみます。
単色印刷のマシンで印刷する場合
例えばA1mini本体のみなど、単色での印刷のみ対応のマシンで印刷する場合は、任意の層で印刷を一時停止させ、手動でフィラメントを入れ替える方法で色替えをします。
モデルをスライスした後、表示される画面右のバーを上下に操作し、フィラメントを入れ替えたい層で右クリックをすると、一時停止のコードを簡単に挿入することができます。
今回は「16層」に追加しました。

印刷を実行し、16層に到達すると、A1miniの場合はこのような表示が出ます。

フィラメントタブでアンロードを行い、変えたい色のフィラメントを手動で交換したのちロード、印刷を再開しましょう。
印刷途中でのフィラメント差し替えについては詳しい解説動画などがネットにアップされているので、難しい場合はあわせてチェックしてみてくださいね。
多色印刷対応のマシンで印刷する場合
AMSなどを持っていて、多色印刷ができる場合は自動で色替えができるように設定をします。
モデルをスライスした後、画面右に表示されるバーを上下に操作し、フィラメントを入れ替えたい層で右クリックをすると、フィラメント交換のコードを簡単に挿入することができます。
今回は「16層」で黄色に変更されるよう設定しました。

★応用のアイデア
ここからはちょっぴり応用編です。
実はスライサーソフトはSVG(パスデータ)を取り込むことができます。
これを活用してキーホルダーをかわいくデコレーションしてみましょう。
「プリミティブを追加」から「SVG」を選択します。

今回はGoogle Fonts でダウンロードしたKid Starというかわいい星のアイコンを追加しました。
ベースの大きさを変えて、色もアレンジしてみました。

また、テキストモードではフォントが対応する絵文字も使用できます。
SVGデータや絵文字を使えばデコレーションはもちろん、複雑な形のキーホルダーを作ることも可能です。

いろいろ作ってみた
画像のものはすべてBambul studioでモデリング、自宅のA1mini Comboで出力したものです。
アイデア次第でいろんなキーホルダーができそうですね。
キーホルダーの部品は手芸店のほか、100円ショップでも手軽にかわいいものが手に入るので、ぜひいろいろ合わせて楽しんでみてください。
個人的にはプラスチック製のカラフルなものを合わせるのがお気に入り(画像左上)

今回ご紹介した方法ではパズルをする感覚で楽しく制作することができるので、あまりモデリングに慣れていないお友達やご家族、ちいさなお子さんを誘っていっしょにワイワイ作ってみるのもおすすめです。
ぜひかわいい&かっこいいキーホルダーを作ってみんなに自慢しちゃいましょう!
ここまでは宇佐まりがお送りしました!
次回もお楽しみに~
《SK本舗ユーザーのリレーコラムFDM編》
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