3Dプリンターで治具・実用部品をつくる

その作業に合う治具を、ひとつから。

部品の位置をそろえる、作業中に支える、道具の置き場を整える。まずは一つの困りごとから。当たる面と力の向きを図で整理し、治具に合う材料と形を絞りましょう。

金属部品を支える黒い保持治具の使用イメージ
部品を受け台で支え、押す力と接触面を示した図。

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まず、部品に触れる場所から。

当てる面、支える場所、工具の通り道を分けて考えます。

治具づくりは、現場で何度も繰り返している動作を見つけるところから始まります。部品を置き直す、手で押さえる、工具を探す。その中から一つを選び、部品のどこに当てれば作業しやすくなるかを考えます。支える位置を増やす前に、手や工具が入る空間も確かめましょう。

外形が中心の保持台や工具トレーは、フィラメントを使うFDMが候補です。細かな凹凸に合わせる小型の当て具なら、光造形も比較できます。どちらも形が出せることだけで決めず、使う材料と仕上げ後の収まりまで確認します。

  • 毎回の位置をそろえる

    載せる面と突き当てる面を決め、同じ位置に座るか試す。

  • 手を動かす空間を残す

    部品を支えながら、工具を入れる空間も確保する。

  • 道具の置き場を整える

    現物を測り、取り出す向きに合うトレーやガイドをつくる。

FDM・光造形の商品一覧

フィラメント方式の機種一覧

対応材料と造形範囲を各商品ページで確認できます。保持台やトレーをつくる候補を比較する入口です。

FDMの機種を見る

光造形方式の機種一覧

小型の当て具や細かな凹凸を検討する候補です。使うレジンと後処理の条件も合わせて確認できます。

光造形の機種を見る
縦脚を固定したL形部品の先端を下へ押す。層が横向き・縦向きの条件を比較する図。

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形が同じでも、使う条件は違う。

FDMの積層方向も、比較する条件のひとつです。

同じ形でも、力の向きや温度、触れる液体によって必要な材料と形は変わります。FDMで積層方向の違いを見るなら、同じ形と材料で試験片を作り、固定する箇所・押す場所・加える力をそろえます。何を変えて何をそろえたかを記録してから、たわみや使用後の状態を比べましょう。

使う環境も材料選びに関わります。熱源に近いか、水・油・薬品に触れるか、屋外で日光を受けるかを確認し、温度や接触時間を候補材料の資料と照合します。形の試作が終わったら、本番で使う材料と条件で評価しましょう。

  • 力の向きから考える

    押す・曲がる・繰り返す。使い方を出力方向と合わせて評価。

  • 熱や薬品との接触を見る

    使う温度、接触する液体、屋外かどうかを材料選びに反映。

  • 形の確認と使用を分ける

    収まりを試した後、本番の材料と条件で使えるか確かめる。

試作の記録に残す項目

再出力と比較のための記録

モデルの版、機種、材料名、造形方向、設定、後処理、使用した環境、測定結果をひと組に。変更した項目が分かる形で保存しておきます。

部品の外形を試すPLA、荷重を受ける保持具で比べるPETG、屋外で使う部品で比べるASA。適合を実物で評価する材料候補。

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FDMの材料を、使う条件から絞る。

形を見る段階と、現場で使う段階を分けて選びます。

最初の試作で確かめたいのが外形や収まりなら、PLAを候補にできます。そこで形を直してから、実際に使う材料へ進む方法もあります。ただし、PLAでうまく収まったことだけでは、熱や衝撃がかかる現場で使えるとは判断できません。

保持具などで粘りや層間の密着を重視するならPETG、屋外の日光や熱への対応を重視するならASAも比較します。材料を変えると出力条件や反りへの対策も変わるため、手持ちの機種、ノズル、プレート、囲い・換気を含む設置環境まで確認してください。同じ材料名でも製品の配合は異なり、最終的には実物で判断します。

  • PLA|まず形を試す

    室内で外形や収まりを確かめる候補。熱・衝撃がかかる使い方は別に評価。

  • PETG|保持具の候補

    粘りや層間の密着を重視する候補。たわみ、接触面、力の向きを実物で比較。

  • ASA|屋外を考える

    日光や熱への対応を重視する候補。反り対策と造形環境も合わせて確認。

フィラメント選定ガイドと製品資料

材料と対応条件を調べる

フィラメントの種類から候補を比較するガイドです。数値が必要な用途は、購入する製品のデータシートで使用条件を照合してください。

フィラメントの選び方を見る
抜き差しする部品のすき間と、位置を決める基準面の断面比較。

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「抜き差し」と「位置決め」を分ける。

当たる面とすき間は、必要な動きから決めます。

すき間を考える前に、部品をどう扱いたいかを決めます。軽く抜き差しする受けと、毎回同じ位置へ突き当てる受けでは、当てる面と空ける場所が違います。図の金色の部分を見ながら、固定したい方向と、動かしたい方向を分けてみてください。

試作では、重要な当て面や穴だけを小さく出力し、合わせる現物で確認します。浮く、がたつく、抜けにくいといった状態を記録してから寸法を直すと、次に変える箇所が明確になります。材料・向き・後処理をそろえ、完成状態で比べることが大切です。

  • 現物と測る道具を用意

    同じ部品で合わせ、当て面・穴・動かす方向を確認。

  • 状態と条件を一緒に残す

    浮き・がたつき・抜き差しを、材料や出力条件とともに記録。

現物からのデータ作成・使用後の確認

現物しかない場合

写真と主要な寸法から整理できます。3Dスキャンを使う場合も、読み取りにくい面や摩耗部分は、追加の採寸や設計で補います。

3Dスキャナーを見る

繰り返し使う治具の見直し

接触面の摩耗や変形を使用前後で比べ、交換の判断へつなげます。たわみが気になる場合は、支える位置・厚み・材料を分けて比較します。

よくある質問

PLAだけで、実用部品までつくれますか?

室内の形状確認などでは候補になりますが、用途全体をPLAだけで判断できません。熱、衝撃、日光、繰り返し使用の条件を整理し、PETG・ASAや用途に合うレジンも比較してください。

現物しかない部品も、検討できますか?

はい。まず写真と主要な寸法を整理します。3Dスキャンも選択肢ですが、測定しにくい面や摩耗した部分は追加の採寸・設計が必要になることがあります。

はめ合わせのすき間は、一律に決められますか?

一律には決められません。固定するのか、抜き差しするのかで必要な状態が変わります。機種・材料・方向・後処理をそろえた試験片で、狙うすき間を確かめてください。

金属部品を、そのまま樹脂へ置き換えられますか?

形が同じでも、材料と製法で特性が変わります。荷重、熱、薬品、摩耗などを整理し、設計と実物評価を含めて判断します。元の部品と同じ性能を前提にはできません。

プリンターを持っています。材料だけ相談できますか?

機種名と、部品の用途・大きさ・使用条件をお知らせください。現在の材料、出力設定、困っている点もあると、対応材料や次に試す条件を整理しやすくなります。

参考資料・製品情報

確認日:2026年9月6日