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光造形の露光時間はどう決める?

2026年11月更新:露光時間の出典表記と0.1mm層の倍率を、確認できる範囲に修正しました。検証モデルの説明を見直し、図を作り直しました。あわせて関連商品を価格つきのカードにし、重複していた商品名表記を整理、露光時間レンジの比較図とまとめの記録メモ図を追加しました。

光造形の露光時間はどう決める?

光造形(LCD/MSLA/DLP/SLA)の露光時間(Normal Exposure Time)は、造形品質を決める最重要パラメータの一つです。ただし「この秒数が正解」という単一の値は存在せず、レジンの色・粘度・顔料濃度、プリンターのUV出力、LCDパネルの世代(モノクロ/カラー/4K/8K/12K)、積層ピッチ、造形温度によって最適値が大きく変動します。本記事では、考え方の原則と、ChiTuBoxや各種バリデーションマトリクスを使った検証方法をまとめます。

露光時間の目安は、LCDの世代で大きく違う

「この秒数が正解」という単一の値はなく、最終的には検証モデルで決めます。

1.5〜3秒モノクロLCD機スタンダード/水洗いレジン、積層ピッチ0.05mm
2〜4秒モノクロLCD機顔料濃度の濃い・高機能レジン、0.05mm
6〜14秒旧世代RGB LCD機積層ピッチ0.05mm
長めに調整積層ピッチを厚くすると倍率は機種・レジンで異なります

一般的な参考値です。メーカー指定値がある場合は、そちらを優先します。

結論(目安)

モノクロLCD機の一般的なレンジは1.5〜3秒/層が目安、RGB(旧世代)LCD機は6〜14秒/層が目安です(機種やレジンをまたいだ一般的な参考値です。お使いのレジンのメーカー指定値を優先してください。SK本舗の水洗いレジンの商品ページでは層露光2〜4秒が目安として案内されています・2026年11月時点)。ただし同じ機種・同じレジンでも積層ピッチを厚くすれば長めに、薄くすれば短めに調整する必要があり、最終的にはXP2 Validation MatrixやRERF(Resin Exposure Range Finder)などの検証モデルを実際に印刷して決めるのが最も確実です。

SK水洗いレジン 500gSK水洗いレジン 500g
¥3,400(税込・2026年11月時点)
水洗いタイプ。露光テストの起点にしやすい標準的なレジンです。
ABSライクレジン スタンダードタイプ 1000gABSライクレジン スタンダードタイプ 1000g
¥4,280(税込・2026年11月時点)
アルコール洗浄タイプ。レジンごとに秒数を検証する時の比較用に。

メーカー推奨値から始め、テスト印刷で追い込む

XP2 Validation MatrixやRERFは、露光条件を比べるためのテストモデルです。

1 起点を決めるメーカー推奨値、または同系統レジンの中央値
2 テスト印刷XP2 Validation Matrix/Resin XP Finder/RERF
3 ベストを選ぶ細いピン・薄い壁・穴がきれいで、潰れていない条件
4 0.1〜0.5秒刻みで追い込むサポート付きの実モデルで最終確認

LCD交換・レジンのロット変更時は再検証します。

決め方の原則

露光時間は「レジンを過不足なく硬化させる時間」を狙います。短すぎればディテールが脱落し支持が折れ、長すぎればオーバーキュア(ブルーミング)で細部が潰れ、XY寸法が膨らみ、サポートが外れにくくなります。次の4点を押さえると判断しやすくなります。

  • レジンメーカー推奨値を起点にする:ボトル・TDS・メーカーサイトの推奨秒数を必ず最初にチェック。これが無ければ同系統レジン(例:水洗いスタンダード)の一般値から始めます。
  • 積層ピッチに比例して調整:0.05mmから0.1mmに厚くすれば必要な露光エネルギーも増えます。厳密比例ではありませんが、厚い層はやや長めから試すのが安全です。
  • UV光源の強度差を意識する:同じ「モノクロLCD」でも機種・世代・パネルサイズによって実効UV照度は異なります。新型高輝度機(例:上位機種のハイパワーLED+12K LCD)はより短時間で済みます。
  • 造形温度:樹脂温度が低いと反応性が落ちて硬化が遅れます。冬場や空調の効いた部屋では、ヒーター付き機種の昇温機能や保温対策を使うと安定します。

素材/機種別の目安

あくまで一般的な参考値で、必ず実機での検証をおこなってください。

構成 積層ピッチ 一般的な露光時間レンジ
モノクロLCD機+スタンダード/水洗いレジン 0.05mm 1.5〜3秒
モノクロLCD機+顔料濃度の濃い・高機能レジン 0.05mm 2〜4秒
旧世代RGB LCD機 0.05mm 6〜14秒
0.1mm層に厚くした場合 0.1mm 0.05mm設定より長めに調整(倍率は機種・レジンで異なります)

数値は機種やレジンをまたいだ一般的な参考値です。お使いのレジンのメーカー指定値を優先してください。参考として、SK本舗の水洗いレジンの商品ページでは層露光2〜4秒(色・機種により異なる目安、2026年11月時点)と案内されています。透明レジン・フレキシブルレジン・キャスタブルレジン・エンジニアリングレジンはこのレンジから外れることがあるため、メーカー指定値を必ず優先します。

検証方法(推奨フロー)

  1. 起点を決める:レジンメーカー推奨値、もしくは同系統レジンの中央値を基準秒数として設定します。
  2. XP2 Validation Matrix/Resin XP Finder/RERFを印刷:露光条件を比べるためのテストモデルです。ChiTuBoxやLychee Slicerで読み込み、ベース秒数で造形します。
  3. 細部のベストを選ぶ:印刷結果を観察し、細いピン・薄い壁・マイナス穴・ディンプルがきれいに再現されており、かつオーバーキュアで潰れていない条件を特定します。
  4. 0.1〜0.5秒刻みで追い込む:近い値で微調整し、実モデル(サポート付き)で最終確認。温度変化や新品/使い込み済みLCDでのズレも再確認します。
  5. LCD交換・レジンロット変更時は再検証:LCDの経時劣化、レジンのロット差、冬夏の温度差は実測レベルで効いてきます。造形に違和感が出たら都度検証します。

まとめ

露光時間は「メーカー推奨値を起点 → バリデーションマトリクスで検証 → 実モデルで微調整」が王道です。モノクロLCD機のスタンダード/水洗いレジンなら1.5〜3秒、旧世代RGB LCDなら6〜14秒が広いレンジの目安ですが、機種・レジン・温度で必ずズレます。最適値を決めたら、レジン名・ロット・積層ピッチ・温度と一緒にメモしておくと、切り替え時にすぐ再現できます。

レジン名・ロット色違いも別に記録
積層ピッチ0.05mm/0.1mmなど
露光時間決めた秒数(ボトム層は別)
室温・樹脂温度冬夏で再確認