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出力速度は従来型の数百倍!? 世界初のボリュメトリクス3Dプリンター「Xube」

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出力速度は従来型の数百倍!? 世界初のボリュメトリクス3Dプリンター「Xube」

 

ボリュメトリクス3Dプリンターとは何か

 

2020年12月、あるニュースに業界が激震した。ドイツのベルリンを拠点とするxolo社が、世界初となる市販型のボリュメトリクス3Dプリンター「The xube」を発表したのだ。この「The xube」、そして「The xube」に搭載されることとなる「xolography」と名付けられた技術が、今後の3Dプリンターの世界を大きく更新する可能性があるとして、科学誌『Nature』などを介して話題になっている。

 

 

 


そもそも、ボリュメトリクス3Dプリンターとはなんだろうか。その答えはシンプルで、従来の3Dプリンターとは造形方式が異なる。光造形(SLA)や熱溶解積層(FDM)といったこれまでの方式に対し、ボリュメトリクス3Dプリンターにおいてはボリュメトリック積層造形(通称VAM)と呼ばれる方式が採用されているのだ。

 

 

 

 

 

 

 

やや専門的な話にはなってしまうが、この方式は、容器に入った液体前駆体の中で、光を用いて物体を素早く固化させる方法であるという。今回、ブランデンブルク応用科学大学の物理学者マーティン・レゲリーらは、最大で25µmの特徴解像度と55mm3/sの固化速度で3D固体物体の印刷を可能にする改良型VAM技術を開発し、『Nature』( 2020年12月24/31日号)でその成果を報告した。この技術は、異なる波長の2本の光ビームを交差させて物体全体を固化させる。そのことから、交差を意味する「x」とギリシャ語で「全体」を意味する「holos」を組み合わせて「xolography」と名付けられたのだという。

 

 

 

 

 

小さなものなら数秒で造形可能に

 

さて、この「xolography」、そしてVAMの何がすごいのかといえば、何よりもまず、その造形速度だと言われている。いわく、この方式であれば高解像度3D印刷がわずか数秒で可能になる そうなのだ。報告によれば従来の3Dプリンターが90mmのオブジェクトを出力するのに約90分ほどかかるのに対し、xubeにおいては数秒から長くても5分で出力可能だと言う。そして、これまで速度とトレードオフの関係にあった出力精度においても、従来の方式を大幅に上回る と目されているのだからすごい。

 

 

 

 


マーティン・レゲリーいわく「これはスタートレックのレプリケーターのようなものだと想像してほしい」 とのことだ。スタートレックを見たことのない人のために簡単に解説すると、レプリケーターは未来世界における「なんでも製造機」であり、分子を材料に、生命体以外のありとあらゆるものを複製、制作してくれる便利マシンだ。映画ではこのレプリケーターが未来世界の必需品として描かれている。

 

 

 

 

  


実を言えば、もともと3Dプリンターは欧米圏ではこのレプリケーターに喩えられてきた。それが今回、VAMにおいてあらためて強調されているのは、多様な素材への対応力だろう。たとえば、この方式ではガラスも扱うことが可能だと共同研究者のステファン・ヘクトは言う。あるいはヘクトは「私たちは驚くほど多様な素材を扱うことができるようになる」 とも述べている。

 

 

VAMにおいてはサポート材もビルドプレートもいらない

 

また、従来の3Dプリントがレイヤーごとの造形をベースとしていたことによって抱えていたある問題が、VAMにおいては解決されるという。それはサポート材の必要性だ。従来の方式では中空のオブジェクトを生成する上で、張り出している部分が下からサポートされていないと崩壊してしまうという特徴があった。それゆえにサポート材の準備が絶対的に必要だった。


しかし、VAMにおいてはサポート材はいらない。イメージとしては原料液の中に突如として物が現れ、浮き上がってくる感じだ。ボリュメトリクス3Dプリンターは液体に対して二つの光を交差させ、それによって活性化した部分のみを硬化していく。そのため、サポート材もいらなければ、レイヤーごとではなく全体を一気に造形するため出力速度も速く、従来のビルドプレートさえ不要になるのだ。

 

 

 

 

今後はVAMが主流になるのか

 

もちろん、まだしばらくはSLAやFDMが3Dプリンターの主流であることは間違いない。VAMの開発はようやくスタートラインに立ったばかりであり、市販化されても価格は相当高価なものになるだろうし、技術的な改善の余地も多く残したものになるだろう。


しかし、数年後はどうだろうか。今後、このVAMの研究に取り組む多くの企業、機関が現れることは間違いなく、そうすれば技術的進歩のペースも加速度的に上がっていくだろう。実際、Xolographyはすでに3Dプリントの次のフロンティアと称されている 。


さて、今のところ「The xube」の販売日や価格は発表されていない。また、今回の「The xube」の発売はユーザーを通じて性能をテストすることが目的であると言われている。もし、未来の3Dプリンターの開発者の一人になることに興味があるなら、xolo社のウェブサイトを訪れ、予約リストにサインアップしてみてはいかがだろうか。

 

 

 

 


xolo社のHP https://www.xolo3d.com/#itsthere

 

 

 

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