フルカラー3Dプリンターの最前線! プロ用から家庭用まで
フルカラー3Dプリンターはいま?
今回はフルカラー3Dプリンターの最前線をのぞいてみたい。
まだまだフルカラー3Dプリンターは高額で、ちょっと敷居が高いイメージがあるが、現在では色数もどんどん豊富になってきているし、家庭用としてはまだ導入は難しい所が多いものの、オフィス用としてはかなりバリエーション豊かになっている。
そこでここでは今注目のフルカラー3Dプリンターをいくつか見てみよう。
ストラタシス社のデザイナー向けフルカラー3Dプリンター「J55」
まず紹介するのは、ストラタシス社が発売(2020年7月出荷)したPolyjet方式フルカラー3Dプリンター「J55」だ。
ストラタシスといえば、3Dプリンティングとアディティブ・マニュファクチャリング(積層造形)技術で世界をリードする企業。このJ55はなんと約50万色が再現可能で、PANTONEカラーにも対応している。5種類のオブジェクトの同時プリントもできるそうだ。
それだけのスペックを誇りながら写真で見ると結構小型であり、床占有面積はわずか0.43㎡。小さなオフィスにも置くことができそうだ。
ストラタシス社の「J55」
しかもリモートモニタリングもできるため、自宅からもプリンティング作業を管理することが可能。
価格はオープン価格、気になる方は以下の公式ホームページから問い合わせるのが良いだろう。
【ストラタシス公式HP】https://www.stratasys.co.jp/3d-printers/j55
スミソニアン研究所が採用したMIMAKI社のフルカラー3Dプリンタ「3DUJ-553」
スミソニアン研究所をご存知だろうか。
アメリカを代表する科学、産業、技術、芸術、自然史などの博物館、教育研究機関複合体の呼び名であり、あらゆる知や文化が結集している、世界屈指の文化収蔵場だ。
このスミソニアン研究所のスタジオに設置されたのが、日本の長野県を本拠地とするミマキエンジニアリングが製造しているフルカラー3Dプリンター「3DUJ-553」だ。
この「3DUJ-553」は、ミマキ社がこれまで培ってきた2Dのプリント技術を活かし、なんと世界初となる1000万以上のフルカラー造形を実現している。
造形後の色付けでは難しかった豊かな色彩表現は世界最高水準。その機能性の高さが認められ、スミソニアン研究所に設置されたらしい。
ミマキエンジニアリングのフルカラー3Dプリンター「3DUJ-553」
たとえば2020年3月にスミソニアン国立自然史博物館で開催された「アウトブレイク:つながる世界の伝染病展(Outbreak: Epidemics in a Connected World)」で展示されたウイルスの構造模型などは、この3DUJ-553によって出力されたものとのこと。
さらにスミソニアンでは今後、公共の体験型教育活動に使用する様々なオブジェクトの制作にこの3DUJ-553を用いていくことを発表している。日本の技術力も頼もしい限りだ。
家庭用フルカラー3Dプリンターなら現状ではダヴィンチColor mini
さて、2つの注目のフルカラー3Dプリンターを紹介して見たが、どちらもかなり高価であり、一般家庭ではちょっと購入が難しい。
ただ少しずつ低価格化も進んでいる。家庭用にも導入できるレベルの価格帯のフルカラー3Dプリンターとしては現状でダヴィンチColor miniが有名だろう。
価格は248,000円(税抜)。 最低でも数百万が当たり前のフルカラーの世界では破格だ。
(画像引用)https://www.xyzprinting.com/ja-JP/product/da-vinci-color-mini
本体サイズは507 x 447 x 541 mmと小さめで、基本はCMYの3色でフルカラーを表現している。評判に目を通してみたところ、プリント精度は比較的高いようで、もちろん、高価格帯のフルカラー3Dプリンターに比べれば色彩の再現度などは落ちると言わざるを得ないものの、この価格では納得の出力が出来るとの声が多い。
家庭用フルカラー3Dプリンターに関しては今後の開発に大きな期待が寄せられているところだ。SK本舗でも低価格で、機能性の高いフルカラー3Dプリンターが開発され次第、取り扱いたいとは思っている。そのためにも常に世界の動向はチェックしていきたいところだ。