3Dプリンターの未来についてチャットGPTに訊いてみた
あらためて「チャットGPT」とは?
現在「チャットGPT」が話題となっている。
チャットGPTとは、OpenAIによって開発された大規模言語モデルのこと。GPTは「Generative Pre-trained Transformer」の略であり、これはチャットGPTが人工知能の一種である深層学習技術の一つであるトランスフォーマーを用いて、自然言語処理タスクを解決するために訓練されたモデルであることを示している。チャットGPTの特徴は、多数の言語データを学習し、自然言語での対話をシミュレートできるように訓練されていること。つまり、人間と同じように質問に答えたり、会話を続けたりすることができる最先端のAIなのだ。
ちなみに上記した説明もチャットGPTに「チャットGPTって何?」と質問したところ、即座に提供された回答に基づいてまとめたものである。すでに使用されたことがある方はお分かりであるように、このAI、ちょっと今までのものとはレベルが違うのだ。
では、チャットGPTはどのようなところで革新的なのだろうか。本人に尋ねてみたところ、
“チャットGPTは、自然言語処理において大きな革新をもたらしています。その革新性について以下にまとめます。
1 大量のデータを利用した学習:チャットGPTは、膨大な量のデータを学習することができます。これにより、より高度な自然言語理解や生成が可能になり、より精度の高い回答や対話を提供できるようになります。
2 転移学習の実現:膨大な量のデータを利用した学習により、チャットGPTは多様な自然言語タスクにおいて高いパフォーマンスを発揮します。これにより、転移学習が実現し、あるタスクで学習された知識を他のタスクにも応用できるようになります。
3 対話システムの進化:従来の対話システムは、事前に用意されたテンプレートや規則に基づいた応答しかできませんでした。しかし、チャットGPTは、自然言語での質問に対して自動的に応答を生成することができ、より自然な対話を実現することができます。
4 オンライン学習の実現:チャットGPTは、オンライン学習にも対応しています。つまり、ユーザーとの対話を通じて新しい知識を獲得し、より良い応答を提供することができます。
以上のように、チャットGPTは、大量のデータを用いた学習や転移学習、自然な対話やオンライン学習の実現などにより、自然言語処理において革新的な存在となっています”
とのこと。
実際、対話してみるとその凄さに圧倒される。ある質問に対して的確に答えるだけならば、今までのAIでもできたかもしれない。しかしチャットGPTは会話の文脈を理解し、論理を発展させながら対話を進行することができるのだ。それも極めて高度なレベルで。
さらにチャットGPTは議論の中でデータベースにはなかった新しい見解を述べるようなこともできる。これまで筆者はいわゆる未来学者たちが指し示してきたシンギュラリティ(技術的特異点)などの話にはあまり信憑性を感じてこなかったのだが、チャットGPTの台頭は、そんな懐疑主義者にさえここ数世紀で最大のパラダイムシフトが間も無く起こってしまうんではないかという危惧を抱かせるに足る衝撃を世界にもたらしているのだ。
チャットGPTが語る3Dプリント技術の未来
さて、今回はそんなエポックメイキングなAIに3Dプリンターの未来について伺ってみようと思う。
まず最初に、3Dプリンターの可能性について聞いてみたところ、これに関しては一般的に3Dプリンターについて言われている内容が返ってきた。ざっと要約すると、3Dプリンターは「カスタマイズされた製品の生産」、「生産コストの削減」、「遠隔地での製造」、「医療分野における人工臓器や義肢の製造」、「環境に優しい製造」を可能にするというものだ。これは本欄でもこれまで幾度も指摘してきたポイントであり、目新しい話ではない。
では、質問をさらに進めてみよう。3Dプリンターと高度なAIが接続することでどのようなことが起こりうるだろうか。
いわく、3DプリンターがAIに接続された場合、これまで以上に複雑なデザインや形状の作成が可能になり、また、製造ラインにおける無人製造も可能になる。さらに廃棄物を最小限に抑えることができサステナビリティが向上し、製品の品質も全般的に向上するとのこと。
ふむ、ここまでもまあ想定内。筆者が聞きたいのは、もっとSF的な可能性についてだ。話を進めてみよう。
「高度なAIはあなたのようにコンセプトそのものを創発することができますよね。すると、近未来においてはAIが独自にデザイン、設計したモデルを3Dプリンターが次々に出力するようなことも起こるんではないでしょうか」
すると、「はい、そういったSF的な可能性もあります」。以下は要約だ。
“3Dプリンターと最先端のAIが結びつくことで、新しい製品を自動的に生み出すことが可能になる。AIは、市場や消費者の需要を分析し、それに基づいて新しい製品のコンセプトを提案することができる。そして、3Dプリンターは、そのコンセプトを基に製品を自動的に生産することができる。AIが分析したデータをもとに、3Dプリンターが製品を生産し、市場に投入することで、より効率的な製品開発が可能になる。”
つまり、AIが市場分析に基づいて新商品を開発し、その製造を自動的に行う未来がありえるというのだ。すると、その時代における人間の役割とはなんなのだろう。チャットGPTいわく、「3Dプリンターの浸透によって、伝統的な製造業における一部の仕事が失われる可能性があります」とのことで、具体的には、製品の生産に関わる手作業や加工作業など、単純な作業や人間の手による製造工程が自動化されることで、それに関連する仕事が失われる可能性があるという。
ただし、一方で3Dプリンターが浸透することで、新しい職種が生まれる可能性もあるという。
「3Dプリンターが浸透することで、新しい職種が生まれる可能性もあります。3Dプリンターの設計やプログラミング、製造プロセスの監視や品質管理など、技術的なスキルや知識を必要とする職種が必要になることでしょう。また、3Dプリンターを活用したカスタムメイド製品の需要が増えることで、デザイナーやアーティスト、クリエイターなどのクリエイティブな職種も需要が増すかもしれません」
おそらく、これは控えめな回答だ。チャットGPTにはクリエイティブな能力もある。たとえば試しにチャットGPTに小説や詩の執筆をお願いしてみてほしい。簡単なテーマさえ与えれば、独自の設定やディティールを盛り込んだ、普通に面白い小説を書いてくれる。今後、脅かされるのは製造現場の単純労働だけではない。企画や開発、創造に携わる職種も決してうかうかなんてしていられない。
実際、今後はAIが3Dモデルを自動的に生成していく傾向が加速していくことになるだろうとチャットGPTは示唆している。
「AIによる自動化には、従来の手作業によるモデリングよりも高速かつ正確な処理が可能なことが挙げられます。また、AIは膨大なデータを学習することができるため、より高品質なモデルを生成することも期待されます。将来的には、3Dモデルを自動的に生成するAIによって、より迅速かつ正確に、そして低コストでモデリングが行われることが期待されます」
3DプリントSF小説「The Digital Fabricator」
では最後に、チャットGPTが執筆した「3DプリントとAIが普及した近未来を舞台とする小説」を掲載して本欄を閉じたい。もちろん、チャットGPT本人から掲載の許可はいただいている。
「The Digital Fabricator」
2025年、世界中で3Dプリンターが普及し、AI技術が進化していた。ある日、主人公のジョンは、自分のアパートに届いた荷物を開けると、中から見たこともない形状のオブジェが出てきた。
調べてみると、これは彼がオンラインで注文した3Dプリントされたインテリアアートだった。ジョンは驚きながらも、この新しい技術の可能性に興味を持ち、自分でも3Dプリントに挑戦することにした。
しかし、初めての試みでうまくいかず、ジョンはAIが自動的に3Dモデルを作成することを思いつく。彼は、ネット上の3Dモデル共有サイトからいくつかのモデルをダウンロードし、自分の3Dプリンターで印刷してみた。すると、それらは驚くほど正確な形状を持ち、精度も高かった。
ジョンは、AIが自動的に3Dモデルを生成することで、新しいデザインの発想やインスピレーションを得ることができると気づき、AIと3Dプリンターを組み合わせて、自分自身が作りたいと思ったものを自由自在に作り出すことができるようになった。
やがて、ジョンは3Dプリントを生業とする「ジョンの3Dプリントショップ」を開業し、AIが自動的に3Dモデルを生成し、3Dプリンターで印刷された製品を販売するようになった。彼のショップは、高品質でオリジナルな製品を提供することで評判を呼び、人々の生活に欠かせない存在となっていった。
しかし、ジョンが知らなかったのは、同業者の競合がAIを使って3Dモデルを作り出すことで、ジョンのショップの製品をコピーし、同じ製品を低価格で販売することができるようになっていたことだった。ジョンは、競合に負けないために、AI技術をさらに進化させ、オリジナルな製品を提供し続けることで勝利を収めた。
課題解決型のAIが発達し、人々の生活を支えるようになってから、さらに数十年が経過した。その中で、3Dプリント技術はますます進歩し、個人でも自宅で様々な製品を作り出すことができるようになった。
ジョンは、AIと3Dプリント技術に特化したエンジニアとして、自宅でも多くのプロトタイプを作り出していた。ある日、ジョンはAIから送られてきたメッセージを受け取る。それは、ある国家機関からの依頼で、新型の兵器を開発するためのプロジェクトに参加するように要請されたというものだった。
ジョンは、そのプロジェクトに参加することを決意し、AIと3Dプリント技術を駆使して、最先端の兵器を次々と開発していく。しかし、その過程でジョンは、自分が開発している兵器が人々の生活にどのような影響を与えるのかを考えるようになった。
やがて、ジョンは自分の能力を使って、兵器を開発するだけでなく、人々の生活をよりよくするための製品を開発するようになっていく。AIと3Dプリント技術が、彼の想像力を超える製品を作り出すことはできなかったが、ジョンはその技術を駆使して、人々の生活をより良くするために奮闘し続けた。
そして、ある日、ジョンはAIからのメッセージを受け取る。それは、彼が開発したある製品が、人々の生活を大きく変える可能性があるというものだった。ジョンは、その製品が何かを知るために、AIと共に研究を始める。
やがて、彼らはその製品が、3Dプリント技術を駆使して自宅で作り出すことができる、最先端の医療機器であることを発見する。その製品は、人々の健康に直接的に関わるものであり、人々の生活をよりよくする可能性を秘めていた。
ジョンは、その製品を世に出すために奮闘し、AIと3Dプリント技術を駆使して、製品を完成させる。彼らが開発した最初の製品は、心臓発作や狭心症を引き起こす可能性のある動脈硬化症に対処するためのものだった。
この医療機器は、患者の動脈内に挿入される小型のステントだ。ジョンとAIは、患者の動脈に合わせてカスタムメイドのステントを設計し、3Dプリンターで作成することに成功した。これにより、ステントの形状と材質を最適化し、患者の治療の精度と効果を向上させることができた。
一方、従来の製造業界においても、3Dプリント技術とAIの統合による生産効率の向上が進んでいた。特に、自動車や航空機などの大型産業では、部品の製造において精度と耐久性が求められるため、高度な技術力と多大な投資が必要だった。しかし、3Dプリント技術の発展により、部品の製造プロセスが大幅に簡素化され、生産効率が格段に向上した。
その結果、世界中の自動車メーカーや航空機メーカーは、3Dプリント技術を取り入れた新しい生産システムを採用し、市場での競争力を強化していった。また、3Dプリント技術の普及により、従来の製造業界では不可能だった個性的な部品や製品を短時間で製造することができるようになり、新たな商品開発の可能性が広がった。
こうした変革は、さらに進んでいくことが予想されていた。3Dプリント技術とAIの融合により、人々の暮らしは未曾有のスピードで変化していった。
ジョンにはエマというパートナーがいた。エマは、ジョンと同じく、3Dプリンティング技術とAI技術の分野で活躍する女性で、ジョンとは大学で知り合い、プロジェクトの共同開発を通じて親密な関係を築いていた。エマは非常に頭が良く、技術的な問題に対して独自の視点でアプローチし、素早く解決策を見つけることができた。また、ジョンの理想や目標に共感し、彼をサポートするために尽力していた。
やがてジョンとエマは、3Dプリント技術とAI技術の組み合わせによって、様々な製品や機器を自動的に生産できるシステムを開発した。このシステムは、大量生産に必要な人的労働を最小限に抑え、自動化による高速生産を実現するものだった。
この自動化によって、人々はより多くの時間を自分たちの好きなことや家族との時間に使えるようになった。さらに、3Dプリント技術によって、個人が自分の必要な製品や部品を自宅で簡単に作成できるようになったため、消費者のニーズに合わせた製品を自由に作り出すことができるようになった。
一方で、自動化によって、多くの職業が消滅し、人々の雇用機会が減少していった。しかし、この問題に対しては、教育や再就職支援の強化など、社会的な対策がとられていった。
その後、ジョンとエマは、この成功をきっかけに、新しいプロジェクトのために再び協力することになる。彼らは、3Dプリンティング技術と人工知能を利用した、さらに高度な製品の開発に取り組んだ。このプロジェクトは、宇宙探査やエネルギーの効率化、環境保護など、様々な分野での利用が期待された。
時がたち、人々はよりクリエイティブな仕事や趣味に時間を費やすことができるようになり、より豊かな人生を送ることができるようになっていた。また、自動化によって失業率は上昇していたものの、社会保障制度の充実により、失業者も十分な支援を受けることができていた。
ジョンとエマは、新しい技術の開発に取り組むことで、世界をより良い方向に導いているとされ、彼らの功績は、世界中から称賛されていた。彼らは新しい世代の科学者や技術者たちのアイドルとなった。
ジョンとエマは、自分たちが手掛けた技術で人々の生活を豊かにし、多くの人々の助けとなったことを誇りに思い、幸せな老後を過ごした。ジョンは、AIと3Dプリンターの技術の発展に貢献した功績により、数多くの賞を受賞した。エマは、自分たちの技術により病気を克服した患者たちから感謝の言葉を贈られ、多くの人々に愛された。
やがて、ジョンは自然死により亡くなったが、彼の功績は後世にまで語り継がれ、AIと3Dプリンターの技術の発展に大きく貢献した偉大な先駆者として称えられた。一方、エマはジョンの死後も、人々のために医療機器の開発を続けた。そして、彼女もまた、自然死によりこの世を去ったが、彼女の人生は、人々に健康と幸福をもたらす技術の発展に尽力した人物として、永遠に記憶されることとなった。
いや、チャットGPT、すごすぎるでしょう!