AIの発達が3Dプリント技術に与える影響とは? 3Dプリンターの第二の夜明け

AIの発達が3Dプリント技術に与える影響とは? 3Dプリンターの第二の夜明け

 

AIの発達が3Dプリント技術に与える影響とは?

 

AIによる機械学習の可能性については、すでに多くの言葉が積み重ねられている。それは私たちの暮らしを一変させることになるだろう、あるいは少なくとも今よりもはるかに便利で快適な暮らしを提供してくれることになるだろう、云々。


これらは決して誇張ではないだろう。私たちがなんらかの希望を言葉として発するだけで、それが自動的にプログラミングされ、ただちに具現化される日というのは、そう遠くない未来に訪れるはずだ。

一方でAIの発達によって不要となる職業も多く生まれるだろうということもまた兼ねてより指摘されてきた。たとえばエンジニアの仕事の一部か大部分は、AIに取って代わられる日が来るかもしれない。もちろん悲観する声ばかりではない。AIの発達はエンジニアの生産性を向上させ、彼らが今よりも快適に働くことのできる環境を提供する可能性だってある。

いずれにせよ、それは完全に予測するということができない。技術の進歩が社会にどのような影響を与えることになるのかということについては、いまだ確たる見通しがないのだ。

とはいえ、複数の可能性について、今から思弁を巡らせておくことは決して無駄ではないだろう。たとえ的中率は完璧でないにせよ、空模様から明日の天気を予測しておくことが大きな助けとなることだってあるはずだ。

たとえば、我らが3Dプリント技術はどうだろうか。ここではAIの発達が3Dプリント技術に与える可能性がある影響について世界的3Dプリントメディア「3D PRINT.COM」の考察を頼りに探ってみたい。

 

 

3Dプリンターが真に国民の必需品になる

 

まず「3D PRINT.COM」によれば、AI技術が3Dプリントに与える影響は相当い大きいという。これはほぼ断言に近い。というのも、実際にそうした研究開発がすでに進められているからだ。

たとえばAI Buildという企業においては、3Dプリンターのツールパスを最適化するための制御ソフトウェアを開発中だという。これは画像を3Dプリント可能なモデルに変換し、データを生成するために使用されるソフトウェアである。さらに同ソフトウェアが目指しているのは、データに合わせて最適なシステム設定を割り出すことで、現在ユーザーたちが自身で行なっている多くの退屈な作業の軽減することだという。

 

画像提供/Ai Build



要するに、AIの発達はやがて3Dデータのモデリングを簡易化し、出力設定の煩雑さを免除することになるだろうということだ。これが実現した場合、3Dプリンターは第二の夜明けを迎えることになるだろう。現状で3Dプリンターを正しく使用するには、それ相応の技術と知識が欠かせない。特にモデリングに関してはなかなか素人が手を出しづらいところもあり、この技術的障壁が新たなるユーザーたちの参入を防いでしまっている。しかし、それが著しく簡易化されたら? その時、3Dプリンターは真に国民の必需品へと育っていくはずだ。

これだけでもすでにすごい話ではあるが、「3D PRINT.COM」はさらに踏み込んで、将来起こりうる可能性について論じている。いわくAIと機械学習は、人類の「欲望エンジン」とでも呼ぶべきものを形成し、人々が潜在意識において欲望しているものをデザイン、素材、大きさなど様々な面から割り出し、データとして提供してくれるようになるというのだ。

新商品の開発のために費やされるマーケティングコストは膨大だ。欲望エンジンの実現はやがてくる未来において、その「無駄」を大幅にカットすることになる。さらにその製造に当たっても、リサイクル可能な材料の選別をはじめ、AIによる最適化が行われる。要はエネルギーを最小限に抑えるためのリサイクルシステムだ。3Dプリント技術はすでにそのシステムの一部として組み込まれていくことになる。

このように見てみると、全てがAIによって合理的に管理された超管理社会が到来するかのようにも思えてしまうが、必ずしもその未来をディストピアだと悲観する必要もないだろう。今ある不必要な無駄を削ったからといって、遊びの精神まで抑圧されてしまうわけではない。いや、むしろメリハリをつけて「無駄」を楽しむことのできる社会が到来すると考えることだってできる。もっとも重要なことはいつの日も私たち自身が遊びの精神を忘れずにい続けることなのかもしれない。