
素材費用が今の10〜30%に? ペレット3Dプリンターの可能性
待望のデスクトップ型ペレット3Dプリンターが市場参入か?
現在、NAW3Dのあるプロジェクトがキックスターター内で注目を集めている。
そのプロジェクトは、NAW3Dが開発する「デスクトップペレット3Dプリンター」の市場参入を試みるもので、この開発がうまくいけばペレット方式の3Dプリンターがついにデスクトップで一般的に使用可能となるかもしれないと言われている。
画像提供:NAW3D
そもそもペレット方式の3Dプリンターとはなんだろうか。
ペレットとはフィラメントに加工する前の材料のこと。つまり、ペレット3Dプリンターとは、フィラメントに加工することなくペレットをそのまま使用できる3Dプリンターのことであり、材料コストやSDGsの観点などから近年注目を浴びてきた。
そのメリットとしてはコストの低減の他、造形速度の高さや素材の選択肢の豊富さなどが指摘されており、実用性の観点からも注目されている。ただ現状ではその造形解像度に限界があることも指摘されており、またペレット3Dプリンター製品が市場にあまり出回っていないことから、今のところ一般には普及していない。
ただ、やはりそのコスト面での魅力は大きい。ペレットはフィラメントの10〜30%の価格で入手することができ、家庭で生じたプラスチックゴミのリサイクルも容易。3Dプリンターを常用する上では素材代をいかにおさえるかというのは大きなテーマである。もちろん弊社ではできる限り安価で高性能なフィラメントやレジンを提供することを心掛けているとはいえ、もしより良い選択肢が存在するならば、それに越したことはない。
今回、NAW3Dが開発する「デスクトップペレット3Dプリンター」の推定価格は3000ドル程度とのことで、決して安価とは言えない。ただ、ペレット3Dプリンターの利点は使用すれば使用するほど「お得」になるという点にある。
画像提供:NAW3D
さらにペレット3Dプリンターはグラインダーと組みわせて使用することで、自宅で不要となったペットボトルを素材に3Dプリントすることも可能と言われている。先述したように、解像度に関してはまだ限界があるとのことだが、これもまたその用途次第では(高解像度が必要なオブジェを出力する必要がない場合などにおいては)問題にならないだろう。
いずれにせよ選択肢が増えることは素晴らしいことだ。ペレット3Dプリンター市場の今後の展開に注目したい。