医療ケアを刷新する3Dプリント技術の最先端がイタリアで公開
WASPが示した医療3Dプリント技術の現在形
現在、イタリアのボローニャで開催中(4.17~4.19)のヘルスケアに関する博覧会「Exposanita2024」であるブースが注目を集めているという。
それは産業用3Dプリンターを専門に扱い、建設からエネルギー開発に至る様々なプロジェクトを手掛ける企業WASPのブース。同社はまた医療分野での3Dプリンティング技術の活用においても高い専門的知識を有している。
WASPのブースでは医療3Dプリンターの最先端に関する6つのケーススタディが紹介されているという。とりわけ訪問者の注目を集めているのは、患者に完全にパーソナライズされたシリコンプロテーゼによる造られる3Dプリント義足だ。
画像/WASP
複雑な形状と構造を作成するために特別に設計されたDelta WASP 4070 PROとDelta WASP 2040プリンターを活用することで、同社はプラスチックPLAとTPUを使用してフットモデルを作成。これは日常的に装着してもかなり快適な作りになっているようであり、これまでにない患者のケアを可能にするものとして高く評価されている。
他にもWASPのブースでは、問題のある領域から重量を分散し、背骨の負荷を軽減することによって胛骨と背骨をサポートするように設計された反重力ブレースや、患者の快適さとサポートを優先するオーダーメイドの整形外科用シートなど、3Dプリント技術がヘルスケアにおいていかにポテンシャルを秘めているかが様々に紹介されている。
画像/WASP
画像/WASP
ブースではこうした先端アプリケーションのみならず、WASPの主要な産業用3DプリンターであるWASP 4070 FXとWASP 60100 HDPの出力実演も行われているようだ。共に、医療用途向けに特別に設計された3Dプリント技術の最前線を体現するマシンである。
これらの技術はいずれもある病気の治療に関して根本的な革新をもたらすものではなく、治療プロセスにおける患者のケアの向上を可能にするものだ。人々の取り除きがたい痛みを少し緩和するための技術として、3Dプリント技術があらためて注目を浴びている。