光造形3Dプリンターの設定に関するデータベースサイト「MAKER TRAINER」が登場
機種ごとに違う3Dプリンターの推奨設定
3Dプリントを成功させるためには、機能性の高い3Dプリンター、品質の良いレジンがあれば十分かと言えば、もちろんそんなことはない。どんなに良い機材、素材を使っていても、環境や設定が適切なものでない場合、思い描いたような3Dプリントを行うことはできない。
3Dプリンター並びに必要なソフトウェアの適切な設定に関しては、一応の基準値のようなものは存在する。ただ、実際のところ、3Dプリンターの機種によって設定すべき数値はまちまちだし、何を出力したいかによってもその数値は変わってくる。
すると難しいのは、自分の環境、目的に応じた適切な設定についての情報を、どう得ることができるのかということだ。結局、それぞれがトライ&エラーの中で手探りで適切な設定を探っていくしかないのだろうか。
実はこの3Dプリンターユーザーを悩ます問題に、一筋の光を差すようなサイトが登場して話題になっている。そのサイトの名前は「MAKER TRAINER」。果たしてどんなサイトなのだろうか。
光造形3Dプリントの設定を網羅するコミュニティデータベース
「MAKER TRAINER」はオープンソースの3Dプリント関連情報のデータベースサイトで、3Dプリントに関する基礎知識、最新情報を網羅的に扱う3Dプリント版Wikipediaのようなサイトだ。開設者はAdam Buteという人物で、光造形3Dプリント分野で働く人々を支援するために、光造形3Dプリントの設定に関するコミュニティデータベースとしてこれを立ち上げたようだ。
MAKER TRAINER
https://makertrainer.com/wiki/Main_Page
中でも同サイト内で注目したいのが、「All resin settings」という項目だ。ここでは現在、市場で流通している代表的な光造形3Dプリンターが紹介されており、同時にそれぞれの機種に関して、使用するレジンごとの適切な設定が紹介されている。
MAKER TRAINER /All resin settings
https://makertrainer.com/wiki/All_resin_settings
取り扱われている3DプリンターメーカーはAnycubic、Elegoo、Phrozenなど、SK本舗でもお馴染みのメーカーとなっており、もちろんメーカー内の各機種、またそれに応じたレジン各種のそれぞれについての推奨設定数値など(レイヤーの高さ、時間、ベースレイヤー数など)が記されている。
確かに、現状でもいまだ自分自身で検証を繰り返すことが正確な数値を得る上での最良の道であることは変わらず、また同サイトにおいては現状ではSK本舗のレジンが取り扱われていないという惜しむべき点もあるが、光造形3Dプリンターの、少なくともまず最初に参照するべき設定に関して、これだけ広範にレジンの種類ごとに網羅しようとしたサイトはこれまでなく、非常に画期的なサイトだと言えるだろう。
熱溶解積層方式の3Dプリンターに関してはすでに同じような形のデータベースサイトが存在しており、こうしたサイトがコミュニティにとって価値があるということは証明されている。今後、さらなる情報の充実を期待したいところだ。