Androidユーザー待望の3Dスキャンアプリ「Kiri Engine」の評価と将来性
ほとんどの3DスキャンアプリはiOS向け
3Dスキャンに初挑戦しようという方にとって、3Dスキャナーをいきなり購入するというのは、ややハードルの高い選択かもしれない。実際、3Dプリンターユーザーの中でもスキャナーまで揃えているという人はまだ限られている。
現状で最もハードルの低い3Dスキャンの方法はスマホのアプリだろう。現在、多くのスマホでアプリさえ入れれば3Dスキャンが可能となっている。もちろん、高品質の3Dスキャナーと比較すればその能力は目劣りせざるを得ない。しかし、まず手軽に3Dスキャンに挑戦するという上で、3Dスキャンアプリは非常に優れた選択肢だと言える。
ところで、ここにひとつ問題がある。現在、メジャーな3Dスキャンアプリのほとんどが「iOS」向けに作られているということだ。つまり、Androidユーザーの場合、これらを使えないということだ。ただしAndroid向けの3Dスキャンアプリが全くなかったわけではない。それらは一応存在するにはしていたのだが、正直なところ機能は低く、また使い勝手が悪いと酷評されていた。
そんな中、昨年末頃より、Androidユーザーでも使用でき、かつ機能も優れていると評価の高い3Dスキャンアプリが登場したと話題になっている。Kiri Engine。それがそのアプリの名称だ。
基本は無料だけどプレミアムコースも
Kiri Engineは2021年12月よりPlayストアで利用開始となった3Dスキャンアプリだ。基本的な機能は、これまで存在した3Dスキャンアプリと変わらない。基本的には無料で使用でき、ログインしなくともスキャンまではできるが、スキャンしたデータをダウンロードする場合は、アカウント登録が必要になる。
無料アカウントの場合は1週間に3つまでデータをダウンロードできるが、それ以上ダウンロードしたい場合はトークンを購入することになる。1回につき0.99ドル。決して高額ではない価格設定だ。
またプレミアムコースも存在していて、こちらを利用すると、スキャン一回の画像数が通常の70から200に増加する。さらにブラウザベースの写真アップロード機能など、通常コースにはない機能がいくつか利用できるようになる。
Kiri Engineの3Dスキャンのクオリティは?
で、実際に使用した際のクオリティはどうかといえば、必ずしも現行のスマホ用3Dスキャンアプリの最高レベルには達していないものの、Android対応の3Dスキャンアプリとしては、これまでで最高の機能性を持っているというのが大方の評価のようだ。
とりわけその使いやすさ、シンプルさは好意的に受け止められており、またDiscordを通じてユーザーから得たフィードバックを踏まえた定期更新が行われているという点も将来性を含めて期待値は高い。現状では後処理は必須になるが、今までAndroidユーザーであるがゆえに3Dスキャンアプリを使ってこなかった人たちにとっては、待望のアプリであることは間違いない。
なにはともあれ、百聞は一見にしかず。まずは無料コースだけでも試してみるのが良いのではないだろうか。