
YouTuberが独自開発した3Dプリント点字学習ツールを無料配布|3Dプリンターとクリエイティブコモンズが世界を変える
10万円以上する点字学習機器を3Dプリント
数十年前と比較して現在の社会におけるアクセシビリティは格段に向上している。さまざまなハンディキャップ、さまざまなニーズを持つ人々に対応するためにはデバイスの開発が欠かせない。高性能な義肢や義足、視覚や聴覚をサポートする装置など、多くのデバイスが開発され、万人に開かれた社会の実現を支援している。
ただ問題もある。それらのデバイスが多くの場合、莫大な費用を必要とするという点だ。たとえば、視覚障害者が文字を識別するためには点字が欠かせない。その点字を学ぶための学習機器は一般に10万円以上する。決してお気軽な値段ではない。あるいは晴眼者で点字を学びたいという人にとっても、学習機器の高さが高い敷居となってしまう可能性もあるだろう。
ここに着目したのが3Dプリント系YouTubeチャンネル[3DPRINTY]だ。彼は高価な点字学習機器をどうにか3Dプリント可能なデータとしてコモンズ化できないかと考えた。
一般に点字学習機器はさまざまなシンボルを形成するために押すことができる6つのボタンを備えた一連の文字列で構成されているという。まず[3DPRINTY]がつくった試作品は、この6つのボタンをスプリングによって上下にポップアップすることが可能な簡素な作りだった。
しかし、実際に使用してみたところ、そのデバイスが実用性においてはあまりに面倒であることが発覚。その後、試行錯誤の末にメカニズム全体を再設計、スプリングによるポップアップの案を捨てることで、実用可能な点字学習機器を完成させるに至った。
この3Dプリント点字学習機器はモジュール式になっているようで、ユニットを接続することでより長いトレーナーを形成することもできる。そして何より評価すべきは、[3DPRINTY]がクリエイティブ・コモンズ・パブリック・ドメイン・ライセンスの下でデザインをリリースし、誰もがこれらのツールを必要に応じて制作し、またデータを配布できるようにしたということだ。データに対応している3Dプリンターにさえアクセスできれば、点字学習機器の費用を格段に下がる。
クリエイティブ・コモンズと3Dプリンター、この組み合わせを活用すれば世界は確実に変わる。日常の隅々にそのためのアイディアはきっと転がっているはずだ。皆さんも是非[3DPRINTY]に続いて、世界を変えるムーブメントに参画してみてはどうだろうか。