
3Dプリントしたマウンテンバイクで北極海を探検|アレックス・ベリーニの過酷な挑戦
3Dプリントバイクで向かう1800kmの旅
3Dプリント技術を用いた高性能自転車がさまざまな場面で活躍している。2024年のオリンピックでは3Dプリントバイクが大活躍するだろうとも言われており、今後の発展に期待がかかる。
そんな中、ある人物が注目を集めている。その人物とは探検家のアレックス・ベリーニ。彼は3Dプリント技術によってカスタマイズされたマウンテンバイクを使用して、アラスカ、グリーンランド、北極海などの極地を探索するという、ユニークな冒険を試みている。
ベリーニは20年にわたり過酷な条件下での探検を実践してきた人物。今回「Eyes on Ice」と名付けられたこのプロジェクトでは、イタリアを出発地に、約3年をかけて極北の探検が行われる予定だ。
Alex Bellini/Alaska 2024
激しい極地における探検である。当然、その「足」となるマウンテンバイクは最高の性能を誇るものでなければならない。今回使用されているバイクはベリーニの体格に完全にフィットするように3Dプリントカスタマイズされたもので、このバイクでおよそ1800kmを横断することになる。
先端技術を用いたIMPACTフレーム
フレームは30%の炭素繊維で剛性を豊富にしたリサイクルポリカーボネートペレットをRAM(ロボット積層造形)3Dプリントによって製造したIMPACTフレームであり、環境活動家としてのベリーニらしい素材のサステナビリティに対するこだわりを受けて、フランシスコ・マルティンス・カラベッタが率いるeXginering/Gimac/X-engineeringチームによってゼロから設計および製造された。
Alex Bellini/Alaska 2024
ベリーニもまた「これは単なる探索旅行ではありません。Eyes on Iceでは、極地の生態系の理解、普及、保護に積極的な役割を果たしたいと考えています。私たちの歴史と未来は氷と密接に結びついている」と語っており、今回のプロジェクトの重要性を強調している。
3Dプリントバイクはミラノ大学の-40℃の気候室でのテストされ、すでに極地へと向かってベリーニと共に出発している。過酷な探検を最後までサポートすることができるのか、注目だ。
Alex Bellini/Alaska 2024