
1トンあたり約497馬力を達成したアストンマーティン「ヴァリアント」の3Dプリントサブフレーム
次世代ボンドカーにも3Dプリント技術の波が?
映画「007」シリーズのボンドカーでもお馴染みのアストンマーティン。
中でも最もアイコニックな存在といえばアストンマーティン・DB5・ボンドカーだろう。2020年に同社によって復刻された世界限定25台のDB5コンティニュエーションは、1台あたりの価格がおよそ275万ポンド(4億4000万円)。まさに夢の名機である。
さて、長い歴史を持つアストンマーティン社だが、現在は同社もまたその自動車製造において3Dプリント技術を大きく取り入れている。たとえば先日、同社が発表した新作スポーツカー「ヴァリアント」においてもそうだ。このヴァリアントは、伝説のレーサーであるフェルナンド・アロンソの委託によって開発された車両になるが、ロドリーガルとトラックに焦点を当てた設計を持ち、1トンあたり約497馬力という驚くべきパワー対重量比を達成している。そして、この設計を実現させているのが、3Dプリントされたリアサブフレームなのだという。
同社によれば、リアサブフレーム製造における3Dプリント技術の採用の利点は、必要な強度と構造を維持しながら、それ自体の重量を減らすことが可能になることだという。この軽量化は、車の敏捷性とハンドリングを高めるために重要なものであり、これによって高速操縦中であっても車両の正確な制御が可能になる。
もちろん、ヴァリアントにはこの他にも様々な技術が投入されているのだが、複雑な高級車の製造においていまや3Dプリント技術が効率やコストの面のみならず、機能性においても欠かせないものとなっているということは間違いない。
現在、エネルギー問題の観点から自動車産業に対して主に燃料の点で厳しい視線が集まっている。ただ、そのソリューションは燃料そのものを変えること以外にもある。自動車製造の現場における3Dプリント技術の導入は、自動車の安定した軽量化を可能し、エネルギー効率をさらに上昇させるものとなる。ひいてはエネルギーの無駄遣いを減らすことにもつながる。
自動車産業とAM技術の蜜月に終わりはなさそうだ。