iOS、Android対応の注目の3Dスキャンアプリ・5選
2023年の夏時点で注目のiOS、Android両対応のスマートフォン向け3Dスキャンアプリ
(サムネイル引用:Qlone Website)
3Dスキャンをいかに使いこなすか。これは3Dプリンターユーザーにとって今後最も大きなテーマになっていくだろう。ツールも様々に増えた。かつては3Dスキャンのためには高価な3Dスキャナーが必要だったものだが、現在ではスマートフォンでも3Dスキャンを行うことができ、その精度もめきめき上昇している。
また、少し前まではスマートフォン向けの3DスキャンアプリはiOSにしか対応していない場合が多かったが、現在はAndroidにも対応しているアプリがかなり充実していきている。それこそここ1年ほどの期間でも状況の変化はめまぐるしいほどだ。
そこで、ここでは2023年の夏時点で注目のiOS、Android両対応のスマートフォン向け3Dスキャンアプリをご紹介したい。
1.KIRI Engine
まずは本欄でも以前に紹介したことがあるKIRI Engineだ。こちらのアプリはAndroidにも対応した3Dスキャンアプリの先駆的存在として、ここ1年でかなり浸透しているのではないかと思う。
写真測量を通じて3Dデータを生成するクラウドベースのアプリで、3Dプリント用3Dデータの生成のみならず、インテリアデザイやゲームデザインのための3Dデータ生成など様々な用途に用いられている。なお、KIRIには4Kテクスチャが含まれており、高い解像度を必要とするプロユースとしても使用することができる。
基本的に無料で使用することができるが、無料エクスポートには週ごとに3回までという制限回数も設けられている。もちろん月額使用料を支払えばこの制限は取り払われる。ユーザーからの評価も非常に高くオススメのアプリだ。
KIRI Engine→https://www.kiriengine.app/cases
2.Polycam
iOS向けの3Dスキャンアプリとして多くのユーザーからの支持を集めてきたのがこちらのPolycamだ。実はPolycam、2022年の4月からはAndroidoデバイスでも利用できるようヴァージョン変更がなされている。
特徴としてはモバイルデバイスにLIDARが搭載されている場合、リアルタイム空間スキャンを行えるということ。またオBJやGLB、STLなどの10以上のファイル形式へのエクスポートが可能であるということだ。
そのスキャンの品質に関しては、速度が遅いという欠点があるものの、そのぶん、データの品質は非常に高いという定評がある。レビューもかなり高い。無料でも使用することができるが、データのエクスポートなどを自在に行いたい場合は有料会員になった方が良いだろう。
Polycam→https://poly.cam/
3.WIDAR
こちらもiOS、Andoroid共に対応している3Dスキャンアプリだが、Widarは写真測量とLiDARセンサーによる3Dスキャンを行うアプリのため、LiDARセンサーを備えたデバイスのみで利用可能となっている。
またスキャンのみならず、3Dモデルの編集もアプリ内で行えるという特徴があり、データの様々なカスタマイズ、色や背景、テクスチャなどの編集を行うことができる。
スキャンも編集も基本は無料で使用できるが、4K高解像度テクスチャの使用、様々なファイル形式でのエクスポート機能を使用したい場合は有料会員登録が必要だ。
WIDAR→https://www.widar.io/
4.Magi Scan
現在、評価が急上昇中の3Dスキャンアプリといえば、このMAGI SCANだろう。何よりの魅力は、その速度と汎用性の高さだ。あらゆる形状やサイズのオブジェクトを、高速で、かつ高精度で3Dスキャンしてくれる。
欠点としてはスキャンにあたってアクティブなインターネット接続が必須であるということ。つまり、ネットの届かない場での使用は困難だ。
また、スキャンした3Dモデルをリアルタイムの仮想モデリングと仮想化のためのオープンプラットフォームであるNVIDIA Omniverseにエクスポートすることができるのも大きい。基本的には無料でも使用できるが、より高速の処理を求める場合は有料登録するのが良いだろう。
Magi Scan→https://magiscan.app/
5.QLONE
こちらiOSとAndroid両対応の3Dスキャンアプリ。オールインワンアプリを使用すると、ユーザーは画像をスキャンし、編集し、デジタルファイルをエクスポートすることができるようになる。
Credit:Qlone Website
プロセスは非常に高速、それにも関わらず4Kでスキャンすることもできるため、品質も非常に高い。ただ、少し面倒な機能もあり、このアプリでは、Webサイトから標準の印刷用紙に印刷するための特別なマットを使用する必要があり、スキャン対象のオブジェクトのサイズがプリンターの用紙サイズによって制限される可能性があるということだ。
ただし、このマットを使用することでカメラに撮影領域が与えられ、その領域のみがスキャンの焦点となり、他のノイズはすべて除去されるという利点もある。こちらも基本は無料で使用することが可能だ。
QLONE→https://www.qlone.pro/
まとめ
いかがだっただろうか。
今回は様々あるアプリの中から、今最も注目すべきアプリを5つ選んで紹介させてもらった。ただ、状況は刻々と変化している。来週にもいきなり、業界のスタンダードを覆すような最先端アプリが登場するかもしれない。これは大げさな話ではなく、今、このシーンは明らかに「成長期」の段階に入っている。
いずれにせよ、今回、紹介したアプリはいずれも無料で使用することができる。まずはそれぞれ試してみて、自分に最も合ったアプリを継続して使ってみるのが良いかもしれない。是非とも3Dスキャンアプリを使いこなして、よりより3Dプリントライフを送っていただけたなら幸いだ。