汎用性抜群のPETGフィラメントを使いこなすには?|おすすめの出力物5選
PETGフィラメントはなぜ「使いやすい」のか?
FDM方式の3Dプリンターで使用可能な素材のうち最も安定性が高いのはおそらくPETGフィラメントだろう。
すでに一般的にも知られている様に、PETGフィラメントは硬くて強いPLAフィラメントと丈夫で耐衝撃性のあるABSのちょうど中間に位置するフィラメントである。いわば両者の「いいとこ取り」によって誕生したフィラメントであり、非常に汎用性の高い素材として人気を博している。
もちろんどんな優れたものにも欠点はある。たとえばPETGフィラメントはPETフィラメントに比較してやや表面が弱く傷つきやすいことが知られている。また、設定によってはプリント中に糸引きが起こる可能性などもあるなど、使用の上では一定の注意も必要だ。
とはいえ、PETGフィラメントによる3Dプリントの安定性はそうした欠点を踏まえても余りある魅力的な点であり、現状においては最もおすすめできるフィラメントの一つであることは間違いない。より詳しいPETGフィラメントの魅力については以下の記事を参考にしてほしい。
PLA、ABSに次ぐ注目のフィラメント「PETG」|最も使いやすいフィラメントはどれか?
https://skhonpo.com/blogs/3dprinter-practice/3dpetg?_pos=2&_sid=97c8cdc5c&_ss=r&fpc=2.1.365.596066bca8c8032d.1688992280000
ちなみにSK本舗でもPETGフィラメントの取り扱いがある。使いやすさと安定性に定評のあるSunlu社のPETGフィラメントだ。13種のカラーバリエーションも用意しているので、PETGフィラメントをまだ試したことがない方は是非ともこの機会に試してみてほしい。
PETGフィラメントで出力したいオブジェクト5選
ところで、このPETGフィラメントはどんな出力品により適しているのだろうか。その汎用性の高さゆえ、基本的には「なんでも作れる」というのが答えになる。とはいえ、せっかくなので、ここではPETGフィラメントで是非とも3Dプリントしてみてほしい3Dデータをいくつか紹介したい。いずれも日々の暮らしで役立つアイテムばかりなので参考にしてほしい。
1 キーホルダー
自宅の玄関、車、自転車、オフィス、日々使用することになる鍵は様々ある。これらをバラバラに持っていると失くしやすいし、鍵が一定量以上になると革製のキーケースなどでもかさばってしまったりする。
そんな時に便利なのがこちらのキーホルダーだ。これはスイスのアーミースタイルと呼ばれるキーホルダーになっていて、すべての鍵を一箇所に保管でき、なおかつ鍵同士がぶつかってジャラジャラ鳴るのを防いでくれる。コンパクトなためズボンのポケットなどにも収まりがいいのも嬉しい。
こちらのデータは以下のページで3Dデータをダウンロードすることができる。
https://www.thingiverse.com/thing:2749745
2 防水ボックス
キャンプや釣り、海水浴など、自然の中でのレジャーなどに出かける場合、うっかりスマホなどの貴重品が水に濡らしてしまうハプニングは避けたいところだ。そんな時に役立つのが防水ボックスだ。
シリコンガスケットとスナップ式のカムラッチで密閉可能なこのボックスはPETGならではの耐湿性と延性を利用している。サイズも好みに調整可能。また落としても中の物が壊れない頑健性も備えている。
こちらのデータは以下のページで3Dデータをダウンロードすることができる。
https://www.thingiverse.com/thing:4838803
3 バッグフック
仕事場で、あるいは自宅で、カバンを床になんとなく放置してしまってる人は多いとおもう。そんな人にうってつけなのが、このバッグフックだ。非常にシンプルな形状がら、テーブルの表面と裏面の両方に圧力を加え、バッグを支える反作用の力を生み出している。もちろん様々なテーブルの厚みにも対応可能だ。
PETGの頑丈さであれば、重い荷物でも折れたり破損したりするリスクが小さく、また素材の特質上、破損の前にフックが曲がり、過負荷を知らせてくれる。また使用していないときはカバンの中に入れるなど携帯性もあって非常に便利だ。
こちらのデータは以下のページで3Dデータをダウンロードすることができる。
https://www.thingiverse.com/thing:3521522
4 デスクトップ扇風機
今の季節には不要だが春以降の暑い季節に便利なのがこちらの卓上扇風機だ。冷房よりも電気代がかからず、また自然風のため長時間使用しても疲れにくい。
こちらはPETGフィラメントを使用し約25時間でプリントできる。重さも271グラムと軽量で、持ち運びもしやすい。設計にあたっては、3Dプリント可能なものとは別にいくつかの部品が必要になり、やや手間もかかってはしまうが、そのぶん、作りがいがある。
こちらのデータは以下のページで3Dデータをダウンロードすることができる。
https://www.printables.com/model/36521-prusavent-upcycled-desk-cooling-fan
5 自動散水プランター
耐湿性に優れたPETGは水を保持したり水と接触するようなオブジェクトの造形に適している。たとえばウォーターボトルなどは多くPETGから作られている。そんなPETGの特性を存分に活かしているのがこちらのプランターだ。
この自動散水プランターは小さな植物プランターとしての機能とリザーバーとしての機能の両方を兼ね備えている。水位計も付いているので水分補給のタイミングもきちんと知ることができる優れものだ。
こちらのデータは以下のページで3Dデータをダウンロードすることができる。
https://www.printables.com/model/57885-self-watering-rectangular-planter-with-optional-la
まとめ
いかがだっただろうか。
PETGフィラメントは非常に汎用性の高いフィラメントだが、せっかくならその機能的特性を活かした出力にトライしたい。
上記したいくつかのオブジェクトはいずれもPETGならではの利点を活かすことのできるものばかりだ。
もちろん他にもPETGだからこそ出力すべきオブジェクトはあることだろう。
いずれにせよ、それぞれのフィラメントやレジンに応じた出力を楽しむことが、3Dプリントライフを充実させる鍵なのだ。