レジンで3Dプリントしたオブジェクトをメタリックに仕上げる驚異の裏技とは?

レジンで3Dプリントしたオブジェクトをメタリックに仕上げる驚異の裏技とは?

 

金属3Dプリンターを使わずに金属の質感を再現

 

以前の記事でも紹介したように、金属3Dプリンターを一般ユーザーが使用することは、現状においてあまり現実的ではない。

とはいえ、金属の質感は魅力的だ。3Dプリンターユーザーの中には、本来なら金属素材を用いたいけれど、渋々他の素材で我慢しているという方もいることだろう。

そこで、今回はそんな方のために、レジン素材の3Dプリントオブジェクトをよりメタリックな質感に仕上げるための、ちょっとした裏技を紹介してみたいと思う。

この裏技を編み出したのは3Dプリンター系YouTuberのHEN3DRIK。彼はレジンで3Dプリントしたオブジェクトにある手間を施すことで、あたかも鋼かのような質感に仕上げることに成功したのだ。


 

鍵となるのは電気メッキ

 

まず、HEN3DRIKがレジンで3Dプリントしたのは中世の騎士道を思わせる剣だ。

ご覧の通り、パーツを出力した段階では、いわゆるレジン3Dプリント特有の質感となっている。

 

 



ここからどうやってメタリックに仕上げていくのか。

HEN3DRIKはまずオブジェクトの平面を丁寧にサンディングする。この際、使用しているのはサンドペーパーとスチールウール。この作業の後、バラバラのパーツを組み立てて、全体を形成していく。

 

 



ここまではまあ普通だろう。しかし、ここからHEN3DRIKのアイディアが冴え渡る。今回の裏技の鍵となる部分だ。

次のステップで彼が行ったこと、それはオブジェクトを「電気メッキ」することだった。

 

 

仕上がりは抜群、だがしかし…

 

そもそも、電気メッキとはなんだろうか。

電気メッキは、電気エネルギーによって溶液中の金属イオンを還元し、素材に皮膜を作る方法だ。

金、銀、銅、亜鉛、クロム、ニッケルなど同じ電気メッキでも様々な種類があり、今回も複数のメッキが試されている。

より具体的に説明すると、電気メッキの皮膜は一般的に、メッキしようとする金属のイオンを含んだメッキ液の中に、メッキするための製品を入れて、それを陰極とし、メッキしようとする金属を陽極とすることで生成される。

両極間の直流電源を接続して電圧を与えることで、電流が流れて陰極で還元反応が起きる。その時、メッキしようとする金属が析出し、メッキ皮膜に変化するというわけだ。

 

 



ただ、今回のオブジェクトの素材であるレジンは導電性ではない。HEN3DRIKはこの問題を、パーツに導電性ラッカーを塗りつけ、さらに銅線を絡みつけることで解決したようだ。

 

 



いずれにせよ、手順は非常に複雑なため、詳しくは以下の動画をご覧いただきたい。

 

 



いかがだっただろうか。

まず、その出来栄えは見事なものだろう。映像越しだと本物の金属にしか見えない。光沢、重厚感、いずれも通常の塗装では出せないリアルさがある。

 

 



これはかなり有能な裏技…

 

と言いたいところだが、お気づきの通り、ハードルはかなり高めだ。

 

そもそも電気メッキは非常に複雑なプロセスを要する。メッキの前後には繰り返しサンディングを行う必要もあったりと単純に手間もかかる。加えて使用する化学物質の中には扱いが難しいものも含まれている。


というわけで、この裏技、確かにすごいのだが、簡単には推奨できないのだ。電気メッキの知識と技術に自信があり、それを行うための環境が整っている方でもない限り、迂闊にトライすれば事故の危険性がある。

 

ただ、ハードルは高いとはいえ、レジン素材のオブジェクトでもこれだけメタリックな質感を纏うことができるとはちょっと驚きだ。


もし上記の条件をクリアーしているという猛者さんがいれば、是非この裏技にトライしてみてはいかがだろうか。