chloma 3D製ブレスレット製作をSK本舗が3Dプリント監修
「chloma(クロマ)」が、3Dプリンター&レジン&フィラメントの総合通販ECサイトを運営しているSK本舗との、22-23 W/S collection「Quantum Foam」受注展示会にて3D製ブレスレットの予約販売を行った。
Photo by Hikari Matsuura
「SK本舗」×「chloma」の取り組みについて
SK本舗は3Dプリンターの可能性をファッション業界にも広げたいという気持ちから、今回ファッションブランド「chloma」とのコラボ製品を企画致しました。本製品は原型としてロストワックス用レジンである、SKキャスタブルレジンを使用し、鋳造会社にて鋳造~研磨まで作成頂いたシルバー製品(SV925 (92.5%銀/7.5%銅))です。自作でアクセサリー等を作成したい、興味があるという方は下記の記事を参考にしてください。
https://skhonpo.com/blogs/3dprinter-practice/usercolumn02?_pos=2&_sid=54ecab6b8&_ss=r
また、SK本舗は出力依頼サービスにも力を入れて参りますので、今後に展開にご期待下さいませ。
「chloma」とは何者なのか?
〇chloma鈴木:「テクノロジーと人、キャラクターと人、インターネットと人との関係を考え、モニターの中の世界とリアルの世界を境なく歩く現代人のための環境と衣服を提案する」をコンセプトとしたインディペンデントファッションブランドです。
作品の具体的な特徴を挙げるなら「実用性と創造性を兼ね備えた未来派衣服」と言えると思います。
テクノロジー,SF,ゲーム,アニメ文化等をバックグラウンドとしている点も大きな特徴です。
最近ではリアルの身体のための服だけで、バーチャルな身体=アバター 向けの洋服の販売も行っています。
「Miq」とは何者なのか?
〇Miq:デジタルでの抽象彫刻とイラストレーションを得意とするクリエイターです。
「Biomorphic」(生物形態) デザインに大きな興味を持っており、自分自身の感情やアイデアを表現する効果的な方法として捉え、創作のために活用しています。
幼い頃からデジタルやバーチャルな題材にわくわくさせられてきました。その整然とした論理的な効率性に魅力を感じ、コンピュータは私の心を置くのに心地よい場所となりました。ゆえに、デジタルアートに導かれたのです。
2016年にアメリカから日本に移住した後、個人での創作の発表だけでなく、インスピレーションを与えるクリエイターや企業とのコラボレーションを行ってきました。
元々Chlomaのファンで、Chlomaの展示会で鈴木さんと知り合い、その後ブランドとのコラボレーションの機会を得ることになりました。ファッション関連のプロジェクトは、ここ数年MIQの中心的な活動となっています。
新コレクション「Quantum Foam」のコンセプト
〇chloma鈴木:「様々な境界を超える」という願いがコレクション「Quantum Foam」のデザインの発端となりました。
画面の中でしか自由に扱えなかった物体を、3Dプリントという技術によって、境界を超えてリアルの世界で利用可能にすることができた今回のSK本舗様とのプロジェクトはまさにコレクションの願いを叶えてくれるものでした。
photo by Reiko Sakuma
[ chloma + Miq ] × SK本舗 3D製ブレスレットへの想い
〇chloma鈴木:今までchlomaとMiqさんは何度もコラボレーションをしてきました。しかしそれらはプリント等の平面的な手法で行われてきました。
それらはもちろん素敵なものだったのですが、Miqさんの持っている美意識をフルに出しきれていないように感じていました。
chlomaは昨年、VRChat内に「chloma Virtual Store in GHOSTCLUB」という名で、バーチャル店舗を設置しました。
その空間の外殻の3DモデルをMiqさんに製作していただいたんです。
それは純粋に、そして自由にMiqさんの美意識が表現されているように私には見えました。
それを見て、いつか3Dプリントのアクセサリー等を作ってみたいね、と話していたんです。
しかし、自分たちでは実現するための知識が足りず、空想の域を出ませんでした。そのような状況だったので、SK本舗様から今回の企画のお声がけをいただいたのは本当に幸運でした。
chlomaとMiqさんの長い間の交流が、美しい結晶として具現化されたのが今回のシルバーアクセサリーだと僕は思っています。
〇Miq:デジタルで作成した3Dデザインが現物になるのは初めてで、とても楽しみでしたが、
本当に自分の頭の中にあるデザインと同じように感じられるかどうかは分かりませんでした。
しかし、実物を見てみると、期待以上の出来栄えで、デジタルで見たときよりもさらに気に入りました。
オンライン・オフラインのユーザーの反響
〇chloma鈴木:オンライン/オフライン問わず、非常にたくさんの方が興味を持ってくださりました。海外の方からの反響は特に大きかったですね。
「3Dプリントらしさ」をウリにしている3Dプリントを用いたファッションアイテムは多くありますが、もっと純粋に、無条件に、美しいものとして関心を持っていただけたように思います。その点が特に私としては達成感がありました。
〇Miq:話を聞いていると、多くの人がそのアイテムに感動しているようです。アクセサリーを身につけないような人でも、まるで彫刻のように興味を持ってくれたのではないでしょうか。
最近、メタリックな液体のようなものを使ったグラフィックはたくさんありますが、実際に目にすることはあまりないと思うので、少なくとも私にとっては刺激的でしたね。
Photo by Hikari Matsuura
今後の3D製アイテムの展開
〇chloma鈴木:最初の挑戦でこれだけ素晴らしいアクセサリーを作る事が出来たのですから、まだまだ無限の可能性を感じています。
ここで終わりにするなんて本当に勿体ない。引き続き、3Dプリントを活用したアイテム作りにチャレンジさせていただきたいと思っています。
〇Miq:もっと多くのデザイン、特にさまざまなタイプのアイテムを手がけてみたいと思っています。
一番の課題はサイズ感だと思うのですが、これはアクセサリーデザイナーが直面する課題だと実感しています。
この課題を克服する一方で、サイズにこだわらないアイテムも作りたいと考えています。
また、もっといろいろな素材を試してみたいという気持ちもありますし、いつかもっと大きなものをプリントしてみたいと思っています。
今回のコレクションの出来栄えを見ると、デジタルで良いデザインができれば、現実でもそれなりに、あるいはそれ以上のものができるという自信があります。
chloma 22-23 W/S collection「Quantum Foam」 特設ウェブサイトはこちらから
https://www.collection.chloma.com/qf/
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Photo by TRMN
Model: Uta, CUMA