“私のためだけ”の3Dプリント・スキンケアサプリメント「Skinstacks」が登場|ニュートロジーナが切り開く美容2.0時代
3Dプリント技術がサプリメントをパーソナライズする
健康管理のためには摂取栄養のバランスが大切だということは誰しもがすでに理解している。
しかし、知っていることとその実践の可否はまた別の話だ。
野菜不足と分かっていても付き合いで焼肉屋に出かける日はあるし、日々、栄養価の優れた食品を食べたいと思いつつも、そうした食材は相対的に高価だったりもする。
あるいは仕事に忙殺され、外食中心の食生活になってしまっている人も少なくない。日本のファストフードは美味しいが、やはり栄養バランスを考えると物足りなさもある。
ただし、そうした場合でも栄養をバランス良くとるための方法はある。サプリメントだ。
すでに栄養サプリメントは一般化しており、コンビニでもスーパーでも簡単に購入することができる。ビタミン不足と思えばビタミンを、鉄分不足と思えば鉄分を、それぞれがそれぞれの状況に応じて購入、摂取できるのだ。
ただ難点はある。一体、自分がどの栄養を不足しているのかを正確に知ることは難しいし、不足栄養が分かったとしてもそれが多岐にわたる場合、それらを一挙に、かつ必要に沿ったバランスで摂取することは、一般的なサプリメントではほぼ不可能だろう。
しかし現在、そんなサプリメントの難点を3Dプリント技術が解決しようとしている。
2023年1月5日に発表された、個人それぞれの健康状態にフィットする3Dプリント栄養サプリメント「Skinstacks」が、その嚆矢だ。
最先端の3Dプリント技術を用いたスキンケア用の7層サプリメント
3Dプリントサプリ「Skinstacks」を作成したのは、スキンケアやヘアケア商品で知られる米国の医療メーカー「ニュートロジーナ」。今回、ニュートロジーナは、英国の3Dプリントグミのパイオニアである「Nourish3D」と協力することで、90年以上にわたる皮膚の健康に関する専門知識、人工知能 (AI)、および最先端の3Dプリント技術を組み合わせ、スキンケア用の7層からなるサプリメントを開発した。
「Skinstacks」の最も注目すべきポイントはやはりサプリメントが各人の肌のニーズに合わせて提供されるという点だろう。用いられるのは2018年にリリースされたiPhoneベースの肌分析ツールであるニュートロジーナのSkin360テクノロジー。これはiPhoneカメラによって肌の状態を分析し、スキンケアアドバイスを提供するアプリだ。
流れは簡単。まずはユーザーがSkin360によって顔のスキャンを行う。そして日々のスキンケアや居住地域の気候、自身の肌で懸念しているポイントなどについてアンケートに回答する。すると、スキャン結果とアンケート回答を元に、そのユーザーに最も適したSkinstacksが自動的に示されるというわけだ。
Skinstacksの成分はすべて植物由来。また口当たりを考えサプリメントはスイカ、ピーチ、チェリー、リンゴ、ミックスベリーの5つの無糖フレーバーのいずれかでコーティングされているらしく、接種が苦にならないよう工夫されている。
まさにスキンケアサプリメントの最終兵器といった感。ただし、現状では「Skinstacks」、完全なパーソナライゼーションではないようだ。なんでも当面はエイジレス、クリア、ハイドレイト、グロウ、レジリエントの5種類の肌目標だけを提供する予定とのことらしい。ただ、ビタミンA~D、セレン、亜鉛、リボフラビン、コエンザイムQ10など、さまざまな栄養素を変更することはできる。
しかし、いずれは3Dプリントサプリメントが完全にフルカスタマイズ化していくことは間違いない。あるいはスキャンの技術も向上すれば、より自分に適したサプリメントを入手することができるようになるだろう。
3Dプリント技術が可能にした「私のためだけ」のサプリメント。今後の展開に期待大だ。