魅惑的なチョコレート3Dプリンターの世界|好みの3Dデータでオリジナルチョコを作ろう
一気にメジャー化したチョコの3Dプリント
数年前までは物珍しい存在だったチョコレート3Dプリンターだが、実は現在、様々な機種が登場して、世界の市場を大きく賑わせているのをご存知だろうか。すでに欧米においてはレストランやショコラティエの業界にも確実にチョコレート3Dプリンターが浸透しつつあるといい、チョコレート業界におけるゲームチェンジャーとして期待されている。
何よりチョコレート3Dプリンターの魅力的な点は、その造形力によってこれまで以上にユニークな形状のチョコ作りを可能にしているという点だ。チョコという食べ物の性質を考えると、造形の幅の広がり、その敷居の低下は端的に嬉しい話だろう。
(画像引用)https://www.3dbyflow.com/gallery
そもそもチョコレート3Dプリンターにはこれといって特殊な技術が用いられているわけではなく、基本構造は従来のFDM3Dプリンターとそれほど変わらない。素材を溶かすのがエクストルーダーと呼ばれる食品加工機である点を除けば、造形のプロセスは基本的に通常の3Dプリンターと同じだ。
すでに3Dプリンターユーザーにとって嬉しいこととしては、チョコレートを3Dプリントする上では一般的な3Dプリントに使用する3Dデータを流用できるという点があげられる。つまり、これまで合成樹脂で出力してきた様々なデータを、今度はチョコレートで出力してみることができるのだ。
さらに現在、販売されているチョコレート3Dプリンターには大抵、デザインテンプレートやチョコレートデザインのためのソフトウェアも付属している。また、3Dスキャンデータにも対応しているため、たとえば自分の顔面をかたどったチョコを出力することも原理的には可能なのだ。
もちろん、チョコレート3Dプリンターならではの難しさもある。硬化に際してはフィラメントよりも時間がかかるため、温度調整や、層の接続には特有の技術が求められる。とはいえ、挑戦しがいは十分にあるはずだ。
廉価帯から高価格帯まで色々あるチョコレート3Dプリンター
さて、現在代表的なチョコレート3Dプリンターにはどんな機種があるのだろうか。いくつか紹介してみたい。
まず一つ目はこちら。Print4Tate社が製造している「Mycusini」だ。これは同社が販売しているもう一つのチョコレート3Dプリンター「Procusini」の姉妹型で、家庭使用を目的とした廉価型(5~600ドル)となっている。
Mycuisini(Print4Tate)
サイズは控えめだが、手軽さと簡単さにおいては抜群で、届いたその日からチョコレート3Dプリントを誰でも楽しめるというのは導入機として重要な資質だろう。お子さんをお持ちの方なら、一緒にオリジナルチョコ作りを楽しめること間違いない。
一方の「Procusini」は本格仕様。現在のチョコレート3Dプリンター市場における最高のプリンターの一つとの呼び声も高く、使いやすさも抜群らしい。1000を超えるデザインテンプレートが最初から付属しているのも魅力。欠点はほぼないというのがレビュアーたちの評価だ。ただ、価格は「Mycusini」の6〜7倍ほど。決してお安くはない。本格的なオリジナルチョコレートを作成したい方は是非。
Procuisini(Print4Tate)
あるいは、Wiiboox のLuckyBotOneなども価格帯としてはお手頃だ。見た目はCrealityのEnder3によく似ているが、れっきとしたチョコレート3Dプリンターである。レビューによれば機能も十分とのこと。ただ、初期使用の前に簡単な組み立てのプロセスが必要となる。
LuckyBotOne
その他、大型なチョコレート3Dプリンターで、なおかつ比較的低価格のものとしては、チョコレート3Dプリンターの元祖の一つでもあるココアプレスがある。価格は1500ドルを希望価格としており、長年の開発の末にようやく予約注文が開始された。
以上、まだまだ他にも機種は存在するが、ここでは現在代表的なチョコレート3Dプリンターをいくつか挙げてみた。
今後ますます発展していくこと間違いないチョコレート3Dプリンターの世界に、あなたも是非いざなわれてみてはいかがだろうか。
(Page top photo by cocoa press)