愛猫へのプレゼントを3Dプリンターで作ろう! 猫ちゃん大興奮の3Dプリントおもちゃ5選
「猫は可愛い」という普遍的な真理
この世に普遍的な真理などほぼ存在しない、世界の全ては捉え方次第でどうにでも変わりうるものなのだ――と信じる筆者のような頑固な相対主義者にも、数は少ないながら普遍的な真理と呼ぶことにやぶさかではない事象は存在する。たとえば、その一つとは「猫は可愛い」という真実である。
猫。その「可愛さ」に類するあらゆる要素を丸めて凝り固めた塊のような存在が人間と出会ったのは古代まで遡ると言われている。それこそ古代エジプト文明のバステトなどは猫をモチーフとした神様だし、一説によれば、猫は古代エジプトにおいて初めて家畜化されたのだとも言われている。実際、すでに紀元前6000年頃の貴族の墓から猫の骨が発見されており、これはその当時から人間と猫がただならぬ関係を形成していたことを示すまたとない証拠だ。
猫頭の女神「バステト」
きっと古代の人々も猫を一目見るやその可愛さに悩殺されてしまったに違いなく、猫を愛したファラオたちと「わかるよ、あいつら可愛すぎるよな」と肩を組んで夜通し猫愛を語り明かしたい心持ちになるのであるが、一方で日本においては実は猫の記録というものはかなり限られている。近世に入って以降はそれこそ歌川広重を始めとする人気浮世絵師たちが数多くの愛くるしい町猫たちを大量に描き残しているものの、たとえば日本の古代の神話的記録である日本書紀や古事記には猫は一切登場していない。あるいは日本の四季折々の風景を歌ったかの万葉集にも猫の存在は一向に見当たらないのだ。
歌川広重「猫飼好五十三疋」
そんな中、日本史に残る最古の猫の記録といえば、平安時代、宇多天皇が愛してやまなかったという黒猫の存在がある。ただし、この黒猫も唐から伝わった「もらい猫」であったとのこと。どうやら日本文化の中にはもともとは猫の居場所がなかったようで(原生の猫がいるにはいたみたいだけど)、つまりは、日本は猫に関してはやや後進国として位置づけられてしまうわけなのだが、そんな日本でも2010年代にはペット飼育頭数ランキング不動の一位と言われた犬を追い越し、晴れて一位の座を獲得するなど猫人気は高まる一方。いまや猫大国と言っていいほどの猫フィーバーが巻き起こり続けているのだ。
あるいは、今日、コロナ禍により人々の外出機会が減ったことで、猫需要がさらに高まりを見せているというデータもあり(一方で飼い猫を手放すケースも増えており、止むを得ず殺処分となってしまっている猫もいるらしい。ストップ殺処分! どうか命を粗末にしないでいただきたい)、猫と人間の蜜月はますます深まっている模様。かくいう筆者も、実を言うと3匹の猫ちゃんと同居している。忙殺される日々ではあるものの、安心しきった様子で我が家にくつろぐ彼らの様子を見れば、日頃の疲れも不思議と癒されてしまう。彼らが鳴らす喉のゴロゴロ以上のアンビエントミュージックは存在しないと断言してもいいだろう。
それにしても、なぜ人間は猫をここまで可愛いと感じてしまうのか。
その理由をめぐっては諸説あるが、一説によると猫の顔面パーツの比率が人間の赤ん坊の比率に近似しており、そのため本能的に可愛さを感じてしまうらしい。あるいは、猫も一万年近い人間との共生の中で人間がより庇護したくなるように進化しているという説もあったり、さらには、猫が保有している寄生虫トキソプラズマが人間の脳をコントロールしているなんて説まである。
トキソプラズマ
このトキソプラズマは猫の糞からネズミに寄生し、ネズミの脳をコントロールすることで、その行動を変化させて猫に食べられやすくする寄生虫として知られる存在であり、これが人間に寄生しているというのは若干ホラー感もある話なのだが、しかし、猫の愛くるしい「ミャー」を耳にすれば、「うん、寄生虫に操られてたとしても別にそのままでいいや」と思えてしまうくらいに猫の可愛いさは圧倒的なのだから、まんざら寄生虫説もありえなくはなさそうだ。 さて、猫愛が高じて余談が長くなってしまったが、この記事はただ猫の可愛さを手放しに賞賛するだけの記事にあらず、そんな可愛い猫たちにすっかり魅入られてしまった人向けに、是非ともお届けしたい情報があって用意したものである。というのも、先日、3Dプリント関連の大手メディア「ALL3DP」が3Dプリンターで作ることができる猫用おもちゃを一覧化して紹介するという超良記事!をリリースしていたのだ。
15 3D Printed Cat Toys & Accessories for Your Feline(ALL3DP)
https://all3dp.com/2/3d-printed-cat-toys-accessories-3d-models/
猫ラバーは猫を喜ばせることには一切の苦労を惜しまないものだが、すでに無料3Dデータサイトには有志たちが作成した大量の猫用おもちゃの3Dデータが並んでいる。いずれもひとえに作り手の猫愛を感じさせる良データばかり。そこで、ここでは中でも「これは!」というおもちゃを5つ紹介してみようと思う。データ元リンクも記しておくので、気になったら是非とも出力し、愛猫ちゃんたちにプレゼントしてみてくれたら幸いだ。
猫ちゃん大興奮の3Dプリントおもちゃ5選
1.ピンポンフィールド
猫は動く小さなものが大好きだ。とりわけ、自分が入り込めない小さな隙間に入り込んだ対象への好奇心が半端じゃない。そんな猫心をくすぐりまくってくれそうなのが、こちらのピンポンフィールド。仕掛けは単純で、猫の手がようやく入るくらいの穴が表面と側面に開いたボックスに、ピンポン玉サイズのボールを入れるだけ。
ご覧の通り、猫ちゃん夢中になって遊んでます。
出力に関してはサポートのいらない設計になっており、2つに分けて出力して、それらを組み合わせたら完成だ。
このピンポンフィールドを作成したのはWTFestivaさん、データはThingiverseで入手できる。
https://www.thingiverse.com/thing:3729231
2.ボールトラック
ピンポンフィールドと同様、こちらのボールトラックでは、環状になったトラック上を小さなボールが回転し続けるというもので、これもまた猫ちゃんにとってはたまらない刺激だ。思わず猫パンチするほどボールの勢いは増し、興奮は最高潮に。複数の猫ちゃんが一緒に遊ぶこともできるのも素敵だ。
こちらのトラックには様々なサイズがあり、パーツを好きな長さに拡張していくこともできる。のぞき穴の数も調整可能なため、猫ちゃんの好みに合わせて改良してあげても良いかもしれない。
このボールトラックを作成したのはhemocyaninさん、データはThingiverseで入手できる。
https://www.thingiverse.com/thing:1081531
3.フィッシングロッド
猫のおもちゃの定番といえば「猫じゃらし」だが、これは釣り具型になった猫じゃらしだ。巻きとり用のリールがついてるため、自在に紐をコントロールし猫ちゃんと戯れることができる。なお、紐と先端に結びつけるおもちゃは別途用意する必要がある。お気に入りのおもちゃを先端に取り付けてあげれば、大興奮間違いなした。
実際に出力してみた方々からの評判はかなり良好だという。ただ猫ちゃんが遊ぶだけではなく、こちらも一緒に遊べる道具というところが愛猫家の心をくすぐってやまない。
このフィッシングロッドを作成したのは、vjapolitzerさん、データはThingiverseで入手できる。
https://www.thingiverse.com/thing:2851594
4.スピニングトイ
これは猫ちゃんの餌を使ったおもちゃだ。両サイドに取り付けられた容器に餌を入れておけば、猫ちゃんが触れてそれらを回転させるほど、餌が遠心力によって側面の小さな穴から飛び出てくるという仕組み。遊びながらご飯を食べて、ちょっとした狩りの気分も満喫できる。ストレス発散にも持ってこいだろう。
動画内の猫ちゃんの「にゃんにゃの? どゆこと?」みたいな反応が可愛らしい。
このスピニングトイを作成したのはJoeGuさん、データはThingiverseで入手できる。
https://www.thingiverse.com/thing:2454114
5.キャットアーマー
ラストは猫ちゃんに装備させたい仮装衣装を紹介。これは猫ちゃんが楽しいというより、見ているこちらがほっこりするアイテムかもしれない。
ちょ、なにこれ、重いんですけど。そんな困り顔の猫の姿にもまた癒されてしまうという倒錯した猫愛をどうか許して欲しい。もし多頭飼いをされている方なら猫の軍隊がつくれてしまうかもしれない。猫軍動画をyoutubeにアップすればバズ間違いなしだろう。
このキャットアーマーを作成したのはPrintThatThingMethodさん、データはThingiverseで入手できる。
https://www.thingiverse.com/thing:1095858
まとめ
いかがだっただろうか。もちろん他にも様々な猫用おもちゃがデータサイトにはあるし、なんなら今回ご紹介したおもちゃを参考にオリジナルの猫用おもちゃを作成してみても面白いかもしれない。チャオチュールより猫を興奮させるアイテムを作れた日にはノーベル賞授与も待ったなしだ。
さて、お猫様たちに仕えることに喜びを感じる種族の一人としては、さらなる猫愛グッズが登場してくることを期待しつつ、今宵も我が家の猫たちと戯れたいと思う。