イェール大学が革新的な3Dプリント手術を報告|外科医の経験に頼らない次世代の外科処置
3Dプリントされた解剖学的モデルと手術ガイドが外科医療を確信する
3Dプリント医療の世界にまた新たな一歩が刻まれた。
先日、イェール大学が世界でも革新的な3Dプリント外科手術を実施した。これは高度な3Dモデリング技術と3Dプリンティング技術によって、患者の身体の一部を完全に再現し、実際の手術前に極めて精度の高いシミュレーションを物理的に行うことで、それぞれの患者に完全にパーソナライズされた手術計画を開発するというもの。
対象となった患者は前腕を損傷しており、機能の障害と美容上のトラブルを負っていた。これまでの骨切開手術の場合、こうした状態に対する外科的処置を施す場合、外科医個人の経験とX線診断による事前シミュレーションに大きく依存することになる。これは手術結果の安定性という点において不十分だった。今回の試みは、高度な3Dモデリングと3Dプリンティングによって、患部を正確に再現し、その修正に対するより正確で効果的な外科的介入を可能にするものだ。
この試みの中心的な役割を担ったのはイェール大学の整形外科・リハビリテーション学科に拠点を置く3D Collaborative for Medical Innovation(3DC)。3Dメディカルエンジニアのアリッサ・グレノンが監督する3DCは、エンジニアリングの専門知識と医療革新を組み合わせて、患者固有のモデルとツールを作成することを専門としている。彼らによって3Dプリントされた解剖学的モデルと手術ガイドは、外科医に触覚的な参照を提供し、その処置の精度を向上させ、ひいてはそれは合併症の軽減にも繋がる。
こうした試みはイェール大学に始まったものではない。これまでにもいくつかの大学、クリニックで、頭蓋や心臓の3Dスキャンによって解剖学的モデルを作成することで、手術の精度を高める試みが行われてきた。
今後、世界中の医療機関ではますます3Dプリント技術が採用されていくだろうと予想されている。
参照/画像:イェール大学〈Yale Begins 3D Orthopaedic Surgical Procedures That Are Fully In-house〉
https://medicine.yale.edu/news-article/yale-orthopaedics-chair-performs-first-in-house-3d-surgical-case/