ドイツが生んだUMAのような3Dプリントスニーカー|その斬新すぎるデザインが話題に
神話上の怪物の足のようなスニーカー
ドイツのデザイナーであり建築家のステファン・ヘンリッヒが、神話上の生き物の足に基づいた独自のデザインの3Dプリントスニーカーを発表した。
SLS3DプリンターメーカーのSintratecのSLSS2システムで3Dプリントされることを想定して特別に設計された動物の足のようなスニーカーは、ビッグフットやネス湖の怪物などのいわゆる「UMA(クリプティッド)」の足をイメージしたもののようで、彼らのように野生地を歩く機能性を備えているという。
今回用いられたSLSS2システムは以前、メルセデスベンツグループがバスやトラックの3Dプリント用のスペアパーツの作成に用いたり、機能的な電動バイクを設計したETHチューリッヒの学生チームなどの自動車アプリケーションにおいて使用されてきた。今回、ヘンリッヒはこのS2システムを利用して、靴を個々の着用者の足に合わせてカスタマイズできるような設計を行なっている。
アディティブマニュファクチャリングの設計を専門とするヘンリッヒは、彼の作品が、建築、ナレーション、設計、ロボット工学の分野にあると説明している。彼は以前より数多くの3Dプリントおよびロボット工学の設計プロジェクトを実施してきており、たとえば2021年11月には3Dプリント業界のアワードである「コミュニティアドボケイトオブザイヤー」の最終候補にも選ばれている。
そんな彼の最新のプロジェクトが、SintratecのS23Dプリンターと柔軟なTPE素材を活用した神話的デザインのCryptideスニーカーというわけだ。オープンデザインのソールと、靴下にフィットするアッパーシューズで構成されたこの靴はSintratecのTPEエラストマー素材でプリントされている。ヘインリッヒによれば、ソールなど一部のパーツを硬くしたが、他のパーツは柔軟であり、快適さもかなり重視したとのことだ。
現状で、一般発売されるかどうかは不明だが、すでに待望の声があがっている。今後の発表に注目だ。
3Dプリントスニーカーの最前線
今回のヘインリッヒの作品に限らず、3Dプリント技術はスニーカーデザインに多くの革新をもたらしてる。
たとえば、ドイツのスポーツウェア大手Adidasは、3DプリンターメーカーのCarbonと協力して、 3Dプリントされた4DFWDミッドソールの新しいイテレーションをリリースし、CRP Technologyは、3Dプリント機能とWindformSPカーボンファイバー素材を使用して 独自の陸上競技用トラックシューズを作成している。
ボストンを拠点とするデジタル製造会社Voxel8が、Hush Puppiesの今後のデザイナーシューズの3Dプリントインソールの計画を発表し、サイクルシューズメーカーのLoreは、カスタマイズ可能なカーボンファイバー3DプリントサイクルシューズのLoreOneの予約注文を開始した。
最近では、ドイツの靴会社Soleboxとファッションデザイナーが協力して、ナイキのトレーナー向けにダウンロード可能なコンテンツを紹介しました。取り外し可能なヒールクリップは、3D印刷され、特別版のNike Blazer Lowsに取り付けられるように設計されており、靴に視覚的な効果をもたらしている。
あるいは以前にSK本舗でも取り上げたテック企業Heron Prestonと靴メーカーZellerfeldの提携によって発表されたスニーカー〈HERON01〉が「世界初の完全3Dプリントスニーカー」として大きく話題となったことは記憶に新しい。
おそらく、靴市場を3Dプリントスニーカーが席巻することになる日もそう遠くないだろう。今後の展開に期待したい。