3Dプリントしたオブジェクトをいかに発光させるか
持続的にオブジェを発光させるためのカギは放射性トリチウム
3Dプリンターで光るオブジェを出力したいと思ったなら、今では蓄光、夜光系のフィラメントを使用するのが一般的な方法だ。
しかし、これらのフィラメントを使用したことがある方ならお気づきの通り、その発光力は長期的には持続しない。多くの場合、その光はすぐに失われ、また蓄光を必要とする。
すると、やはりオブジェクトを安定した状態で、かつ恒常的に発光させるということは難しいのだろうか。
実は現在、3Dプリント系YouTuber[Ogrinz Labs]が発光オブジェのオルタナティブを追い求め発見したある方法が話題になっている.彼が発見した方法は、放射性トリチウムを使用する方法だ。
https://www.youtube.com/watch?v=V39_vHKj7dA&t=1s
放射性トリチウムは夜間における視認性を上げるために時計などによく使用される物質で、いわゆる夜光慮料として用いられている。放射性物質と聞くと怖さを感じてしまうかもしれないが、β線を放出するトリチウムの半減期は約12年と短い上に、紙一枚で防げる程度で放射エネルギーも弱く危険は少ない。基本的には安全な物質ということだ。
今回、[Ogrinz Labs]が制作したのは彼が「ナイトブロッサム」と呼ぶ光る花のオブジェクトだ。
https://www.youtube.com/watch?v=V39_vHKj7dA&t=1s
方法はまず一般的に販売されているトリチウム管を購入、それを透明なフィラメントで出力したオブジェで包み込む。そこに顔料とクリアコートを塗布することで光の拡散力をあげている。
ここで注意すべき点は放射性トリチウム管は偽物も多く出回っているということのようだ。見分ける上ではトリチウム管を明るい光に晒してみるといいという。もし光に晒して発光力が増しているようだったら、それは偽物。本来、トリチウム管は蓄光しないからだ。
時計などに使用されているということからも分かるように、その発光性はかなり持続する。光るオブジェを作りたいという方、ぜひとも[Ogrinz Labs]の実践を参考にしてみてほしい。