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3Dプリント技術は音楽業界をどう変革するか?

レコード製造を3Dプリント化することで エネルギー消費を60%節約

 

3Dプリント技術と音楽業界、一見するとあまり縁が深そうではないこの関係、実は現状こそまだ黎明段階とはいえ、今後、音楽業界にはかなり3Dプリント技術を取り入れていく余地がある。

現在、アーティストの楽曲はオンラインストリーミング配信が基調となっているとはいえ、いまだフィジカルな盤面を求める人は一定数おり、それが求められる場面も少なくない。とりわけ、アナログレコードはデジタル全盛時代だからこそ、その音質の良さやレトロな風合いによってあらためて支持を高めている。

実はこのレコード製造においても3Dプリント技術が役立てられようとしている。その端緒となろうとしているのがオランダの企業Green Vinyl Recordsだ。同社は従来の非分解性プラスチックを素材とするレコードの代わりとして、より環境に優しい素材を使用したビニールレコードの3Dプリントに取り組んでいる。同社の採用している方法を用いれば、レコード製造にかかるエネルギー消費がおよそ60%節約され、生産時間も大幅に短縮されることになるという。

 


 

木材バインダー3Dプリンターでつくったエレキギター

 

もちろん、音楽業界における3Dプリント技術の活用はレコード製造の場ばかりではない。楽器制作においても3Dプリント技術は大いに活用され始めている。

たとえば以前にも紹介したこちらのギター。

 



https://skhonpo.com/blogs/blog/3dwoodguitar?_pos=1&_sid=a15927283&_ss=r

これはオラフ・ディーゲルという大学教授が個人で制作した「グリーンアックス」エレキギター。は、リサイクルされたおがくずを素材に、木材バインダー3Dプリント技術を使用して、全体の製造コストを最小限に抑えて制作され、3Dプリントなれではの美しいデザインで話題となった。

 

MONAD Studioの美しすぎる3Dプリント楽器シリーズ

 

あるいは建築スタジオである「MONAD Studio」が制作している一連の3Dプリント楽器も注目に値する。3Dプリンターの造形力を活かした流線的デザインのギター、バイオリン、チェロなどの楽器群は実に美しい。

 

 


とりわけ同スタジオ最大のプロジェクトと謳われたグランドピアノ「LUCID EXO」は、デザインが発表された時より注目の的だった、が、こちらはどうやらまだ実際には出力されてないようだ。このグランドピアノの出力が実現したなら、是非ともXJAPANのYOSHIKIさんあたりに弾いてもらいたいところだ。

 

画像引用/MONAD Studio

 

3Dプリント電子サックス「 Travel Saz」

 

スペインのカタルーニャの企業Odisei Musicが製造している3Dプリント電子管楽器も面白い。とりわけ有名なのは電子サックス。Travel Sazと名付けられたこの製品は、製造プロセスに Multi Jet Fusion テクノロジーを使用しており、その目標は、ミュージシャンがより簡単な方法で音楽スキルを向上できるよう支援することだという。実際、Travel Sazはとても小さくて軽い。つまり、練習用にもってこいというわけだ。

 

画像引用/Odisei Music

 

長野県の楽器メーカーが製造する3Dプリントバイオリン「Karen」


ちなみに日本の楽器メーカーも負けていない。長野県を拠点とする楽器メーカーKATAHASHI INSTRUMENTSもまた、2022年にスペインのデザインスタジオ Anima Design が提供するコンピュテーショナル・デザイン・システムによってデザインされた未来的な3Dプリントフレームを搭載したエレクトリック・バイオリン「Karen(可憐) Ultralight」をリリースして、話題となっている。




 

 

視覚障害者が触覚で読むことのできる3Dプリント五線譜

 

また、全く別方向の3Dプリント技術の使い方としては、ウィスコンシン大学の研究チームが率いる視覚障害者プロジェクトの3Dプリント五線譜などが挙げられる。これは視覚障害者が楽譜を読むために進められているプロジェクトで、読むだけでなく触覚でも認識できる独特のレリーフを使用して紙の楽譜を再現することが取り組まれている。

 

ロックバンドの新メンバーは「3Dプリントロボット」

 

さらに近年、最も突拍子もなかった話としては、ボスニアで人気のロックバンド「Dubioza Kolektiv」が2021年に発表した「新メンバー」だろう。その新メンバーの名前は「ロビー・メガバイト」。担当楽器は特にないという謎の新メンバー、実は人間ではなく、そのボディを3Dプリンターで製造したロボットだったのだ。





まあ、こればかりは半ば冗談のような話だが、いずれにせよ、3Dプリント技術は目下、音楽業界でレコード、楽器、譜面、その他、様々に活用されつつあるということがお分かりいただけたと思う。特に楽器製造においては、今後ますます独創的な3Dプリント楽器が登場してくるだろうことは間違いない。

 

皆さんも是非、自作の3Dプリント楽器をつくってみてはいかがだろうか。

 

 

 

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