歴史的彫刻の超精巧3Dスキャンデータのコレクションが話題に。「3Dスキャンは文化遺産を世界と共有するための優れた方法です」
自分だけの美術館を3Dプリンターで
「3Dスキャンは、文化遺産を世界と共有するための優れた方法です」
そう語るのは、SketchFabの人気作家、ジェフリー・マーシャルだ。彼は美術史に残る重要な彫刻を3Dスキャンし、3Dプリント用にレンダリングした極めて精度の高い彫像のデータを提供している。たとえば、以下のデータをご覧いただきたい。これは古代エジプトで用いられていた葬儀用マスクだ。
SketchFabとは現在とても勢いのある3Dデータ共有サイトだ。最近、あるSketchfabユーザー(@leinadien)が、美術史全体で3D印刷用にレンダリングされた素晴らしい彫像のコレクションを作成し、話題となった。上述のジェフリー・マーシャルもそのコレクションされたデータ作成者の一人だ。
「GreatStatues」コレクションのモデルの多くは無料でダウンロードできる。つまり、これは「あなた自身のためのミニ博物館」を今すぐ作ることができることを意味している。すでに800ファボを獲得し、Sketchfab内のちょっとしたバズコンテンツになっているのだ。
集められた3Dスキャンデータはいずれも超精巧。中にはダウンロードのために20ドル程度の価格が必要なものもあるが、これだけの精度のミニチュア彫刻を実際に購入しようと思えば、安くてもその6~7倍の値段はするだろう。
実際に「Greatstatues」コレクションを覗いてみると、それだけで美術館に足を運んだような気持ちにさせられる。360度、遠近法も自由に鑑賞できるというのは、もしかすると美術館での鑑賞よりも快適かもしれない。何より、これらのデータを自分の家で3D出力できるというのだから胸が躍る。
以下に筆者が気になった3Dデータをいくつかピックアップしてみた。是非皆さんも気になったものを出力してみて欲しい。
なお、こちらのアカウントはそのほかにも「解剖学」「人間のスキャン」「ゲームキャラクター」など様々な3Dデータをコレクションしている。どれもハイクオリティなデータが集められているため、ご自身の3Dプリンターの能力を測る上での試金石としても使えそうだ。
かつてヨーロッパの貴族たちがヴンダーカンマーと呼ばれる私設博物館を競って作りあった時代があった。世界の珍品奇品を独自のネットワークで収集し、自分だけのミクロコスモスを作って、互いに自慢しあったのだ。今日、3Dプリンターを手にした私たちは、もはや世界を駆けまわることなく、自分好みのミニチュア・ヴンダーカンマーを作ることができる。あなたならどんなコレクションを作るのだろう。もし気が向いたらハッシュタグ「#3Dヴンダーカンマー」でツイッターに画像投稿してみて欲しい。