3Dプリントしたオブジェを鏡面仕上げすることは可能か? Alpha Phoenix の挑戦
オブジェクトの表面を鏡のように仕上げる
3Dプリンターで出力したオブジェを鏡面仕上げすることは可能だろうか。
「鏡面っぽい」仕上げならば可能だろう。だが、誰が見ても「鏡面」と言い得るくらいに仕上げていくことはなかなか難しい。
ここに挑戦したのがAlpha Phoenixという3Dプリント系のYouTubeアカウントだ。まずはその動画をご覧いただきたい。
映像の後半、11分45秒あたりを見てみると、真っ黒だったオブジェクトが見事に鏡面状に仕上がっているのが分かる。果たしてどのような工程を経たのだろうか。
まず、ミラーは光を反射するために、しっかりと平らで滑らかな表面であることが必要になる。そこで彼はまず出力したオブジェクトの表面を紙やすりで削り、次いで2液型エポキシを表面に塗布し、その表面張力によって、滑らかな作業を行うための準備を行っている。
エポキシが乾燥したら、今度はいくつかの異なる種類のスプレーを噴射し、銀を表面に堆積させていく必要がある。その際、まず保湿剤を塗布することで、後続の溶液が水滴となることを防いでいる。
その後、2つのプルカーサー(前駆体)をスプレーし、それらの反応によって元素の銀を物体の表面に堆積させていく。
Alpha Phoenixによれば、この際、エポキシの硬化時間と2つのプルカーサーの比率が重要とのことだ。この工程を経て、オブジェは見事な鏡面状に仕上がっている。
なるほど、こうすれば良いのか…というには、やや難易度は高そうだが、仕上がりの美しさを見るとトライしてみたくなる。
興味がある方は是非とも上の動画を参照しながら挑戦してみてほしいところだが、映像内で使用しているアセトンなどは可燃性も高く、眼への刺激性や中枢神経への刺激もあるとのことで、取り扱いにはゴーグルや手袋、また換気ができる環境などの厳重な注意が必要だ。お子様がいる家庭内での使用はもちろん厳禁。興味のある方は使用上の注意などをよく確認した上で安全な環境にてご使用いただきたい。