次の注目すべき素材は「小麦ふすま」?|デスクトップ3Dプリンターで技術革新を
デスクトップ3Dプリンターで技術革新
昨今、3Dプリント素材の多様化が進んでいる。従来の金属粉末やプラスチックなどの素材に加えて、現在は環境時代を意識した、よりオーガニックな素材を3Dプリントする試みが各方面で行われているのだ。
たとえばポーランドの新興企業GREENFILL3Dは、小麦ふすま3Dプリント原料の用途を拡大している。GF3D Branfillと呼ばれる3Dプリント材料を製造するために、同社が組み合わせたのはPLAとパスタ製造時に排出される廃棄物だ。これまで、同社はフィラメントを使用してポップアップのPOSスタンドを3Dプリントしてきたが、現在はDeckard Designと協力して、ふすまで満たされた部分にフルカラーのUVラベルを追加した鉢植えの植物ラベルを3Dプリントしている。
Deckard Designとはポーランドで家具装飾に関するガジェットを提供する企業であり、これまで主に北米、ヨーロッパに向けて自社の3Dプリント製品を流通させてきた。今回の3Dプリント植物ラベルは、庭に植える可能性のある植物やハーブの説明用に使用できるという。素材となった小麦ふすまは部品の表面仕上げを改善するばかりでなく、部品を丈夫にもするらしい。カラフルな着色技術もまた庭を彩るのに最適だ。
またさらに注目すべきは、両社が非常に安価なデスクトップ3Dプリンターを使用して今回の技術革新に挑んでいる点だ。これはつまり、数万円の3Dプリンターを購入する余裕がある人なら誰でもこのテクノロジーに参画できるということ。これこそまさにイノベーションの民主化というものだろう。
彼らがこれらの生産をうまくスケールアップすることができれば、低コストの基盤を持つビジネスモデルとして、今後、大きな市場へと育っていく可能性もある。チャンスは至るところに転がっているのかもしれない。