3Dプリント関連ソフトウェアの収益が現在の12億ドルから10年で62億ドルに|鍵となるのは「CO-AM」
3Dプリント関連市場の拡大が止まらない
ここ10年での3Dプリンター市場の成長については誰もが体感的に知っているだろう。
ただし成長しているのは3Dプリンター本体のみではない。あるいは本体を凌ぐ勢いで急成長している分野があるのだ。3Dプリント関連ソフトウェアだ。
先日発表されたSmarTech Analysis の主力市場調査「2023 付加製造ソフトウェア市場の機会」の最新版では驚くべき予測が建てられている。
なんでも今年12億ドルだった3Dプリントソフトウェアの収益が10年後にはおよそ5倍となる62億ドルへと増加するだろうというのだ。
SmarTechによれば、ソフトウェア部門のマーケットは過去2年間で3Dプリンター本体のマーケットと同様のペースで進化しているのみならず、以前の予測よりもさらに急速に成長することを示唆する要素があるという。
一体どの点がそれほどの評価を得ているのだろうか。
推進力となるのはマテリアライズの「CO-AMプラットフォーム」
なんでもこの急成長はソフトウェアワークフローの様々な部分が相互にリンクされることによって完全なエンドツーエンドのプラットフォームとなることによって推進されるという。
実際、ドイツの3Dプリント関連ソフトウェア企業のマテリアライズは2022年5月に「CO-AMプラットフォーム」を立ち上げ、これにより「3Dプリントパーツのデザインからデータ準備の自動化、トレーサビリティ、3Dプリント、後処理に至るまで、サポート可能なソリューション」の提供を開始している。さらにこのプラットフォームは業界全体に開かれており、3DSystemsやStratasysやGEAdditiveなど、名だたる3Dプリント関連企業とパートナーシップも結んでいる。
プラットフォームがオープンアーキテクチャであることにより、ユーザーは使用したいツールすべてを統合して運用することができるようになる。航空宇宙、自動車、コンシューマー製品、医療、エネルギーなどの主要な製造業に関わる企業もまた、常に最新のソフトウェアイノベーションにアクセスし、ニーズに基づいて業務を拡張することが可能となるのだ。
CO-AMのワークフロー
これまで3Dプリント市場の拡大を促してきたのは主にサプライチェーンの刷新の需要だった。特にコロナ禍とウクライナ戦争は、既存のサプライチェーンを混乱させ、各国で資源不足が相次いだ。そんな中、製造を再ローカル化させることが可能な3Dプリント技術に以前より一層の注目が集まったのだ。
そして、その際に重要な鍵を握るのが、製造ワークフローの合理化を導くソフトウェアである。もちろん、ハードウェアも重要だが、ハードウェアは強力なソフトウェアによって強化される。「CO-AMプラットフォーム」の広がりは、ユーザーにとって最先端のソフトウェアに常にアクセス可能な環境を作り出す。これは確かに急成長の予感が高まる。
果たして、SmarTechの予測はどの程度、的中することになるのだろうか。