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ObXidian®とは?E3D×Bambu Lab公式コラボのホットエンド|純正との違いと選び方

E3D High Flow ObXiDian 500 ホットエンド(0.6mm)
E3D High Flow ObXiDian 500 ホットエンド(写真は0.6mm・H2/P2系向け)|出典:E3D公式

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カーボンやグラス繊維入り(CF/GF)のフィラメントを刷ったあと、純正ノズルの先端がいつもより早くザラついてきた——そんな経験はありませんか。繊維系や金属配合のフィラメントは、通常の真鍮ノズルを内側から削っていきます。ノズルが摩耗すると、口径が広がって寸法が狂い、糸引きや積層のムラも出やすくなります。

この「研磨材フィラメントによる摩耗」への答えとして、E3DとBambu Labが公式にコラボして生まれたのが ObXidian®(オブシディアン)DiamondBack(ダイヤモンドバック) のアップグレードホットエンドです。この記事では、この2つ(+大口径の ObXiDian 500)が「純正ノズルと何が違うのか」「自分の機種にはどれを選べばいいのか」を、E3Dの公表値をもとに正規取扱のSK本舗が整理します。

この記事の結論を先に

ObXidian/DiamondBack は Bambu Lab純正品ではなく、E3D×Bambu Lab公式コラボによる「Bambu公認・ライセンス取得済み」のサードパーティ製アップグレードです。純正の置き換えというより、研磨材フィラメント用にエコシステムを一段広げる公認のプロ選択肢と捉えるのが正確です。

・耐摩耗は 純正真鍮 < 純正焼入れ鋼 < ObXidian(硬化鋼+E3DLC™コート) < DiamondBack(多結晶ダイヤ/PCDの固体先端) の順。用途で「適材適所」に選びます。

・選び方は機種でほぼ決まります。A1系 → ObXidian A1/X1・P1系 → ObXidian か DiamondBack/H2・P2系 → ObXiDian 500。詳しくは本文の機種別ガイドへ。

ObXidian®とは?E3DとBambu Labの公式コラボ

ObXidian コンプリートホットエンドの構造と特許High Flowインサート
ObXidian コンプリートホットエンドの構造。特許のHigh Flowインサートで純正比 約60%増の高流量(E3D公表)|出典:E3D公式

ObXidian は、イギリスの押出まわり専門メーカー E3D が手がけるアップグレードホットエンドです。ここで大事なのは、これが単なる「ノズル」ではなく、ノズルまで一体になったホットエンドASSY(アセンブリ)だという点。だから純正のホットエンドとそのまま入れ替えられます(ドロップイン交換)。

ObXidian の中身をE3Dの公表内容で分解すると、次の3つが柱です。

硬化鋼ベース

先端の母材に硬化した鋼を採用。純正の真鍮より硬く、研磨材フィラメントの摩耗に強い土台になります。

E3DLC™ 非粘着コート

E3DLC™ は DLC(ダイヤモンドライクカーボン)系のコーティング。非粘着で樹脂がこびりつきにくく、耐摩耗にも寄与します。

高流量設計

純正比で流量が向上。E3D公表値で X1/P1 は約60%、A1 は最大70% の流量アップとされています。

つまり ObXidian は「硬くて・こびりつきにくく・たくさん流せる」ホットエンド、という理解でおおむね正しいです。CF/GF を日常的に刷る人が、摩耗を気にせず、かつ造形スピードも落としたくない——という要求にまとまって応える設計になっています。

「公認」と「純正」は違う ─ ここだけは正確に

E3D公式は自社のこの製品ラインを “Officially Approved & Licensed Bambu product”(Bambu公認・ライセンス取得済み製品)と表現し、E3D自身は自社サイトで “the only officially approved”(唯一の公認アップグレード)とも位置づけています(いずれもE3Dの公表・自社表明)。

ただし、これは 「Bambu Lab公認・ライセンス取得済みのサードパーティ製アップグレード」であって、Bambu Lab純正部品そのものではありません。公式コラボにより設計と品質がBambu Labに認められた製品、という位置づけです。純正ノズルが劣っているという話ではなく、純正では想定しきれない研磨材フィラメントの領域を、公認の形で広げるものと考えてください。

Complete版と金属のみ版がある

ObXidian には、ヒーターやサーミスタなど電装まで含んだ Complete版(一式) と、金属パーツのみの版 があります。初めての交換や、いま使っている電装をそのまま活かしたいかどうかで選ぶ場所が変わります。どちらが同梱かは機種ごとに違うため、購入時は各商品ページの構成をご確認ください。

知っておきたい背景 ─ 売上の一部がコミュニティに還る

E3Dはこの公式コラボの売上の一部を、Bambu Lab経由のロイヤリティとして支払い、Bambuがそれをコミュニティへ還元しています。そのうち50%は、3Dプリンティングの発展に貢献した故 Sanjay Mortimer 氏を記念する Sanjay Mortimer Foundation へ寄付されるとされています(E3D公表)。単なる部品というより、コミュニティに根ざしたコラボ製品だという点は、知っておくと味わいが変わります。

耐摩耗の3階層と「役割分担」で選ぶ

素材別の硬さ比較(GPa):PCDダイヤ・ルビー・タングステン・鋼・真鍮・銅
素材別の硬さ(GPa)。PCD(多結晶ダイヤ)が最も硬く、鋼・真鍮とは桁が違う|出典:E3D公式

ノズルの摩耗のしにくさは、先端に使われている素材でおおよそ決まります。純正から E3D のアップグレードまでを、硬さ(=研磨材への強さ)の順に並べると、はっきりした階層が見えてきます。

① 純正 真鍮ノズル ─ PLA/PETG/ABS など一般的なフィラメントに最適。熱伝導が良く扱いやすい標準。研磨材には弱め。
② 純正 焼入れ鋼(hardened steel)ノズル ─ 真鍮より硬く、研磨材にもある程度対応。Bambuも純正で用意しています。
③ ObXidian(硬化鋼+E3DLC™コート) ─ 焼入れ鋼の上をいく耐摩耗に、非粘着コートと高流量を両立。研磨材の"標準アップグレード"。
④ DiamondBack(多結晶ダイヤ/PCD の固体先端) ─ コーティングではなく先端そのものが多結晶ダイヤ。金属・セラミック配合などエンジニアリンググレードの繊維入りフィラメントまで含め、極めて高い耐摩耗性。

ダイヤモンドは一般に、自然界で最も硬い物質として知られています。DiamondBack はその多結晶ダイヤ(PCD)を先端に据えているため、研磨材に対する強さはこの階層のいちばん上に位置します。とはいえ、これは「摩耗しない」わけでも「純正が不要になる」わけでもありません。PLA を大量に刷るなら真鍮で十分ですし、刷るフィラメントに合わせて"適材適所"で選ぶのが、いちばんコストにも造形品質にも合います。

ObXidian / DiamondBack / ObXiDian 500 の違い(早見表)

項目 ObXidian DiamondBack ObXiDian 500
先端の素材 硬化鋼+E3DLC™(DLC)コート 多結晶ダイヤ(PCD)の固体先端。コートではない ObXidian系の強化グレード
耐摩耗の位置づけ 純正の上位。研磨材の標準アップグレード この4階層で最も上(固体ダイヤ) 従来のObXidian比で5倍以上の耐摩耗(E3D公表・比較基準は"従来ObXidian比")
流量 純正比 約60%↑(X1/P1)/最大70%(A1)※E3D公表 — (耐摩耗を最優先するグレード) 約60%高流量(H2/P2系・E3D公表)
最高温度 各機種の本体設定に準拠 X1E:320℃/X1C・P1P・P1S:300℃(※本体側の制限) H2D・H2C・H2S・X2D:350℃/P2S・A2L:300℃
主な対応機種 A1・A1 mini/X1・P1(別モデル) X1C・X1E・P1P・P1S H2D・H2C・H2S・P2S・X2D・A2L
こんな人に CF/GFを日常的に刷る。流量も上げたい 金属・セラミック配合など研磨性の高いフィラまで、長く刷りたい H2/P2で高温・高流量のCF/GFを安定して刷りたい

※温度について:DiamondBack 単体は 320℃まで対応しますが、X1C・P1P・P1S では本体側の設定上限により 300℃ となります(320℃は X1E のみ)。ObXiDian 500 の 5倍以上という耐摩耗は「従来の ObXidian と比べて」の値で、純正比の倍率ではありません。いずれもE3D公表値、機種側の仕様は各機種の設定に準拠します。

機種別の選び方(A1系/X1・P1系/H2・P2系)

E3D High Flow ObXidian ホットエンド(Bambu Lab A1/A1 mini/A2L用)
E3D High Flow ObXidian ホットエンド(Bambu Lab A1/A1 mini/A2L用)|出典:E3D公式

ここまでを踏まえると、選択はほぼ「お使いの機種」で決まります。機種ごとの対応ホットエンドと、温度・流量の注意点を整理しました。

A1 / A1 mini

選ぶのは ObXidian A1。純正比で 最大70%増 の高流量(E3D公表)。CF/GF をこのクラスで気軽に刷りたい人の入口です。

ObXidian A1(A1/A1 mini対応)を見る →

X1 / X1C / P1P / P1S

流量重視なら ObXidian X1/P1(純正比 約60%↑)、寿命を極めるなら DiamondBack。用途で2択です。

ObXidian X1/P1 →
DiamondBack(X1C/X1E/P1P/P1S)→

H2D / H2C / H2S / P2S / X2D

大口径・高温向けの ObXiDian 500。約60%高流量、最高温度は機種により350℃/300℃。高温CF/GFを高速で回す構成に。

ObXiDian 500(H2/P2系)→

機種選びの注意点(ここを外すと選び間違えます)

X1E に ObXidian(X1/P1版)は対応しません。X1E で研磨材を刷るなら DiamondBack を選びます(X1E は DiamondBack 側で 320℃まで対応)。

・DiamondBack の 320℃ は X1E のみ。X1C・P1P・P1S は本体側の制限で 300℃ です。表記の 320℃ を全機種一律と誤解しないでください。

A2L は入門向け ObXidian と ObXiDian 500 の両方に対応表記があります。求める流量帯で選び、最終的な対応は各商品ページの対応機種欄でご確認ください。

お使いの機種 対応ホットエンド 商品ページ
A1 / A1 mini ObXidian A1 ObXidian A1
X1 / X1C / P1P / P1S ObXidian X1/P1(流量)/DiamondBack(寿命) ObXidian X1/P1DiamondBack
X1E DiamondBack(ObXidian X1/P1は非対応) DiamondBack
H2D / H2C / H2S / P2S / X2D ObXiDian 500 ObXiDian 500

機種と在庫の最新状況、Complete版/金属のみ版の別、対応の最終確認は E3D対応ホットエンド一覧(機種で選ぶ) と各商品ページが最新です。

導入方法:ドロップイン交換は目安5分

ObXidian ノズルの先端ディテール
ObXidian ノズルの先端ディテール|出典:E3D公式

ObXidian/DiamondBack は純正ホットエンドとの ドロップイン交換で、本体の改造は不要です。工具も最小限で、慣れれば 目安5分 ほど。手順の大きな流れは次のとおりです。

1純正を外す
ノズルを温めて樹脂を軟化させ、純正ホットエンドを取り外します。

2ObXidianを付ける
同じ場所に差し込んで固定。無改造でそのまま収まります。

3キャリブレーション
本体のノズル交換/キャリブレーション手順を実行します。

4スライサ設定を見直す
高流量を活かすため、体積流量や温度をプロファイルで再調整します。

ポイントは ステップ4 です。ObXidian/ObXiDian 500 は純正より流量に余裕があるので、スライサ側の最大体積流量やプリント速度、温度を機種のプロファイルに合わせて見直すと、本来の性能を引き出せます。E3Dが機種別のスライサープロファイルやチュートリアルを公開しているので、それに沿って調整するのが安全です。

ノズル交換そのものが初めての方へ

交換のタイミングや種類の基礎から知りたい場合は、こちらもあわせてどうぞ。
ノズル交換の種類と効果(基礎ガイド)
フィラメント素材別・ノズル交換のタイミング
Bambu Lab対応ノズルの選び方

研磨材で「強くて実用的なパーツ」を刷るなら、まずデータから

ObXidian や DiamondBack が本領を発揮するのは、CF/GF や PA 系で 強度・耐熱の要る実用パーツを作るときです。治具、ブラケット、ドローンや RC のフレーム、機械部品——こうしたものを刷るなら、良いホットエンドと同じくらい、良い3Dデータが仕上がりを左右します。

3D Data Japan(SK本舗運営)

SK本舗が運営する日本語の3Dデータサービス。日本のクリエイターによる新着データやコンテスト作品を掲載し、購入・ダウンロードができます(一部は無料公開)。日本語で安心して探せるのが入口として便利です。

→ 3D Data Japan の新着データを見る

このほか、MakerWorld(Bambu Lab公式)、Printables(Prusa公式)、Thingiverse などの海外リポジトリも、実用パーツのデータ探しに使えます。

よくある質問

Q. ObXidian や DiamondBack は Bambu Lab純正品ですか?

いいえ。E3DとBambu Labの 公式コラボによる「Bambu公認・ライセンス取得済み」のサードパーティ製アップグレードです。設計・品質がBambu Labに認められた製品ですが、Bambu Lab純正部品そのものではありません。純正の置き換えというより、研磨材フィラメント向けに選択肢を広げる公認のプロ向けオプションと考えるのが正確です。

Q. 純正ノズルと何が違うのですか?

主に 耐摩耗性と流量です。耐摩耗は 純正真鍮 < 純正焼入れ鋼 < ObXidian(硬化鋼+E3DLC™) < DiamondBack(多結晶ダイヤ)の順。流量は E3D公表値で ObXidian が純正比 約60%(X1/P1)〜最大70%(A1)向上します。PLA など一般的なフィラメント中心なら純正で十分で、CF/GF など研磨材を刷る人向けのアップグレードです。

Q. 自分の機種にはどれが対応しますか?

A1/A1 mini は ObXidian A1、X1/X1C/P1P/P1S は ObXidian X1/P1 または DiamondBack、H2D/H2C/H2S/P2S/X2D は ObXiDian 500 です。X1E は ObXidian(X1/P1版)非対応で、DiamondBack を選びます。最終的な対応は各商品ページの対応機種欄でご確認ください。

Q. どれくらい寿命が延びますか?

摩耗の進み方は刷るフィラメントの種類や使用条件で大きく変わるため、一律の倍率でお約束はできません。目安として、ObXiDian 500 は 従来の ObXidian と比べて5倍以上の耐摩耗とE3Dが公表しています(純正比の倍率ではありません)。DiamondBack は多結晶ダイヤの固体先端で、研磨性の高いフィラメントに対して特に高い耐摩耗性を持ちます。いずれも「摩耗しない」「半永久」ではない点はご理解ください。

Q. 取り付けは難しいですか?本体保証は大丈夫ですか?

取り付けは純正とのドロップイン交換で、本体の改造は不要(目安5分)です。取り付け後はスライサ設定の再調整をおすすめします。なお、サードパーティ製ホットエンドの取り付けが本体メーカー保証の扱いに与える影響は、Bambu Lab側の規定によります(本記事では断定しません)。気になる場合はご購入前にSK本舗までお問い合わせください。

まとめ:自分の機種で、研磨材を一段上へ

ObXidian と DiamondBack は、純正を否定するものではなく、純正では届きにくい研磨材フィラメントの領域を、Bambu公認の形で広げるアップグレードです。刷る素材で「適材適所」に選べば、摩耗の不安を減らしながら造形品質と速度を両立できます。まずはお使いの機種から選んでみてください。

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機種選びで迷ったら、SK本舗(E3D正規取扱・Bambu Lab正規代理店)までお気軽にご相談ください。