最終更新日:

3Dプリンターでは何を作れるの? ジャンル別にまとめてみた

3Dプリンターで何を作るか迷う方へ、日用品・模型・部品などの用途を紹介します。家庭で試しやすい小物と、専門家による設計・検証が必要な用途を区別し、自分の機材と材料に合うものから始めましょう。

2026年11月更新:作例をジャンル別に見比べられる早見図解、方式の選び方・用途別の確認点・最初の小物づくりの手順を追加し、用途に合う新着の材料・大型機の商品カード(税込価格つき)を載せました。

3Dプリンターを買ってはみたものの何を作ればいいか分からない

低価格で高性能な機器の登場により、ますます一般層への普及が進んでいる3Dプリンター。「最近ようやく3Dプリンターを初めて購入してみたんだ」という人もまだまだ多いのではないだろうか。


せっかく3Dプリンターを購入した以上、どしどし使わなければもったいない。しかし、ノリに任せて3Dプリンターを購入してはみたものの「一体これで何を作ればいいんだ?」と迷われている方もいると思う。3Dプリンターで作ることができるものは数多く、それゆえに逆に迷ってしまうというわけだ。


もちろん、自分にとって必要なものを必要な時に出力すればいい(これぞ3Dプリンターの理念でもある)わけなのだが、とはいえ、3Dプリンターの扱いに慣れていく上では、やはり最初のうちは色々なものの出力にトライしてみたほうが上達も早い。


では、出力物がなんでもいいのかと言えば、全く使うあてのないものを出力してしまったのだとしたら、これはちょっともったいない気がする。素材を購入するのにだってお金がかかるのだ。無駄遣いはなるべく避けたいものだろう。


そこで今回は、「最近3Dプリンターを買ってはみたものの何を作ればいいか分からない人」に向けて、3Dプリンティングの練習として「もってこい」であり、かつ日常生活の役に立ちそうな「もの」をピックアップしてご紹介したい。

最初に作るものを選ぶ3つの目安

1使う場所が決まっている出力して使うあてがあれば、材料費が無駄になりません。
2形がシンプルペン立てやコースターのように構造が単純なものは練習に向いています。
3寸法を確認しやすい置く場所や入れる物の大きさを測れる収納用品から始めます。

3Dプリンターで作れるもの:日用雑貨の例

日用雑貨10品の作りどころ(早見)

スマホケース機種ごとにサイズが違うため、寸法を合わせて作る
サンダルスニーカーより構造が単純で挑戦しやすい
コースターモデリング初級の練習に向く
歯ブラシ立て水がたまりにくい形にする
花瓶水を入れる用途は水漏れを確認
箸置き食卓で使う前に材質・洗浄性の確認が必要
ペン立て穴の大きさと底の厚みを調整
メガネ形状の試作用。視力矯正用は専門家に確認
ハンコ・スタンプ光造形機の高精細さが活きる
時計耐久性に欠ける場合があるため注意

スマホケース

ほとんど全ての人が日常的に使っているアイテムといえばスマホだ。ただ、スマホは変えるごとにサイズが変わってしまい、その都度、ケースを新調しなければなならなかったりもする。また日常的に目につくということもあってか、スマホケースは3Dプリンターのライトユーザーにとって、大変ポピュラーな出力品となっている。

簡単に作れるので副業的に販売している人も!

サンダル

複雑な構造のスニーカーを作るのは難しいけど、サンダルならば割と簡単に3Dプリンターでもつくることができる。デザイン力がある人なら、他の人とは違う個性的なデザインのサンダルに挑戦してみも面白いかもしれない。

上の動画は3Dプリントサンダルを提供しているRecreus Sandalさんのもの。自宅等での3Dプリントを可能にするため、thingiverseからもstlデータがダウンロード可能になっている。

コースター

自宅にいくつあってもそれほど困らず、かつ実際に使用することができる日用雑貨といえば「コースター」だ。シンプルなデザインのものならモデリングの初級練習にもちょうどいい。もちろん、複雑な文様をあしらったオリジナルコースターをつくるのもありだ。

3Dプリンターで制作した迷路型コースターの作品例

上の迷路型コースターはデータ配布サイトで公開されていたもの。コースターで検索してみるとみんなの様々なアイディアを見ることができる。3Dデータの無料配布サイトについては別記事で詳しく解説している。


歯ブラシ立て

意外とあると便利なのがこの「歯ブラシ立て」。普段、雑貨屋さんであえて買おうとはしない雑貨筆頭でもある。構造もシンプルなため練習にもちょうどいい。

歯ブラシ立ては、水がたまりにくく手入れしやすい形にすると使いやすくなります。口の中に触れる歯ブラシ本体とは用途を分け、立てるための収納用品として設計しましょう。

花瓶

花瓶は形の工夫を楽しめる制作例です。造形品が割れたり、積層面から水が漏れたりする場合もあるため、水を入れる用途では材質・造形条件と水漏れを確認します。内側に既製の容器を入れ、外側のカバーとして使う方法もあります。

お店で買ったら逆にめちゃくちゃ高価そうな奇抜なデザイン!

箸置き

箸置きはシンプルな形を練習する題材になります。ただし、口に入る箸の先が触れる部分は、完成品としての材質・製作工程・洗浄性を確認する必要があります。形状の試作と、食卓で実際に使うことを分け、適合を確認できないものを食事用に使ったり贈ったりしないでください。

こちらは木質フィラメントを使用した木目調の箸置きの制作動画。まるで木工職人の工芸品みたいだ。

ペン立て

ペン立てもまた3Dプリンターでよく作られている雑貨の一つだ。元がシンプルな構造だけに、リボルバー型のペン立てや、漢字を造形的にあしらったペン立てなど、作り手の創意工夫のなされたオリジナルペン立てもある。ぜひ、誰も見たことがないような、独特なペン立て作りに挑戦して欲しい。

3Dスキャナーで取り込んだ形を活用する方法もあります。ペンを入れる穴や底の厚みを調整し、使いやすい形を試してみましょう。

メガネ

メガネのフレーム形状を試作する用途もあります。顔に触れる材料、強度、レンズの保持、掛け心地などの確認が必要です。視力矯正用として使う完成品は、眼鏡の専門家に適合を確認してください。

ハンコ・スタンプ

ハンコやスタンプを3Dプリンターで作ることも可能だ。とくに光造形3Dプリンターは、ハンコやスタンプ作りに適しており、滑らかで高精細な造形ができる点や平面のXY解像度も高く、ハンコやスタンプに求められるような均一性も再現することができる。

時計

3Dプリンターを使って時計を作ることも可能だ。例えば、3Dプリンターを使って機械式時計のムーブメントや高級時計のケース部分を作ることもできる。 ただし、3Dプリンターで作った時計は、耐久性に欠ける場合があるため注意が必要だ。

3Dプリンターで作れるもの:フィギュア・模型編

作りたい模型で選ぶ造形方式(本記事の解説と方式比較記事をもとに整理)

光造形方式が向く例鉄道模型(Nゲージなど)/ジオラマの細部/フィギュア/精密な部品。細かい形を滑らかに出したいとき。
FDM(熱溶解積層)方式が向く例日用品/大きめの模型/ルアー。サイズを大きく取りたい、材料費を抑えたいとき。

方式の違いは FDM方式vs光造形方式の比較記事 で詳しく解説しています。

フィギュア

初心者向け導入セットを検討する場合も、本体・材料・後処理用品の内容を確認し、別途必要な用品を揃えてください。

プラモデル

3Dプリンターを使ったプラモデル作りも人気だ。特にガンダムシリーズのキャラ作りの様子をYouTube動画で公開している方も多い。他にもレトロな車や戦闘機を1/700のサイズで作成していたりと楽しみ方も様々だ。

鉄道模型

NゲージやTTゲージなど好きな車両を3Dプリンターで作成することも可能だ。 3Dプリンターには「熱溶解積層法」や「光造形方式」などのさまざまな方式があるが、鉄道模型を作る場合は光造形方式の3Dプリンターを購入することをおすすめする。 他にも信号や鉄橋など細かな構造パーツも作成でき、3Dデータをダウンロードすることで、モデル作りも含め3DCADが操作できない初心者でも気軽に始めやすいと言える。

自動車模型

これまでにさまざまな自動車模型が製造・販売されているが、欲しい車両の模型が販売されていないケースもある。そんな時に3Dプリンターがあれば、欲しい車両の模型を自作することができる。 もちろんスープラやスカラインなど人気車両をオリジナルの形で作成することも可能だ。

建設模型(家など)

建築模型では外観や間取りなどを縮尺に合わせて表現できます。細い柱や配管は、縮尺・機種・材料に合わせて形状を調整します。模型を造形できることと、実際に人が住む建物を施工することは別の用途です。

ジオラマ

3Dプリンターを使ったジオラマ作りの特徴は、非常に高精細な造形が可能である点だ。3Dプリンターと3Dスキャナーを使用すれば、忠実に再現することができる。 また、熱で溶かした樹脂を用いる「熱溶解積層法」か、紫外線の照射によって硬化するレジンを用いた「光造形法」を選ぶことができる。

仏像

3Dプリンターで仏像を造形することも可能だ。 和歌山県では、仏像の盗難が多発していることから、和歌山工業高校の生徒が3Dプリンターでレプリカを作成し、本物は博物館で保管、レプリカを寺で公開する「お身代わり仏像」に力をいれている。

3Dプリンターで作れるもの:ファッション編

アクセサリー

3Dプリンターは、オリジナルのアクセサリーの形を試したり、鋳造用の原型を作ったりする用途に使えます。金属アクセサリーにする場合は、対応する鋳造用レジンなどで原型を出力し、その原型から型を作って金属を流し込む方法があります。金属粉末をレーザーで直接造形する方式とは、工程も必要な設備も異なります。鋳造業者に、使える原型材料と形状の条件を先に確認しましょう。

① 原型を出力① 原型を出力

鋳造に適した材料を選ぶ

② 型を作る② 型を作る

原型を焼き抜いて空洞を作る

③ 金属を流す③ 金属を流す

鋳造後に仕上げる

鋳造用原型を使う工程の概念図。金属を直接3Dプリントする方式とは異なります。

工程の参考:Formlabsの鋳造ガイド。

ドレス

海外では、ドレスを3Dプリンターで製造されている。3Dプリンターでドレスを製造することで、より正確な形状、厚み、動きを表現することができる。 3Dプリンターを使用して製造されたドレスはファッションショーでも目にする機会が増えており、今後のファッションショーには必要不可欠なものとなるだろう。

3Dプリンターで作れるもの:部品編

部品を実用で使う前に確認する3点

1荷重締付けや繰り返しの力に耐えるか。金属製と同じ強度とは見なさない。
2温度使う場所の熱で変形しないか。成形材料・金型では温度と圧力も確認。
3摩耗こすれる部分は削れや寿命を確認。安全に関わる部品は市販品を使う。

ネジ

ネジ形状は、模型の組み立てやはめ合いの試作に使えます。実用品では、材料・造形方向・締付け力・繰り返し荷重を確認してください。金属製ネジと同じ強度があると見なさず、安全に関わる締結には適合する市販部品を使いましょう。

パーツ

3Dプリンターで作ったパーツは、模型の補修や形状確認などに活用できます。実用品として使う場合は、荷重・温度・摩耗に対する強度を確認してください。自動車などの安全に関わる部品を、形が同じという理由だけで置き換えることは避けましょう。

金型

3Dプリントした樹脂型を試作などに利用する方法があります。ただし、成形材料・温度・圧力・必要な数量に合う型材料と設計が必要です。金属製の型と寿命や使える条件は異なり、費用・納期は設計と成形条件をそろえて見積もります。

3Dプリンターで作れるもの:医療器具編

  1. 形を出力できる試作や研究の例はある
  2. 使う目的に適合するか確認材料・製作工程・身体への適合
  3. 専門家に相談医療・義肢装具の担当者/適合する市販品を選ぶ
形を作れることと、使えることは別です。自作のマスクを感染対策の保護具の代わりにしたり、義足などを家庭で作って使ったりしないでください。

マスク

マスク形状の試作や関連部品の制作例はありますが、家庭で出力したものが市販の保護マスクと同じ性能を持つとは限りません。感染対策用として自作物に置き換えず、目的に適合する製品を使ってください。参考:NIHの3Dプリント保護具に関するFAQ。

義足

義足などの補装具に3Dプリントを利用する専門的な製作例があります。体重を支える強度、身体への適合、材料と製作工程の検証が必要で、家庭で形を出力しただけでは使用に適するとは判断できません。製作・使用は担当する医療・義肢装具の専門家に相談してください。参考:FDAの医療用途に関する技術解説。

3Dプリンターで作れるもの:アウトドア編

家庭で作る例:ルアーFDM方式の3Dプリンターで、サイズや形を調整して作れる。ABSなど高温に強い樹脂も使える。
メーカー設計の製品例:サドルクッション部分に3Dプリントを使う製品。家庭用プリンターで同じ性能を再現できるという意味ではない。

ルアー

3Dプリンターでオリジナルルアーを製作する際には、FFF(熱溶解積層法)方式の3Dプリンターがおすすめだ。 価格もリーズナブルであり、高温にも強いABS樹脂も使用できる。 サイズや形状も簡単に調整して作成でき、市販にはないオリジナルルアーでシーバスやヒラマサなどを狙うことができるのも魅力だ。

自転車のサドル

自転車用サドルには、fizik AdaptiveやSpecializedのMirrorのように、クッション部分に3Dプリントを使う製品があります。メーカーが材料や構造を設計した製品例であり、家庭用プリンターで同じ性能をそのまま再現できるという意味ではありません。

サドルの紹介動画をYouTubeで見る(外部サイト)

最初に作るなら、身近な小物から

  1. 寸法を測る置く場所・入れる物の大きさ
  2. データを探す3D Data Japanなどの配布データ
  3. PLAで試し出力FDM機なら扱いやすい材料から
  4. 修正して再出力穴・底の厚みなどを調整

ペン立て、小物トレー、ケーブルホルダーなど、置く場所と大きさを決めやすい物から試してみてください。SK本舗ユーザーの作品集では、使われた機種や素材も参考になります。

データを探すなら3D Data Japanの配布データへ。FDM機で作る室内の小物には、機種に対応したPLAフィラメントが候補になります。本体がまだない方は、作りたい物の寸法を目安に3Dプリンターの比較ガイドをご覧ください。

医療用途や食品に触れる物は、形を作れるだけで使用に適するとは限りません。用途に合う材料と製作条件が必要です。

3Dプリンター制作物に関するよくある質問

最初の1個ペン立て・小物トレー・ケーブルホルダーなど、寸法を確認しやすい収納用品
販売する時著作権・意匠権に注意し、オリジナルデザインで制作
方式の目安日用品・大型はFDM式、フィギュア・精密部品は光造形式
食器・食品に触れる物材料名や「食品グレード」表示だけで判断せず、完成品として適合を確認

3Dプリンター初心者が最初に作るべきものは何ですか?

初心者にはペン立て、小物トレー、ケーブルホルダーなど、必要な寸法を確認しやすい収納用品が候補です。熱・大きな荷重・食品接触・身体の保護などが関わる用途は、形が作れることとは別に適合確認が必要です。初心者向けの使い方もご覧ください。

3Dプリンターで商品販売はできますか?

はい、スマホケースやアクセサリーなどの制作・販売を副業として行っている方も多くいらっしゃいます。ただし、著作権や意匠権には十分注意し、オリジナルデザインでの制作をおすすめします。

FDM式と光造形式はどちらが良いですか?

制作したいものによって異なります。日用品や大型のものはFDM式、フィギュアや精密な部品は光造形式が適しています。FDM方式vs光造形方式の比較記事で詳しく解説しています。

3Dプリンターで作った食器は安全に使えますか?

食品に触れる造形品は、材料名や「食品グレード」の表示だけで使用可否を判断できません。顔料・添加剤、造形機やノズル、後処理、洗浄しやすさを含む完成品としての適合確認が必要です。確認できない場合は用途に適合した市販品を選びましょう。参考:Prusaの食品接触用途に関する解説。

上達のためには「1に出力、2に出力」

いかがだっただろうか。3Dプリンター上達の道は1に出力、2に出力。経験値こそが技術を磨く上での最も大事な要素だ。


いま特に出力したいものがない、という方は、試しにここに挙げた雑貨の出力に挑戦してみてはいかがだろうか。暮らしのほとりに自分でつくったものが溢れているというのは、とても豊かなことだ。


皆様の「ものつくり」ライフに幸あらんことを。

3Dプリンターで制作された様々な作品の集合写真

この記事で紹介した商品をチェック

SK本舗は3Dプリンター・レジン・フィラメントの専門店です。Bambu Lab・Elegoo・Anycubic等の正規代理店として、安心のサポートをお届けします。