
もう人間は不要? 完全自動で新構造の開発を続ける3Dプリントロボット
アフターヒューマンの科学研究
YouTube上にアップされているある奇妙な動画が話題を呼んでいる。
動画のアップ元はボストン大学。実際に動画を見てみると、まず3Dプリンターでプラスチックの立体物が造形されている様子が確認できる。かくしてちょっと不思議な形状のオブジェが出力されると、今度はロボットアームがそのオブジェを測りの上に移動し、重さを計測。その後、再びオブジェはロボットアームによって別のプレートの上に置かれる。その真上からゆっくりと降りてくる天板。やがて天板がオブジェに達すると、オブジェはその圧力によってペシャンコに潰されてしまう。
動画はこれで終わっているのだが、一体これは何をしている動画なのだろうか。
実は、上記した一連のオートマティックなプロセスがボストン大学工学部の研究室内ではすでに3年前から連続して繰り返され続けているという。もちろん現場に研究者がいない時も、だ。
果たして何のために? どうやらこれはプラスチックの衝撃吸収構造の研究のようで、このロボットは自動的にCADデータをデザインし、それを出力、その重量と大きさを測定した上でプレスで粉砕し、圧縮にかかったエネルギーを測定、記録しているらしい。そして、その後、再び新しいデザインを作り出し、この一連の流れを繰り返していく。
動画内にはこのようにして潰されたオブジェが箱にみっしりと詰め込まれている様子が見える。このMAMA BEARロボットは3年間でおよそ25000個以上のオブジェを3Dプリントし、その衝撃吸収構造をテストしてきたという。
結果的に3年前の時点ではエネルギー吸収構造の記録は71%の効率が最大値だったところ、すでに75%の効率を有する構造を開発。今なおさらなる記録更新のために実験が続けられている。
驚くべきは、3年前にプログラムが組まれて以来、ロボットは自動でこの一連のプロセスを反復し続けているということだろう。人の役割と言えばたまにその実験の様子を確認するくらい。この研究室において、もはや研究の主体はロボットであり、人間はその管理役に過ぎなくなっているということだ。
ロボットが自分で科学をする時代、私たちは自分たちの身の振りについて真剣に考えなければならなくなっているのかもしれない。