フィラメントダイヤメーターとは?1.75mmと2.85mmの違い
フィラメントダイヤメーター(filament diameter)は、FDM方式3Dプリンターで使うフィラメントの直径を指します。現在の主流は「1.75mm」と「2.85mm(通称3mm)」の2種類で、プリンター本体の設計がどちらかに固定されているため、購入前に必ず対応サイズを確認する必要があります。
結論:現行機の大半は1.75mm、2.85mmは一部のメーカー・大型機のみ
Bambu Lab、Creality、ELEGOO、Anycubic、Prusaなど、現行で販売されている家庭用〜ホビー向けFDM機のほとんどは1.75mmを採用しています。(MakerBotは2022年にUltiMakerと合併し、現在は教育・プロ向けラインに移行)2.85mm(3mm)を採用しているのはUltiMaker、LulzBot、BCN3D、BigRepなど限られたメーカーで、市場全体では1.75mmが圧倒的な主流です。なお「3mmフィラメント」と表記されていても、実測値は概ね2.85mmであり、実質的には同じ規格として扱われます。
1.75mmと2.85mmの比較
| 項目 | 1.75mm | 2.85mm(3mm) |
|---|---|---|
| 主な採用機 | Bambu Lab・Creality・Elegoo・Anycubic・Prusa等 | UltiMaker・LulzBot・BCN3D・BigRep等 |
| 吐出制御の細かさ | 細かく、ディテール表現に有利 | やや粗めだが高流量に強い |
| 高速・大型造形 | 現行は1.75mmでも高流量化が進む | 大量押出しに向く |
| 吸湿性の影響 | 表面積/体積比が大きく、湿気を吸いやすい | 比較的影響を受けにくい |
| 素材ラインナップ | PLA/PETG/ABS/TPU/PC/PA等、ほぼ全種類 | 主要素材はそろうが選択肢は1.75mmより少ない |
| 価格・入手性 | 圧倒的に入手しやすく価格も安定 | 取扱量が少なく、やや割高になりやすい |
なぜ2.85mmが存在するのか
もともとFDMは工業用プラスチック溶接棒の3mm径を流用して発展した歴史があり、それが2.85mmへ収斂しました。UltiMakerなどが採用したのは、Bowden(ボウデン)式エクストルーダーでフィラメントを長いチューブ越しに送る構造上、太いフィラメントのほうが座屈しにくく、特にTPU(軟質)素材を安定供給しやすいというメリットがあったためです。一方、小型ダイレクトドライブや高速化の流れとともに、より細かい押出制御ができる1.75mmが業界標準へと移行しました。
使い分けのポイント
- プリンターの仕様を確認:対応ダイヤメーターはプリンターのノズル・エクストルーダー構造で決まります。マニュアルに「1.75mm」と書かれていれば1.75mm専用です。サイズ違いを入れると送り出し不良・詰まりの原因になります。
- サイズ変更はハードウェア改造が必要:フィーダーやPTFEチューブが径に合わせて設計されているため、勝手に変更するのは避けてください。
- 新規導入なら1.75mm機が無難:素材・カラーの選択肢、価格、情報量のいずれも1.75mmが有利です。
- 既存2.85mm機は引き続き使える:UltiMaker等の2.85mm機は安定した実績があり、素材供給も継続しています。無理に乗り換える必要はありません。
直径の許容誤差
フィラメントには「±0.02mm」「±0.03mm」などの直径公差が記載されています。公差が小さいほど押出量が安定し、層の厚みや外観の均一性が向上します。スライサー側でも実測の平均直径を入力することで、さらに吐出量を最適化できます。
まとめ
フィラメント直径は、プリンターの機械的な仕様で決まる重要なスペックです。現行の主流は1.75mm、2.85mmはUltiMaker系の一部機種に限定されます。購入前に必ず取扱説明書で対応径を確認し、素材の公差表記もあわせてチェックしておくと安定した印刷につながります。
