公開日:2026年7月1日/最終更新日:2026年7月1日|作成:SK本舗(各メーカーの正規代理店)。本記事は用途整理であり法的助言ではありません。薬事の前提は改正されうるため、運用前に最新の一次情報をご確認ください。
歯科の現場で3Dプリンターとレジンが力を発揮するのは、作業模型・スタディモデル・実習模型・技工用の治具・患者説明用モデルといった「非臨床(口腔内や体内に入れない物)」の造形です。石膏模型の置き換えとして、内製・時短・データ再現のメリットがあります。
一方で、クラウン・ブリッジ・義歯・サージカルガイド・マウスピース矯正(アライナー)などの「口腔内に使う医療最終物」は、本記事の一般用レジン・汎用スライサーの対象外です。これらは薬機法上の承認・認証を受けた材料と対応機器を、歯科医師・歯科技工士が用いて製作する必要があります。
当店取扱いの一般用レジンは、歯科用として薬機法の承認・認証を受けた材料ではありません。
本記事は非臨床(作業模型・実習・技工治具・教育)用途に限ったご案内であり、口腔内に使用する補綴物・義歯・サージカルガイド・矯正装置等の医療最終物には使用できません。医療最終物は、歯科医師・歯科技工士が承認・認証材料と対応機器で製作するものです。
この記事の結論(キーポイント)
- 作れるのは模型・実習・治具といった非臨床まで。補綴物・義歯・サージカルガイド・アライナー等の口腔内医療最終物は、有資格者+承認材料の領域で本記事の対象外です。
- 規制は「モノ」ではなく「何に使うと示すか(使用目的の標榜)」で分岐します。同じ造形物でも標榜次第で扱いが変わります。
- 模型は高解像度の光造形(MSLA〈LCD方式〉/DLP)+不透明色(白・アイボリー・グレー)が基本。形と寸法が読み取りやすくなります。
- 機種・レジンは「型番」ではなく「スペック軸」で必要条件を決め、コレクションで絞り込むと迷いにくくなります。
- 「医療機器ではありません」の免責文だけでは正当化できません。用途と表現そのものを非臨床に限定します。
何が作れて、何に有資格者・承認材料が要りますか?(薬機法の前提)
作れるのは模型・実習・治具までで、口腔内に使う医療最終物は有資格者+承認材料の領域です。ここが本記事でいちばん大切なパートです。同じ樹脂・同じソフトを使っても、「何に使うと示すか(=使用目的の標榜)」で、かかる規制がまったく変わります。医療機器に当たるかどうかは、モノそのものではなく「使用目的」で判断されるためです。
この考え方は、医薬品医療機器等法(薬機法)における医療機器の定義(第2条第4項)に沿ったもので、機械器具等が「何に使うことを目的とするか(使用目的)」によって医療機器に当たるかが判断されます。つまり、同じ歯列の造形物でも「記録・説明のための模型」なら非臨床、「口腔内に装着する装置」なら医療最終物、という具合に線が引かれます。
非臨床でできること/医療最終物として扱うことの対比
| 区分 | 非臨床(本記事の対象・取り組める) | 医療最終物(本記事の対象外・有資格者+承認材料が必要) |
|---|---|---|
| 代表例 | 作業模型・スタディモデル・歯列模型・実習模型・患者説明用モデル・技工治具・トレー | クラウン・ブリッジ・インレー・義歯・サージカルガイド・アライナー・スプリント・インプラント上部構造 |
| 口腔内・体内に入るか | 入れない | 入れる/人体に使用する |
| 使う材料 | 一般用の模型・造形レジン(非承認)でよい | 薬機法の承認・認証を受けた歯科用材料が必要 |
| 機器の組み合わせ | 一般的な光造形機+洗浄・二次硬化機 | 材料ごとに薬機法で指定された対応プリンター・光重合器の組み合わせ |
| 作れる人 | 技工・教育の実務者(模型・治具として) | 歯科医師・歯科技工士(補綴物は歯科技工士法第17条の業務独占) |
| 当店の一般用レジン | 模型・非臨床用途として案内可 | 案内不可(歯科用承認・認証材料ではないため) |
要点を4つに整理します(各法令は下記の一次ソースをご確認ください)。
- 使用目的で決まる:医療機器該当性は「模型用」と示すか「治療用」と示すかで変わります。同じ造形物でも標榜次第で規制が切り替わります(薬機法 第2条第4項ほか)。
- 補綴物は業務独占:クラウン・ブリッジ・義歯等の製作は歯科技工士法第17条により、歯科医師・歯科技工士でなければ業として行えないとされています。「プリンターがあれば誰でも作れる」話ではありません。
- 未承認品の広告は禁止:承認・認証のない医療機器・材料の効能や性能を広告することは薬機法第68条で禁じられ、明示・暗示を問わず誇大な広告は第66条で禁じられています。「歯科用に最適」「医療精度」といった暗示もこの射程です。
- 免責文だけでは足りない:「医療機器ではありません」と添えるだけでは、医療用途を暗示する表現は正当化できません。免責文は、危うい表現そのものを削除・置換して初めて意味を持ちます。
一次ソース(e-Gov 法令検索・厚生労働省)
- 医薬品医療機器等法(薬機法)第66条・第68条 … e-Gov 法令検索
- 不当景品類及び不当表示防止法(景表法)第5条 … e-Gov 法令検索
- 歯科技工士法 第17条 … e-Gov 法令検索
- 医療機器の定義(医薬品医療機器等法 第2条第4項:使用目的で医療機器該当性を判断) … e-Gov 法令検索
この線引きは、非臨床の広い範囲を安心して使うためのものです。実際の運用の適法性は、薬機法・景表法に精通した専門家(弁護士・薬事コンサル・所管の薬務課・PMDA)へご確認ください。
非臨床では具体的に何が作れますか?(模型・技工・教育・治具)
作業模型・スタディモデル・実習模型・説明用模型・非口腔内の治具が作れます。共通するのは「石膏の練和・乾燥・保管の手間を減らし、データで同じものを再現できる」点と、「口腔内に入れない」点です。
用途早見表:何を・どの方式・どの色で作る?
| 用途 | 推奨方式 | 推奨色 | 目安サイズ | 後処理の要点 |
|---|---|---|---|---|
| 作業模型 | 光造形(MSLA/DLP) | 不透明・白/アイボリー | 部分〜フルアーチ | 洗浄→乾燥→二次硬化 |
| スタディモデル | 光造形 | 不透明 | フルアーチ | 同上 |
| 実習・研修模型 | 光造形 | 不透明 | 単歯〜歯列 | 同一条件で複数出力 |
| 説明・プレゼン模型 | 光造形/FFF | 不透明・色分け可 | 拡大も可 | 用途に応じて |
| 非口腔内の治具・トレー | FFF/光造形 | 任意 | 用途次第 | 素材要求から選定 |
作業模型(ワーキングモデル)は作れますか?
作れます。口腔内スキャンデータや石膏模型をスキャンしたデータから、技工作業の土台となる作業模型を光造形で内製できます。石膏の練和・乾燥・保管が要らず、データを再出力すれば同じ模型を何度でも再現できます。あくまで技工作業台としての模型であり、口腔内に入れる最終物ではありません。当店の一般用レジンは、補綴物の口腔内適合性能を保証するものではありません。
スタディモデル(診断・記録用模型)は?
記録・症例検討用の模型として作れます。症例説明・記録・症例検討会で使うスタディモデルです。石膏より軽量で、データ保管で場所を取りません(レジン種によっては脆いものもあり、取り扱い次第で割れることはありますが、データ再出力で復元できます)。あくまで可視化ツールであって、治療装置ではありません。
矯正の歯列模型は作れますか?(模型であって装置ではない)
矯正前後の記録・患者説明用の「歯列模型」までは作れます。ビフォーアフター提示や記録に使う模型であり、口腔内に装着するアライナーやリテーナー等の医療装置とは明確に区別します。装置の製作は本記事の対象外です。作れるのは記録・説明用の「歯列模型」までで、口腔内に使う装置の製作は扱いません。
実習・研修用の教育模型は?
切削実習・形成練習・観察用の教育模型として作れます。歯科技工士学校・歯学部・歯科衛生士課程・企業内研修などで、同一条件のモデルを複数出力でき、教材コストと準備時間を圧縮できます。石膏を消費せずデータで反復できるため、教育現場と相性がよい用途です。
プレゼン・症例説明用の模型は?
拡大模型や色分けした説明用モデルとして作れます。学会発表・院内勉強会・患者説明で理解を助ける可視化用途で、人体には使用しません。
技工用治具・トレー等の非口腔内治具は?
口腔内・体内に入れない補助治具なら作れます。模型ベース、マウント治具、パーツ整理トレー、作業ガイドの土台などの試作・内製です。ワークフロー効率化のための道具であり、医療機器ではありません。こうした治具は、要求(耐熱・強度・寸法)次第で光造形より安価で丈夫なFFF(フィラメント方式)が向く場合があります(あくまで非口腔内治具に限ります)。
模型・技工に向くプリンター/レジンはどう選びますか?
「XY解像度・不透明色・後処理のしやすさ」を軸に、用途の最大ワーク寸法から逆算して選びます。製品スペックの数値は機種・レジンごとに異なるため、本記事では特定の型番・数値を断定せず、「どのスペック軸で選ぶか」という判断の視点を整理します。
選定軸の早見表
| 選定軸 | 見るポイント | 模型での優先度 | 備考 |
|---|---|---|---|
| XY解像度 | 面内のきめ細かさ | 高 | 歯間の谷・微細エッジの再現に直結 |
| 積層ピッチ(Z) | 段差と積層の安定性 | 中〜高 | 薄くしすぎると硬化が繊細に |
| 寸法安定・低収縮 | 硬化収縮の小ささ | 高 | 物性値は公式値で確認 |
| 色・不透明度 | 白/アイボリー/グレー | 高 | 不透明色が視認性に有利 |
| 耐久(剛性/靭性) | 割れ・欠けにくさ | 中 | 実習・展示の取り回しに影響 |
| 造形サイズ | ビルドボリューム | 用途次第 | フルアーチ・まとめ出しは大判有利 |
| 後処理のしやすさ | 水洗い可か溶剤要否 | 中〜高 | 継続運用の容易さを左右 |
| 組み合わせ適合 | 波長・露光の適合 | 高 | メーカー公開値のある組合せが安全 |
なぜXY解像度が最重要なのですか?
歯列模型・スタディモデルの再現度を決めるからです。歯間の谷や微細なエッジを潰さず出せるかは、面内1ピクセルの細かさで決まります。近年の高解像度クラスのMSLAは面内のシャープさに有利とされます。具体的な実効ピクセルピッチは機種の公式値をご確認ください(数値は機種ごとに異なります)。模型で光造形(MSLA/DLP)が中心になる理由がここにあります。
積層ピッチ(Z)はどう決めますか?
積層痕は模型の見た目と段差に効きます。模型用途では0.05mm前後を基準に、ディテール優先で0.03mm程度まで薄くする運用が一般的です。ただしZを薄くしすぎると硬化条件が繊細になり、反りや寸法ばらつきの原因になります。「解像度が出て、かつ安定して積める」設定幅を持つ機種・レジンを選びましょう(数値は一般的な運用例で、最適値は機種・レジンにより異なります)。
寸法安定性・低収縮はなぜ効きますか?
模型としての形状再現やプレゼンでの見やすさに効くからです。硬化収縮が小さく、造形直後(グリーン状態)でも変形しにくいレジンほど、洗浄・二次硬化を経ても寸法が動きにくくなります。モデル系・低収縮を意図した配合が向きます(各レジンの物性値は公式値をご確認ください。ここでの用途は非臨床模型に限り、補綴物の適合性能を示すものではありません)。
なぜ模型は不透明色が有利なのですか?
形状が読みやすいからです。視認性の観点では、透明・クリア色よりも白/アイボリー/グレーの不透明色が模型では見やすいです。マット寄りの表面はハレーションが少なく、写真やプレゼンでも形状が読みやすくなります。高透明レジンは意匠・光学用途向きで、模型視認性には不向きです。
耐久(剛性/靭性)はどう考えますか?
実習・展示・繰り返しのハンドリングで割れたり反ったりしない耐久が要ります。硬いだけの標準レジンは脆く、薄い部位が欠けやすい傾向があります。高靭性(タフ系)やモデル向けの配合は剛性と耐衝撃のバランスが取りやすいとされます。力学値は機種・レジンの公式値のみ採用してください。
造形サイズはどう選びますか?
フルアーチ(全歯列)模型や複数模型のまとめ出しには大判機が有利です。小型機は単歯・部分模型や治具向き。用途の最大ワーク寸法から逆算して、ビルドプレート面積とZ高さを選びます。
後処理のしやすさ(水洗いか溶剤か)はなぜ大事?
運用コストと安全・手間に直結するからです。水洗いレジンはIPA等の溶剤なしで洗浄でき、教育現場や少人数運用で扱いやすいのが利点です。溶剤系は洗浄力が高い一方、換気・引火対策の負荷が上がります。継続運用のしやすさは採用可否を大きく左右します。
「組み合わせ適合」とは何ですか?
波長(385/405nm)と各レジンの推奨露光がずれると、解像度も寸法も出ません。メーカーが露光パラメータを公開している組み合わせを選ぶと、立ち上げが速く失敗が減ります。なお、ここで言う「適合」はあくまで非臨床模型用途での話です(歯科用の承認・認証材料は当店ラインにはありません)。
非口腔内治具にはどの素材(FFF)が向きますか?
口腔内に入れない治具・保持トレー・整理パーツは、光造形より安価で丈夫なFFFが合う場合があります。PLAは寸法が出やすい一方で耐熱は低め、PETGは耐熱・靭性のバランス型、ABS/ASAは耐熱が高いが反り対策が要ります。治具の要求(耐熱・強度・寸法公差)から素材を選ぶのが基本です。繰り返しますが、これは非口腔内治具に限った話です。
SK本舗ではどう選べばよいですか?
まず上の「選定軸の早見表」で必要条件(解像度・色・サイズ・後処理)を決め、そのうえでラインナップに当てはめると迷いにくくなります。当店では非臨床の模型・試作向けとして、SK10K水洗いレジンをはじめとする水洗いシリーズや、低収縮のモデル系レジン、取り回しに配慮した高靭性系レジンなどを扱っています(いずれも非臨床の模型用途での目安であり、歯科用〈口腔内〉の性能を示すものではありません)。各製品の正式名称・色・物性値は、必ず各商品ページの公式表記でご確認ください(本記事では特定製品の物性を断定しません)。ラインナップの比較はレジン比較表が便利です。プリンターは、高精細MSLAから大判機まで光造形(LCD)コレクションにまとめており、用途の最大ワーク寸法と必要解像度から絞り込めます。導入相談では、要件から機種とレジンの組み合わせをご提案します。
下記のご案内は非臨床(模型・実習・治具)用途向けです。口腔内に使う医療最終物は対象外です。
非臨床模型の後処理ワークフローは?(洗浄→二次硬化→仕上げ)
基本は「スキャン/設計 → 造形 → 洗浄 → 乾燥 → 二次硬化 → サポート除去・寸法検証」です。各工程には安全上の注意も含まれます。
1. スキャン・設計(STLの用意)
口腔内スキャナや模型スキャンで得たSTL/OBJが起点になります。手元にデータが無い教育・検証用の汎用3Dデータの入手先としては、まず3D Data Japan(3d-data.skhonpo.com)をご活用ください。なお、患者データの取り扱い(個人情報)は各院・各施設の規程に従ってください。
2. 造形(造形方向とサポート)
模型は、視認したい面(咬合面・歯列面)を上向きにし、エッジを立てすぎない向きで配置します。サポート痕が重要面に出ないよう配置するのがポイントです。吊り下げ式(bottom-up)の光造形機は、最初に接する面のディテールが崩れやすいので注意します。薄板・アーチ形状は内部応力で反りやすいため、ラフト/サポート密度と配置で応力を逃がします。
露光時間の較正も、模型の寸法精度を左右します。1層あたりの露光が長すぎると、光が周囲に回り込む「ライトブリード(過硬化)」で造形物が外側に太り、穴やスリットが小さくなって微細な段差・マージンが潰れ、模型が実寸より大きく仕上がります。逆に短すぎると層間剥離・欠け・反りが出ます。機種×レジンごとに露光テスト(露光段階のバリデーション)で適正露光を一度出し、必要ならXY補正(スケール補正)をかけると、歯間やマージンなど寸法が効く模型でも再現性が安定します。
3. 洗浄
水洗いレジンは中性水・ぬるま湯での二段すすぎ(一次で大半を落とし、二次できれいな水に替える)が寸法・表面に有利です。溶剤系はIPA等で規定時間内に。いずれも洗いすぎ・浸けすぎは表面膨潤や白化、寸法変化の原因になるため、「短時間で確実に」が原則です。溶剤を使う場合は火気厳禁・換気・手袋着用を徹底してください。
4. 乾燥
二次硬化の前に完全乾燥させます。表面に洗浄液が残ると、硬化ムラ・べたつき・寸法ぶれを招きます。エアブローや自然乾燥で水分・溶剤を飛ばしてから硬化に進みます。
5. 二次硬化(光重合)
露光には「足りない<適正<過剰」の窓があります。過硬化は黄変・脆化・微収縮を、不足はべたつき・強度不足を招きます。模型は形の再現が最優先なので、まず少なめに当ててから硬さ・表面を見て詰めます。左右均等に光が回るよう、回転式や両面照射が望ましいです(機種・レジンの推奨があればそれを優先)。なお、歯科用材料は薬機法で対応する光重合器の組み合わせが指定されます。一般用レジンの一般的な手順と混同しないでください。
6. サポート除去・仕上げ・寸法検証
サポートを除去し、重要面のバリを整えます。非臨床でも「測って運用」が基本です。基準寸法をノギスやスキャナで実測し、機種×レジンの実効収縮を一度把握しておくと、必要に応じてスケール補正を持てて再現性が上がります。数値の断定は自機での実測後に行ってください。
導入コストと設置環境はどう考えればいいですか?
費用は「本体・後処理機器・消耗材・設置環境・保守」の内訳で把握し、まず小さく始めるのが基本です。具体額は運用規模・機種で変わるため、本記事では金額を断定せず「内訳の考え方」を示します(相場は見込みとしてお考えください)。
| 費用区分 | 主な内容 | 性格 |
|---|---|---|
| 本体(プリンター) | 光造形機 または FFF機 | 初期投資 |
| 後処理機器 | 洗浄機・二次硬化器 | 初期投資 |
| 造形材 | レジン/フィラメント | ランニング |
| 消耗品 | FEPフィルム・ビルドプレート・手袋等 | ランニング |
| 設置・環境 | 換気設備・作業スペース | 初期+固定 |
| 保守 | 定期清掃・部品交換 | ランニング |
ROIや月産数の相場は運用規模で変わるため、あくまで見込みとして試算してください。詳細な費用比較が必要な場合は、要件(用途・想定月産・設置環境)をお知らせいただければ、内訳ベースでご提案します。
どうスモールスタートで導入すればいいですか?
1台+後処理一式で小さく始め、運用が回ってから拡張するのが失敗の少ない進め方です。いきなり複数台を揃える必要はありません。
- 用途を確定する:作業模型か、実習模型か、治具か。最大ワーク寸法と必要な細かさを先に決めます。
- 1台+後処理で試作:プリンター・洗浄機・二次硬化器を最小構成で用意し、基準模型を出して寸法を実測します。
- 運用ルール化:造形方向・露光条件・洗浄時間・補正値を手順書にまとめ、誰が出しても同じ品質になるようにします。
- 拡張を判断:月産数・待ち時間から台数増やレジン種の追加を検討します。ROIや月産数の相場は運用規模で変わるため、あくまで見込みとして試算してください。
設置環境チェックリスト
- 換気:洗浄・硬化は換気下で。溶剤を使う場合は火気厳禁。
- 安全:未硬化レジンは皮膚接触・吸入を避け、手袋・保護具を着用。
- スペース:プリンター+洗浄・硬化機の設置面と作業動線を確保。
- 廃棄:廃液は硬化させてから、自治体ルールに従って廃棄。
- 保守:FEPフィルム・ビルドプレート等の消耗品と、定期清掃の運用を決める。
複数台導入や教育機関向けのまとまった導入は、SK本舗(各メーカーの正規代理店)の法人窓口でご相談を承ります。用途・予算・設置環境を送っていただくだけで、機種とレジンの組み合わせ提案をお返しします。
よくある質問(FAQ)
歯科の3Dプリンターで、非臨床では具体的に何が作れますか?
作業模型・スタディモデル・歯列模型・実習模型・患者説明用モデル・非口腔内の治具(トレー・マウント治具等)が作れます。いずれも口腔内・体内に入れないことが共通点です。石膏の練和・乾燥・保管の手間を減らし、データで同じものを再現できます。
歯科用の補綴物(クラウン・ブリッジ・義歯)は作れますか?
本記事の一般用レジン・汎用スライサーでは「作れる・向いている」とは言えません。補綴物の製作は歯科技工士法上の業務独占であり、薬機法上の承認・認証を受けた歯科用材料と対応機器の組み合わせで、歯科医師・歯科技工士が行う必要があります。当店の一般用レジンは歯科用の承認・認証材料ではないため、口腔内に使う最終物用途にはご案内できません。作れるのは、あくまで模型・実習・治具といった非臨床までです。
サージカルガイドやマウスピース矯正(アライナー)は作れますか?
サージカルガイドやアライナー等は、口腔内・術野で用いる医療機器・医療装置に該当し、承認・認証材料と対応機器・有資格者による製作が前提です。一般用レジン+汎用スライサーでの製作は本記事の対象外で、推奨しません。作れるのは記録・説明用の「歯列模型」までで、口腔内に入れる「装置」は範囲外、という線引きです。
石膏模型と3Dプリント模型はどちらが良いですか?
非臨床の作業模型・スタディモデル前提での比較です。3Dプリント模型は、練和・乾燥が不要でデータ再現ができ、軽量で保管スペースを取りにくいのが利点です。一方で、初期投資・後処理工数・臭気や換気などの検討コストがかかり、レジン種によっては割れやすいものもあります。ランニングコストや工数は運用規模で変わるため、相場は「見込み」としてお考えください。
模型用にはどのレジンを選べばよいですか?
非臨床の模型用途では、寸法安定性・表面再現性・作業性(切削しやすさ・視認性)・保管性の観点でモデル向けレジンを選びます。白・アイボリー・グレーなど不透明色は視認性に有利です。生体適合レジンや歯科用承認材料の話は口腔内用途に属するため、本記事の範囲外として切り離してお考えください。当店取扱いの一般用レジンは非臨床前提でご案内します。詳しくはレジン比較表をご覧ください。
光造形(レジン)とFFF(フィラメント)はどちらが模型に向きますか?
細部再現と寸法精度が要る歯列・作業模型は光造形が一般的です。大きめの説明用モデルや非口腔内の治具ではFFFも選択肢になります。方式ごとに後処理・臭気・設置環境が異なる点も選定材料です。断定できる性能比較は公式値のみを、相場は見込みとしてお考えください。
スキャンデータ(STL)がなくても模型は作れますか?どこで入手できますか?
口腔内スキャナや模型スキャンで得たSTL/OBJが起点になります。教育・検証用の汎用3Dデータの入手先としては、まず3D Data Japan(3d-data.skhonpo.com)をご利用ください。患者データの取り扱いは各院・各施設の個人情報規程に従ってください。
模型の後処理(洗浄・二次硬化)はどうすればよいですか?
基本は「洗浄 → 乾燥 → 二次硬化 → サポート除去」です。水洗いレジンは中性水の二段すすぎ、溶剤系はIPA等で規定時間内に。乾燥を挟んでから硬化し、露光は少なめから詰めます。溶剤は火気厳禁・換気・手袋着用を徹底してください。なお、歯科用材料は薬機法で対応する光重合器の組み合わせが指定されます。一般用レジンの一般的手順と混同しないようご注意ください。
技工所や学校に導入する際、コストや設置環境はどう考えればよいですか?
本体・レジン・後処理機器・設置スペース・換気・メンテナンスを検討項目としてチェックします。ROIや月産数の相場は運用規模に依存するため「見込み」としてお考えください。まず1台+後処理でスモールスタートし、運用を手順化してから拡張するのが失敗の少ない進め方です。法人・教育機関の導入は、SK本舗(正規代理店)の窓口でご相談ください。
「医療機器ではない」と書けば、口腔内に使う物を作っても大丈夫ですか?
いいえ。「医療機器ではありません」という免責文だけでは正当化できません。医療機器該当性は使用目的(標榜)で判断されるため、非臨床用途に表現と運用そのものを限定する必要があります。適法性の判断は、薬機法・景表法に精通した専門家や所管の薬務課、PMDAへ必ずご確認ください。
まとめ
歯科×3Dプリンターは、作業模型・スタディモデル・実習模型・技工治具といった非臨床の領域で大きな効果を発揮します。石膏の手間を減らし、データで同じものを再現でき、教育現場では同一条件のモデルを量産できます。
一方で、クラウン・義歯・サージカルガイド・アライナー等の口腔内医療最終物は、承認・認証材料と対応機器を有資格者が使う領域であり、本記事の一般用レジンの対象外です。この線引きを守れば、非臨床の広い範囲を安心して活用できます。
機種とレジンは「型番」ではなく「スペック軸」で選ぶと、再現性が安定します。SK本舗(各メーカーの正規代理店)は、用途・設置環境からの機種・レジン選定のご相談を承ります。まずは光造形(LCD)コレクションやレジン比較表をご覧いただき、教育・検証用データは3D Data Japanからお試しください。
歯科分野での3Dプリンター導入をお考えの方へ
本記事は非臨床(作業模型・実習・技工治具)を対象にしています。歯科分野での3Dプリンター導入(機種選定・導入研修・運用サポート)については、グループ会社の株式会社デザインツールでもご案内しています。
https://ginzadesign.com/
※口腔内に使用する医療最終物(補綴物・義歯・サージカルガイド・矯正装置等)の製作は、歯科医師・歯科技工士が薬機法の承認・認証を受けた材料と対応機器で行う領域です。当店の一般用レジンは歯科用として承認・認証を受けた材料ではありません。
次の一手
用途・想定月産・設置環境を送るだけで、機種×レジンの組み合わせ提案をお返しします(非臨床=模型・実習・治具向け)。
ご利用にあたっての注意(薬機法・景品表示法に関する免責事項)
(1) 本記事で紹介する一般用レジンおよび汎用スライサー(3Dプリンター用ソフトウェア)は、歯科用として医薬品医療機器等法(薬機法)の承認・認証を受けた材料・機器ではありません。
(2) 口腔内に使用する補綴物・義歯・サージカルガイド・矯正装置等の医療最終物の製作は、歯科医師・歯科技工士が、薬機法上の承認/認証を受けた材料と、それに対応する機器を用いて行う必要があります。
(3) 本記事は非臨床用途(作業模型・実習模型・技工ワークフロー・治具・教育/研修)を対象としており、医療用途への適合や効果を保証するものではありません。
(4) 実際の運用の適法性については、薬機法・景品表示法に精通した専門家(弁護士・薬事コンサルタント・所管の薬務課・PMDA)へ必ずご確認ください。本記事は法的助言を目的としたものではありません。

