和歌山工業高等専門学校
和歌山工業高等専門学校における教育は、学習した理論を実践面に生かす柔軟な頭脳を持った技術者を育成することを目的としており、一般科目と専門科目を有機的に関連させた特色ある教育課程を編成し、少人数教育と併せてきめ細かな教育を提供しています。また、全人教育の重要性から1968(昭和43)年以降、低学年全寮制を導入しています。この寮生活によって、自治と規律の精神を学びえることが本校の特徴です。
導入先概要
環境都市工学科では、土木事業において想定される環境問題に対して事前に影響を評価することができ、環境に配慮した土木技術についての知識と思考能力を有する人材を養成することを目指しています。社会基盤施設の整備や運営のための計画、設計、施工管理、維持管理、補修・補強方法などにわたって広く学習するとともに、自学自習の能力を養い、またその方法を学びます。
<導入予定内容>
利用目的 | 利用内容 |
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都市計画系の公開講座 | 都市計画系の公開講座で使用する住宅や公共施設の縮小模型製作を予定しています。現在「ペーパークラフトでまちづくり」と題した小中学生向け公開講座において、ペーパークラフトで制作した箱状の建物模型を用いていますが壊れやすく、建物模型をペーパークラフト→3Dプリンタ品に変更することで建物形状を忠実に再現することができ、講座をより現実味あるものにできると考えています。 |
<実績内容>
利用実績 | 利用内容 |
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都市計画系の公開講座 | 公開講座で住宅模型等の作成 |
<校舎写真>
<3Dプリンターの置いてある教室の風景>
<出力作品>
住宅模型
公開講座で使用するジオラマ用の住宅模型を作成しました
車止め
3Dモデリングの練習課題として、玩具の車止め(写真左)をノギスで測定し、3Dモデル化したものを出力(写真右)しました。
実際に利用してみてのご感想
【実際に利用してみてのご感想】
◆今回の3Dプリンターの使用感についてお聞かせください。(選択式/複数回答可)
・思っていたよりも簡単にできた
◆3Dプリンターは予想通りに出力できましたか(選択式)
・想定通りだった
◆使用感についてのご意見・感想・要望
<教員の皆様の視点から>
造形物がきれいにできる,小型かつ動作音が静か,タッチパネルの操作がシンプルでわかりやすいです。造形物も(サポート材がない)表面はやすり等の仕上げなしでもきれいに仕上がります。一方,造形前準備,造形時間,造形後の水洗い処理等,FDM(積層型)と比較して全体的に時間がかかると感じました。
<学生の皆様のお声>
3Dプリンタを初めて使用しましたが,マニュアルに沿って操作をすることで予想以上に操作が容易でした。光造形は複雑な形状も再現することが可能であり,スライサーソフトも簡単に操作をすることができるため,これからも活用していきたいと思います。
◆使用するにあたって工夫した点を教えてください。
造形時のモデル角度とサポート材の位置について毎回試行錯誤しています。
◆3Dプリンター導入により何か知見に変化はございましたか。興味は広がりましたか。授業に取り入れたい/授業で学びたいですか。
<教員の皆様の視点から>
光造形方式での造形方法を手元で体験して学ぶことができ,興味が広がりました。造形時間がかかるため授業で学生が操作するのは難しいため,授業用の教材開発(模型など)に活用していきたいと考えています。
<学生の皆様のお声>
今回の寄贈により,3Dプリンタ全般に対して興味を持つきっかけになりました。今後も引き続きプリンタを利用して理解を深めていきたいと思います。
◆難しかった・満足できなかった場合に精度や使用方法などどの点でギャップがあったか、出力失敗の理由等をご教示ください。
サポート材の位置,モデル角度によって,造形物の仕上がりが大きく変わることを体験しました。今後も継続して試行錯誤していきたいと思います。
◆今回寄贈された3Dプリンターをどのように活用したか詳しく教えてください。
主に公開講座で使用する住宅模型の制作に活用しました。(現在も継続して造形しています。)また,すでに所有しているFDM方式のプリンタとの違いを学生に説明することで,それぞれの長短所を学習するきっかけにもなっております。
◆今後も3Dプリンターを使おうと思いますか(寄贈品以外でも3Dプリンターカテゴリであれば可)
・YESの場合
今後も継続して3Dプリンタを使用する予定です。特にFDMのプリンタは低価格(本体/フィラメント),手軽(後処理なし)であるため,学生教育だけでなく,治具制作にも活用しています。光造形もランニングコスト(レジンの価格,1モデルでの使用量)が下がれば同様に活用範囲が広がると感じています。
◆3Dプリンターを導入して活用できそうな教育分野(科目)についてお伺いします。どの事業や分野で使用できそうでしょうか。
中学校:技術(最新技術の紹介),高専:製図(CADで製作した図面/モデルの現物確認)
◆3Dプリンターを授業や学校で導入するのに課題になる点はどういった部分でしょうか (選択式/複数回答可)
・予算
・授業時間内での出力が難しい(造形スピード)
・公平性(台数の少なさ)
SK本舗より
授業内での使用を目的にご応募いただく学校様は多いですが、FDM機との違いを交えながら活用いただいた例は少ない印象です。
造形方法の全く異なる機械についての一長一短を、楽しみながら理解を深めていただけたようでスタッフも嬉しく思っております。
また授業利用における出力時間の問題は多数のお声を頂いており、より効率的な授業計画のご提案のためにできることは無いか、SK本舗としても模索を続け精進する所存です。
この度はご応募いただきありがとうございました。