筑波大学附属聴覚特別支援学校

 筑波大学附属聴覚特別支援学校は1875年に楽善会という組織が盲聾唖者の教育を計画したところから始まり設立されました。1885年には文部省の直轄学校となり、日本で唯一の国立の聾学校となりました。聴覚に障害がある乳幼児から高等部専攻科まで、乳幼児教育相談、幼稚部、小学部、中学部、高等部普通科(本科)及び専攻科を設置し、それぞれの発達に応じた「一貫した教育」を行っているのが特徴です。また、筑波大学の教育研究に協力する附属学校として、実践的研究の推進と発信、教育実習及び現職教育も行っています。

導入先概要

 今回導入頂いたのは筑波大学附属聴覚特別支援学校高等部専攻科の中でも歯科技工科という歯科技工士養成を目指す学科で、全国に52校ある歯科技工士養成校の中で唯一の聴覚の障害に配慮した歯科技工士養成校です。歯科技工科では、聴覚障害教育の専門性を生かした、少人数制によるきめ細やかな授業により、歯科技工の基礎知識と技術の習得ができます。
 また歯科技工士は現在、歯科用CAD/CAM設計や3Dプリンターによる出力の知識・経験が求められています。筑波大学附属聴覚特別支援学校高等部専攻科歯科技工科では、歯科用CAD/CAM設計を行っておりますがそれに加え、寄贈3Dプリンターで実際の出力も授業で取り入れて頂くこととなりました。

<導入予定内容>

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利用目的利用内容
授業高等部専攻科授業(歯科技工科:3DCGソフトでデザインしたものの出力、歯の模型のスキャンデータ出力)

<導入予定内容>

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利用実績利用内容
授業 高等部専攻科授業(歯科技工科:3DCGソフトでデザインしたものの出力、歯の模型のスキャンデータ出力)

筑波大学附属聴覚特別支援学校校舎風景

歯科技工科教室風景

<出力作品>

小児義歯製作実習用人工歯

人工歯①(乳歯・小児義歯実習用)


人工歯②(乳歯・小児義歯実習用)

※実際の治療として3Dプリンターを使用する場合には医療機器として認可された機械・材料である必要があります。SK本舗の3Dプリンター・レジンは医療機器として認可されておりませんので、今回は実際の治療目的ではなく、あくまでも実習目的で出力頂いたものです。

実際に利用してみてのご感想

◆今回の3Dプリンターの使用感についてお聞かせください。(選択式/複数回答可)
満足

◆3Dプリンターは予想通りに出力できましたか。(選択式)
想定通りだった

 ◆使用感についてのご意見・感想・要望を教えてください。
<教員の皆様の視点から>
御社の水洗いレジンと歯科技工用のレジンとでは使用感の違いがありましたが、想定していたことなので特に問題はありませんでした。

 ◆使用するにあたって工夫した点を教えてください。
モデリング時にサイズをしっかり設定してから出力しました。

◆3Dプリンター導入により何か知見に変化はございましたか。興味は広がりましたか。授業に取り入れたい/学びたいですか。
<教員の皆様の視点から>
より具体的に考えることができるようになり、興味が深まりました。

◆難しかった・満足できなかった場合に精度や使用方法などどの点でギャップがあったか、出力失敗の理由等をご教示ください。
<出力について>
実際にプリントしてみると、鋭角的な縁や溝の部分がモニターで見ていたより少し丸くなったので、3Dデータを修正して、再度プリントしました。

◆今後も3Dプリンターを使おうと思いますか。(寄贈品以外でも3Dプリンターカテゴリであれば可)
歯科技工では3Dプリンターの知識が必要になってきましたので、使うだけでなく機構の理解も含めて教育に活用したいと思います。また、幼稚部や小学部の幼児児童が楽しめるものや、中学部・高等部生徒への利用も広げたいと考えています。

◆3Dプリンターを導入して活用できそうな教育分野(科目)についてお伺いします。どの授業や分野で使用できそうでしょうか。
特別支援教育においては、特に視覚障害教育での利用が報告されています。他にも肢体不自由の方に役立つ自助具なども作られていますので、福祉教育での利用も考えられるのではないでしょうか。

◆3Dプリンターを授業や学校で導入するのに課題になる点はどういった部分でしょうか。(選択式/複数回答可)
予算、教職員側の知識
<コメント>
本校歯科技工科の場合は、歯科技工で3Dプリンターが利用されるようになり、3Dプリンターの知識と経験の必要性から授業での活用を積極的に考えるようになりましたが、そのような必要性がなければ、授業への導入はしにくいかもしれません。クラブ活動としてはいいと思います。

◆その他ご感想  
 このたびの3Dプリンターご寄贈につきまして、心より感謝いたします。
 これまでも3D造形について授業を行い、3Dプリンターについても教えていましたが、実際に機器があることで生徒が体験でき、理解をより深めることができると思います。
 今後は歯科技工科だけでなく、他の学科や幼・小・中、高等部にも利用を広げたいと思います。

SK本舗より

 歯科技工士養成校にてCAD/CAMの指導はあるものの、実際に3Dプリンターで出力するまでを経験できない場合があるというお話は弊社でも伺ったことがございます。歯科技工士へ羽ばたいていく生徒の皆さまに、寄贈プリンターにて機体だけでなく経験も一緒に贈ることができましたこと、大変嬉しく思います。
 この度はご応募頂き誠に有難うございました。