関西大学初等部
関西大学初等部は、「自ら考える力」の育成を教育の柱に、総合学習を中心に「世界とつながる力」を大きく育て、様々な教科で「確かな学力」の形成を目指しています。同時に、人を思いやることの大切さや、社会を生きるためのルール・礼儀などを学び、人としての基盤となる人間性や感性を育てていくことも大切に考えています。
また関西大学は「学の実化」を教育理念としています。これは学理と実際の調和を図る―学んだことを実際の生活や生き方に活かす―ことを目指すものです。関西大学初等部・中等部・高等部においても、この教育理念を基本として12年間の一貫教育を同一キャンパスで実践し、高い倫理観と品格を持った、たくましく、しなやかな「高い人間力」のある人材の育成を目指しています。
導入先概要
今回活用いただいたのは総合の授業です。市役所から白状や点字ブロックを借りて福祉について理解を深め、そこからユニバーサルデザインの視点を取り入れた新しいものの考案に挑戦しました。障がいのある方からの意見を取り入れつつ、新しいものの試作品づくりに3Dプリンターを使用いただきました。
<導入予定内容>
利用目的 | 利用内容 |
---|---|
授業(総合) | 「みんなにとって暮らしやすい町~未来の地球を考える~」という授業において考案するユニバーサルデザインの試作品の出力 |
<導入予定内容>
利用実績 | 利用内容 |
---|---|
授業(総合) | 「みんなにとって暮らしやすい町~未来の地球を考える~」という授業において考案するユニバーサルデザインの試作品の出力 |
<校舎写真>
<3Dプリンタ-の置いてある教室の風景>
<出力作品>
(児童の考案したユニバーサルデザインの試作品)
実際に利用してみてのご感想
【実際に利用してみてのご感想】
◆今回寄贈された3Dプリンターをどのように活用したか詳しく教えてください。
4年生の総合の授業で福祉の学習を進めていく中で、今回はユニバーサルデザインについての学びを深めた。児童は「みんなにとって使いやすいもの」とはどのようなものなのかを考え、学習の後半では既存のものにユニバーサルデザインの視点を取り入れた新しいものを自分たちで考案していった。より良いものとなるようにグループで話し合いながら試行錯誤を繰り返し、考えた新しいものを実際に3Dプリンターで出力した。単元の終わりには、発表会として障がいのある方や市役所(都市づくり推進課)の方に手に取っていただきながら児童の提案を聞いていただいた。発表会に参加いただいた方々からは、「柔軟な発想の驚きと思いやりや優しさに触れての感動の連続だった」「想像以上に楽しく勉強になる機会だった」「このような取り組みが障がい理解につながると思う。障がいのあるなしに関わらず、お互いが気遣いできる風潮が共生社会への一歩となれば…」「この出力物が実際に販売されていたら便利なのにな」などのお言葉をいただいた。
◆今回の3Dプリンターの使用感についてお聞かせください。(選択式/複数回答可)
・満足
・今後も意欲的に使用したい
・生徒学生たちが興味をひかれていた
◆3Dプリンターは予想通りに出力できましたか(選択式)
・イメージよりよかった
◆使用感についてのご意見・感想・要望
<教員の皆様の視点から>
今回の授業では、ユニバーサルデザインの視点を取り入れた『ものづくり』として学習を進めていった。その中で、福祉への理解を深めることを目標として取り組んだ。ものを作り上げることを目的とせずに活動を進めたが、出力物を見て「こうした方がいいな」などさらにいいものになるように工夫しようとする姿が見られ、より考えが深まったように感じる。
<学生の皆様のお声>
3Dプリンターでいろいろ作ったり、話し合ったりして楽しく活動することができた。また、実物を見てさらに改善することもできて納得のいくものを作り上げることができた。思っていたよりもしっかりとした形で出てきたので嬉しかった。
◆使用するにあたって工夫した点を教えてください。
発達段階を鑑み、スライサーソフトの活用時や3Dプリンターの活用時、出力物を取る時などは、指導者も一緒に入り、児童と活動した。年齢を問わず、活用できるような仕組みであればより充実したものになると感じる。
◆3Dプリンター導入により何か知見に変化はございましたか。興味は広がりましたか。授業に取り入れたい/授業で学びたいですか。
<教員の皆様の視点から>
今回の授業では、ユニバーサルデザインの視点を取り入れた『ものづくり』として学習を進めていった。その中で、福祉への理解を深めることを目標として取り組んだ。ものを作り上げることを目的とせずに活動を進めたが、出力物を見て「こうした方がいいな」などさらにいいものになるように工夫しようとする姿が見られ、より考えが深まったように感じる。
<学生の皆様のお声>
難しかったけれどTinkercadを使ったことで、図形をどのように組み合わせばいいかなどがわかり、とても楽しかった。サイズ感を調整することが難しかったので試行錯誤しながら取り組んだ。よりグループでたくさん話し合い、協力しながらできたと思う。
◆難しかった・満足できなかった場合に精度や使用方法などどの点でギャップがあったか、出力失敗の理由等をご教示ください。
出力時間を短縮できればさらに使いやすくなると感じた。(他グループの完成を児童に待ってもらうことが多々あったため。)
◆今後も3Dプリンターを使おうと思いますか(寄贈品以外でも3Dプリンターカテゴリであれば可)
これからも活用していきたい。児童の発想を形にできることはとても良いことであり、興味や関心を惹く題材になると感じる。今回はグループでの活動にて授業を進めていったが、今後は一人ひとりが出力していけるような授業デザインにも取り組んでいきたい。(各教科の単元でのつながりを意識しながら取り組むことのできる活動)
◆3Dプリンターを導入して活用できそうな教育分野(科目)についてお伺いします。どの事業や分野で使用できそうでしょうか。
総合的な学習の時間、算数(図形領域)、図画工作、クラブ活動
◆3Dプリンターを授業や学校で導入するのに課題になる点はどういった部分でしょうか (選択式/複数回答可)
・予算
・授業時間内での出力が難しい(造形スピード)
・教職員側の知識
・安全面
<コメント>
水洗いレジンの処理も難しい。(水道で洗い流してはいけない。使用済みの缶を処理するために問い合わせが必要など)
◆その他ご感想
今回、貴社にお願いしたことで児童の願いも叶い、感謝の気持ちでいっぱいです。また、発表会にも参加いただき、児童もとても喜んでおりました。ありがとうございました。貴社の取り組みに感銘を受けております。先日、本校の研究発表会にて他校の先生方に紹介させていただきました。水洗いレジンの予算について少し気にされている学校さんもありましたが、興味を持っている先生方もたくさんおられました。実際に児童が作ったものを展示させていただき、「すごい」とお話しされている先生方もいました。何かご協力できることがありましたらぜひお声がけください。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
SK本舗より
3Dプリンターをご活用いただいた授業の発表会に弊社も招待いただきました。実際に3Dプリンターで試作品を作ってみて終わりではなく、試作品を作ってから「本当にこれで使いやすいのか?」「目の見えない方向けの人に作ったけど目が見える人には使いにくくないか?」など試作品に満足せず、更により良いものを作ろうと試行錯誤する姿勢が発表会から伝わり実際の製品開発のような発表会で驚きました。まさに実際に企業で行われている3Dプリンターの活用方法そのものでした。生徒の皆様が実物を作ってみて悩み、よく考えたことが伝わる発表会でした。このように実際に導入いただいた学校、生徒の皆様に活用の現場を見せていただく機会は初めてだったので弊社としても大変貴重な機会となりました。有難うございました。
今後も是非3Dプリンターを活用いただけると幸いです。この度は本企画にご応募いただき有難うございました!