Q. 3Dスキャナーとは?仕組み・方式の違いは?
A. 物体の形状を点群データとして数値化する装置です。主要方式は「構造化光・LiDAR(ToF)・フォトグラメトリ」の3つで、精度・速度・対応サイズが大きく異なります。
最終更新: 2026-05-16|SK本舗(Revopoint / Shining3D 正規代理店)確認済み
3Dスキャナーとは|実物を3Dデータに変える装置
3Dスキャナーとは、実在する物体の表面形状を計測し、点群(Point Cloud)またはメッシュ(STL/OBJなど)として3Dデータ化する装置です。一般的な写真やCT画像が「平面」または「内部断面」を記録するのに対し、3Dスキャナーは物体の外形を立体座標として記録します。
記録された3Dデータは、用途に応じて次のような形で活用されます。
- 3Dプリント:壊れた部品を複製・現物合わせのカスタムパーツ作成
- リバースエンジニアリング:図面のない既製品をCADデータ化
- デジタルアーカイブ:文化財・工芸品・人物造形の記録保存
- ゲーム・映像制作:実物のキャラクター/小道具を3DCG化
- 研究・解析:寸法計測・変形解析・品質検査
Structured Light
- 精度傾向
- 高精度寄り(点間距離 0.05mm 級〜)SK本舗主力
- 速度
- リアルタイム(数十〜90fps)
- 対応サイズ
- 数cm〜数m(機種依存)
- 価格帯
- ¥8万〜¥300万
- 屋外耐性
- 弱い強光要注意
- 苦手な素材
- 透明・黒・鏡面(スプレー対策可)
- 精度傾向
- 数mm〜数十mm(用途次第)
- 速度
- 広範囲を高速取得広域最速
- 対応サイズ
- 数十cm〜数km
- 価格帯
- スマホ(無料)〜業務用数百万
- 屋外耐性
- 高い
- 苦手な素材
- 細かい凹凸・小型物体
Photogrammetry
- 精度傾向
- 撮影スキル依存(数mm〜数cm)
- 速度
- 撮影+解析で数時間〜
- 対応サイズ
- 数十cm〜建物大
- 価格帯
- カメラ実費(ソフト無料〜)最低コスト
- 屋外耐性
- 高い(太陽光下でも可)
- 苦手な素材
- 無地・単色・反射素材
3Dスキャナーの主要3方式|構造化光・LiDAR・フォトグラメトリの仕組み
それぞれ物理原理が異なり、得意な対象・必要な機材も変わります。
1. 構造化光方式(Structured Light)
仕組み:プロジェクターから格子状・縞状・ドット状などのパターン光を物体に投影し、その歪み方をカメラで撮影します。歪んだパターンを三角測量の原理で解析し、各点の立体座標を算出します(参考:Structured-light 3D scanner - Wikipedia、取得日2026-05-16)。
使用する光源は機種により異なり、可視光(白色LED)・青色LED・赤外線(IR)・青色レーザーなどがあります。最近の据置き型ハンドヘルドではVCSEL(垂直共振器面発光レーザー)を採用した赤外線方式が増えており、人体スキャンや明環境での安定性に強みがあります。
SK本舗で扱う構造化光方式の主な機種:
- Revopoint Range 2:赤外線(クラス1 IR)構造化光・デュアル深度カメラ
- Revopoint INSPIRE 2:赤外線レーザー + 構造化光ハイブリッド
- EinScan H2:LED構造化光 + 赤外線VCSELハイブリッド
- Einstar Rockit:青色レーザー + 赤外線VCSELハイブリッド
- Einstar Vega:赤外線MEMS HD + 赤外線VCSELデュアル光源
2. LiDAR(ToF:Time of Flight)方式
仕組み:レーザーパルスを発射し、物体に当たって戻ってくるまでの飛行時間(Time of Flight)を測定して距離を算出します。1秒間に数百万回パルスを発射しながらスキャナーを動かすことで、空間全体を点群として記録します(参考:Time-of-flight camera - Wikipedia、取得日2026-05-16)。
iPhone Pro / iPad Proに搭載されている「LiDARスキャナ」も同じ原理で、無料アプリ(Polycam、Scaniverseなど)と組み合わせて簡易的な3Dスキャンが可能です。ただし、専用機との精度差は大きく、用途は限定されます。
得意領域:
- 建築・室内空間・大型構造物の計測(測量グレードで数百メートル~数km)
- 屋外・遠距離の地形マッピング(ドローン搭載LiDAR)
- 自動運転車・ロボットの環境認識
SK本舗での取扱状況:SK本舗が扱う3Dスキャナーは主に構造化光方式の小型~中型機が中心です。建築・大規模空間用の業務用LiDARスキャナ(FARO、Leicaなど)は扱っていません。
3. フォトグラメトリ方式(Photogrammetry)
仕組み:専用機材ではなく、一般的なデジタルカメラ・スマートフォンで物体を多数の角度から撮影し、画像処理ソフトで写真同士の共通点(特徴点)を解析して3D形状を復元します。基盤技術はSfM(Structure from Motion)と呼ばれ、SIFT・ORBなどのアルゴリズムで特徴点を検出・マッチングします(参考:What is photogrammetry? - Artec 3D、取得日2026-05-16)。
撮影には60~80%の画像オーバーラップが推奨され、被写体を一周しながら30~200枚程度を撮影するのが一般的です。代表的なソフトはRealityCapture、Metashape、Meshroom(無料)など。
得意領域:
- 大型物体・建物外観・遺跡など、構造化光が届かない対象
- テクスチャ(色情報)が重要なゲーム・映像用アセット制作
- 機材コストを抑えたい初学者・学生
注意点:精度は撮影者のスキル・光環境・カメラ性能に大きく依存します。表面が均一(無地のプラスチック、金属)な物体は特徴点が取れず失敗しやすいため、専用機の置き換えにはなりません。
定義:スキャン結果が「真の形状」からどれだけ近いか。
スキャン全体の絶対的な正確さ。
例(公表あり):
- EinScan H2:精度値公表あり(詳細はメーカー公式仕様書を参照)
- Revopoint各機種:Single-frame Accuracy として個別公表
定義:隣り合う点群ポイント同士の間隔。
細かさ・密度を表す指標。精度とは独立。
例:
- Einstar Rockit:仕様書記載の点間距離(公表値)
- 点間距離が小さい=密な点群 ≠ 高い精度
Revopoint 製品は仕様書上 3 指標を区別して掲載しています。
- Single-frame Accuracy:1フレームの絶対精度
- Precision(再現性):繰り返しスキャンの安定性
- Point Distance(点間距離):解像度
3方式の長所・短所比較
3Dスキャナーを選ぶ際は、「何を・どのくらいの精度で・どんな環境で」スキャンするかを起点に方式を絞り込みます。
| 項目 | 構造化光方式 | LiDAR(ToF)方式 | フォトグラメトリ方式 |
|---|---|---|---|
| 精度(参考値・機種による) | ◎ 0.02~0.1mm(点間距離目安・精度は機種により非公表の場合あり) | ○ 数mm~数十mm(用途次第) | △ 撮影スキル依存(数mm~数cm) |
| 速度 | ○ リアルタイム(数十~90fps) | ◎ 広範囲を高速取得 | △ 撮影+解析で数時間~ |
| 対応サイズ | 数cm~数m | 数十cm~数km | 数十cm~建物大 |
| コスト | ¥8万~¥300万(個人~業務用) | スマホ無料~業務用数百万 | カメラ実費(ソフト無料~) |
| 屋外利用 | △ 強い太陽光で精度低下 | ◎ 屋外に強い | ◎ 太陽光下でも可 |
| 苦手な対象 | 透明・黒・鏡面(スプレー併用で改善) | 細かい凹凸・小型物体 | 無地・単色・反射素材 |
| 機動性 | ○ ハンドヘルド多数 | △ 据置き型が中心 | ◎ カメラ1台で可 |
※精度・コストは2026-05-16時点のSK本舗取扱機種および一般市場価格を参考にした目安です。実際の値はメーカー公式仕様をご確認ください。Einstar系3機種(Einstar 2 / VEGA / Rockit)は精度(accuracy)を公式非公表。表中の数値は点間距離(resolution)を含む目安です。
使用シーン別おすすめ方式
「どの方式を選ぶか」は、対象物のサイズ・必要精度・予算の3つで決まります。具体的なシーンごとの推奨方式を示します。
SK本舗取扱スキャナーが採用する方式と機種別の特徴
SK本舗では構造化光方式の小型~中型ハンドヘルドスキャナーを中心に取り扱っています。価格帯・対応サイズ・光源タイプ別の主要機種は以下のとおりです。
| 機種 | 採用方式 | 対象サイズ | 主な用途 |
|---|---|---|---|
| Revopoint MINI 2 | 青色LED構造化光 | 数cm~20cm(小物特化) | フィギュア・小型部品 |
| Revopoint POP 3 | 赤外線構造化光 | 5cm~2m(汎用) | ホビー・人物・中型物体 |
| Revopoint INSPIRE 2 | 赤外線レーザー + 構造化光 | 数cm~1.5m(高精度寄り) | 入門~中級リバースエンジニアリング |
| Revopoint MIRACO Plus | 赤外線構造化光(オールインワン) | 数cm~2m | スタンドアロン・人物・中型 |
| Revopoint Range 2 | 赤外線構造化光(広視野) | 人物~家具・車(数m) | 大型物体・全身スキャン |
| Einstar 2 | 赤外線構造化光 | 数十cm~1.5m | 入門~中級汎用 |
| Einstar Rockit | 青色レーザー + 赤外線VCSELハイブリッド | 数cm~1m(高精度寄り) | ポケットサイズ・ワイヤレス |
| Einstar Vega | 赤外線MEMS HD + 赤外線VCSEL | 数十cm~2m | 中型物体・人物 |
| EinScan H2 | LED構造化光 + 赤外線VCSELハイブリッド | 数cm~4m | プロ用人体・芸術・医療 |
| Revopoint Trackit | 光学トラッキング + 構造化光 | 大型部品~車体 | 工業計測・大物リバースエンジニアリング |
※方式分類は各メーカー公式仕様書をもとに2026-05-16時点で確認したものです。価格・在庫状況は商品ページをご確認ください。
SK本舗で3Dスキャナーを見る
3Dスキャナー商品一覧方式選びの結論|まずは「対象物の大きさ」から
3Dスキャナーの方式選びで迷ったら、次の順序で絞り込むのが実用的です。
- 対象物の最大サイズを確認:30cm以下なら構造化光(テーブルトップ型)、1m以上なら構造化光(広視野ハンドヘルド)またはLiDAR、建物単位ならフォトグラメトリ/LiDAR
- 必要精度を判定:±1mm以上なら構造化光必須、±数cmで足りるならフォトグラメトリやスマホLiDARでも可能
- スキャン環境を確認:屋内ならどの方式でもOK、屋外・強い太陽光下なら構造化光は不利
- 予算と用途のバランスを取る:個人/ホビーなら¥8~15万円台、業務用なら¥30万円~
具体的な機種選定は、用途別ガイドや機種別比較記事も合わせてご確認ください。機種選びのご相談は、お問い合わせフォーム(/pages/contact)からお気軽にどうぞ。
本記事の確認体制:SK本舗(Revopoint / Shining3D 正規代理店)が メーカー公式仕様・公開技術資料をもとに確認しています。
最終更新:2026-05-16
一次ソース取得日:2026-05-16(SHINING 3D EinScan H2 公式 / Revopoint RANGE 2 公式 / Einstar Rockit 公式 / Wikipedia: Structured-light 3D scanner / Wikipedia: Time-of-flight camera)
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