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3Dプリンターで340平方メートルの家をたった24時間で出力──建築業界を革新する最先端技術

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3Dプリンターで340平方メートルの家をたった24時間で出力──建築業界を革新する最先端技術

 

「家」を3Dプリンターで作るのが当たり前の時代に

 

3Dプリンターによる「建築」は、ここ数年、進歩の一途にある。たとえばSK本舗メディアにおいても、2020年1月にはメキシコの貧困農村地帯における、簡易住居の3Dプリントの試みを取り上げた。

 

 

メキシコの農村に3Dプリンターの住宅街が誕生!? 人類と住宅の「新しい物語」とは?

 

 

詳しくは記事に譲るが、この試みでは様々な事情から適切な住居を持たない人たちに向けて、3Dプリント仮設住宅の建築が取り組まれることになった。手がけたのはカリフォルニアの「ニューストーリー」という非営利団体で、その建築が仮設住宅というには非常に立派なものでもあったことからも大きく話題になった。

 

 

(画像引用)New Story

 

 

さらに驚くべきは仮設住宅の価格である。当時、想定されていた価格はなんと40万円~70万円。まさに3Dプリント建築ゆえの低費用建築だからこその価格であり、今後、様々な住居問題、ひいては貧困問題を解決しうるポテンシャルを示していた。


また同記事では「ニューストーリー」の試みの他に、イタリアにおける地産地消型の3Dプリント住宅「ライスハウス」なども紹介した。

 

 

(画像引用)GAIA

 

 

あるいは、他の記事においては、コロナ禍における中国の隔離病棟の3Dプリントや、土に還るリサイクル可能な素材を用いて3Dプリントされたニューヨーク北部の宿泊施設「Tera」なども、これまで紹介してきている。

 

 

中国の湖北省武漢市に隣接する咸寧(かんねい)市の病院で導入された新型コロナウイルスに感染した患者の隔離用3Dプリント病棟

 

 

 

 

 

 

このように活況を呈している3Dプリント住宅(建築)の世界だが、今回もそこに関連して新しいニュースをお届けしたい。

 

 

340平方メートルの建築空間を24時間で3Dプリント

 

取り上げるのはオークランドに本拠を置くマイティ・ビルディング。ニューストーリーとは異なり、営利企業として、審美的に素晴らしく、サステナブルで、かつリーズナブルな住宅の3Dプリント建設を行なっているスタートアップだ。

 

 

 

 

 

 

マイティ・ビルディングの注目すべき点は建設業界の労働環境を更新することを意識的に目指し、提言しているところだろう。具体的には「労働時間を95%削減し、廃棄物は10分の1、スピードは2倍」で行うことが3Dプリント建設においては可能だとしている。実際、ワンルームであれば、340平方メートルの建築空間を24時間で3Dプリント可能だそうだ。


いくら3Dプリント建築はすごいと言ってもそこまでの建設スピードがなぜ可能なのか。マイティ・ビルティングは3Dプリントとプレハブを組み合わせることでそれを可能にしているらしい。現在のコンクリートと金属に依存した住宅建設を離れ、新たな複合材料(硬化速度の非常に早い)を用いた建設を行なっていることが、この速度の秘訣とされている。
 

 

 

 

 

 

もちろん、従来の素材を用いた3Dプリント建築の方も進展している。2021年2月の上旬には、アメリカはニューヨーク州で3Dプリンターによって建築された家屋が売りに出されたというCNNの報道があったが、こちらは従来のコンクリート製。手がけたのは、3Dプリント建築を行う企業SQ4Dで、マイティビルディングのようなスピードこそないものの、従来の建築費の約50%、10倍の速さで家屋を建築している。

 

 

SQ4D Inc.

 

 

ちなみに、今回売りに出されたのは、約130平方メートルで、2.5台分のガレージ付きの一軒家。価格は3100万円。相場からすれば格安であり、あとは住み心地のレポートが待たれるばかりだ。

 

 

3Dプリンターで学校を建設

 

もはや、3Dプリンターで家を作ることそれ自体ではニュースにもならない、そんな時代に突入していることがお分かりいただけたと思うが、最後に3Dプリント建築技術の利用方法として、素晴らしい事例を一つ紹介したい。


舞台はアフリカ、マダガスカル島。いまだ子供達が初等教育にアクセスすることが「当たり前」ではないこの地域に、アメリカの非営利団体「Thinking Huts」が3Dプリンターで学校を建てるという取り組みを始めているのだ。

 

 

教育へのアクセス拡大を。3Dプリンターでつくる学校、マダガスカルに誕生

 

 

世界初となる3Dプリンター製の学校は、マダガスカルの景観に寄り添う「蜂の巣」をイメージした建築デザインとなっている。一つ一つがモジュールのようになっており、単体でも機能するし、子供の数に応じて複数個をつなげていくことも可能らしい。さらには小屋の外壁には垂直農園が組み込んでいくようで、屋根には太陽光パネルまで設置されている。

 

 

(画像引用)Thinking huts

 

 


3Dプリンターを用いれば、1週間もかけずにこの学校は建てることができるとのことで、現地における建設業の人手不足も問題にならない。さらに素材は全て地元で調達できる。いわゆる地域完結型である。


今回、設計を担った建築家のアミル・モルタザヴィ氏のコメントも素晴らしかった。「他の国でも地元の技術者に3Dプリンターの使い方を教え、学校を建設していくことができる」。要するに、どんどん模倣して世界に広めてくれ、というわけだ。

 

 

 

 

 

 

格差の解消は簡単ではない。教育機会の均等が結果の不平等を「自己責任」の名の下に誤魔化すための言い訳に用いられてしまう酷薄な現代社会においては、学校を作ればそれでいいという話でもないのは確かだ。


とはいえ、3Dプリント技術が、今、具体的に生じている「不足」を解決し、人々に役立っているのであれば、それは素直に喜ぶべきことだろう。住宅を始めとする建築物は人々の暮らしの基礎である。解決不可能な人口問題と資源問題に直面する現代、ますます3Dプリント建築技術が重要性を増していくだろうことは間違いないはずだ。

 

 

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