2023年、カセットテープを使った3Dプリントネックレスが流行する?
再ブーム中のカセットテープを斜めから楽しむ
数年前よりカセットテープの人気が急上昇している。
音楽記録媒体としてリアルタイムでカセットテープを経験している世代はいまや30代中盤世代以上。あるいはCDやMDにさえ触れたことがないという人も、今時なら多いのではないだろうか。
とはいえ、古いものには古いものの良さがある。いかにサブスクでのストリーミングが主流になった現在でも、レコードにこだわり続けているマニアはいるし、実際にレコードにしか出せない音色もある。
カセットテープも同様だろう。なんといってもカセットテープの魅力はそのアナログさゆえの「がさついた」音にある。世代の人なら共感してくれると思うが、様々なアナログ媒体の中でもカセットテープはとりわけ音の経時劣化が激しい。特に安物のカセットテープの場合、よほど丁寧に保管しない限り、すぐに音質が悪くなってしまう。ただ、あの独特に間延びした音が今となってみれば妙にノスタルジーを誘うのもまた事実。そうした懐古趣味と、単純にレトロな好奇心もあって、いま、国内外を問わず、若者も巻き込む形でカセットテープに注目が集まっているというわけだ。
さて、今回はそんなカセットテープを、音楽記録媒体として以外の形で楽しむある方法を紹介したい。もちろん、その際に使用するのは3Dプリンターだ。
Thingiverseに投稿されたアイディアグッズ
カセットテープの再人気を駆動している大きな要素は、そのビジュアルの「可愛さ」にある。とはいえ、カセットテープは基本的に他人に見せびらかすものではなく個人的に使用するものだ。すると、せっかく「可愛さ」に惹かれてカセットテープを入手しても、ひっそり愛でるくらいしか楽しみようがないということになってしまう。
そんな思いからあるガジェットを3Dプリントした人がいる。Thingiverseのアカウント名「rainbowdefault」氏だ。
氏がThingiverseに投稿したデータ、それはカセットテープをネックレスのヘッドとして身につけるためのアダプターだった。
https://www.thingiverse.com/thing:5736778
カセットテープは構造上、そのリールにチェーンを通すだけでテープがあちこちに巻き出されてしまう。これではネックレスにならない。そこで氏はカセットテープの二つのリールに挿入して所定の位置に保持するプラスチック製のデバイスを作成した。そしてキャップを反対側からねじ込み、デバイスをカセットテープに固定。このデバイスにネックレスチェーンを通せば、レトロで可愛いアクセサリーが完成するというわけだ。
https://www.thingiverse.com/thing:5736778
実にシンプルだが、氏によれば重要なポイントはサイズを間違えないということ(間違えるとカセットリールが回転してしまう)。データは標準設計のカセットテープに合わせて作成されているとのことなので、かつて市販されていたほとんどのカセットで使用できるとのことだ。
注意点としてプレミア価値のついてるような貴重なカセットテープでは使用しないほうがいいだろう。ネックレスとして首にかけておけば、転んだり人とぶつかったりした際に破損してしまう可能性がある。そこだけはご留意を。
https://www.thingiverse.com/thing:5736778
「聴かせたい曲があるんだ」と胸元のネックレスからテープを取り外す姿が、果たしてかっこいいものかどうかは分からないが、こうしたユーモアのある3Dプリンターの活用は実に微笑ましい。あるいはどこかのインフルエンサーが身につけたりすれば結構流行るかもしれない。
もし自宅にちょうどいいカセットテープがあるぞという方、年末年始のちょっとした手遊びに試してみてはいかがだろうか?