3Dプリントファッション界の鬼才アヌーク・ウィプレヒトが仕掛ける没入型ダイニング体験「Journey360」

3Dプリントファッション界の鬼才アヌーク・ウィプレヒトが仕掛ける没入型ダイニング体験「Journey360」

 

あの「スパイダードレス」で知られるアヌークが仕掛ける未来空間

 

以前、本欄で紹介したアヌーク・ウィプレヒトという人物をご記憶だろうか。

アヌークはオランダ出身のファッションデザイナー。その近未来的で独創性の高いデザインによって3Dプリントファッション業界のみならずファッションシーンそのもにも大きなインパクトを生み出し続けている。

たとえば、彼女の代表作の一つである「メテオドレス」。

 

 



LEDライトが無数にあしらわれた、映画『フィフス・エレメント』の世界を彷彿させるようなSF的デザインに目を奪われるが、驚くべきはその発光のシステムだ。なんでも実際の流星データのサンプリングを通じ、流星が大気圏にぶつかって、地球の夜空で大気を燃やすたびに、空で観察されたものと同じ速度と明るさで光を発する仕組みになっているという。そう、これは夜空と共鳴するドレスなのだ。

 

隕石が落下するたびに点灯する3Dプリントドレス「メテオドレス」がすごい——オランダの新鋭デザイナーであるアヌーク・ウィプレヒトのSF世界
https://skhonpo.com/blogs/blog/meteo?_pos=3&_sid=84be6c09f&_ss=r&fpc=2.1.365.596066bca8c8032d.1688992280000


あるいは彼女の作品で最も有名なものとしては「スパイダードレス」が挙げられるだろう。

 

 



このドレスの特徴はドレスに取り付けられたセンサーと可動アームにある。このセンサーは着用者の呼吸リズムを感知する仕組みとなっている。着用者が恐れを感じたり不安を感じたりして呼吸リズムが変容すると可動アームに信号が送られ、それらがまるで着用者を守るように大きく広がりプライヴェートエリアの境界設定を行なってくれるのだ。男女平等の機運が高まる今日らしい、実にアクチュアルなデザインだろう。

 

ニューヨークを舞台とする、今までになかった「没入型ダイニング体験」プログラムが誕生

 

さて、そんな奇想天外で前衛的な3Dプリントファッション作品を続々と発表し続けているアヌーク・ウィプレヒトが、この度、またしても世間を驚かすような企画を始動させている。

その名も「Journey360」。ニューヨークを舞台とする、今までになかった「没入型ダイニング体験」プログラムだ。

 

 



会場となるのはニューヨークのチェルシー地区に昨年末にオープンしたレストラン「friend & family」。この会場でレストラン×没入型体験×ファッション×ロボット工学×プロジェクション×アートと多ジャンルに跨がる壮大なプログラムが展開される。

 

 

Anouk Wipprecht

 

アヌークが今回主に手がけたのは、会場でパフォーマンスを行うブロードウェーのパフォーマー達が着用する衣装制作だ。アヌークは今回の衣装をニューヨークのShapewaysと提携し、熱可塑性ポリウレタン (TPU) とポリアミド 11 (PA-11/ナイロン 11) の両方を素材として3Dプリントした。用いたのはMJF3Dプリンター。TPU素材をMJF3Dプリンターで出力することで、ゴムのような柔軟性と、衝撃への耐久性が担保されるのだという。

 

 



インスタグラムにアップされた動画を見る限りでも、その空間は「すごい」の一言。少なくとも、それがかつてなかった「食の体験」であることは間違いないように思う。ニューヨークに向かわれる機会がある方は是非とも、テクノロジーとアートとグルメの三つ巴からなる「Journey360」を現場で体験してみてほしい。