あのYo-Yo Maも絶賛!カーボン×3Dプリントで生まれた新世代チェロ
木材ではなく3Dプリンターでチェロを作ったら?
そんな挑戦が現実となり、世界的チェリストも絶賛する新しいチェロが誕生しました。この3Dプリント製チェロを開発したのは、米国のスタートアップ企業Forte3Dの共同創業者、アルフレッド・グッドリッチさんとイライジャ・リーさんです。
パーツの大部分を3Dプリンターで成形
この革新的なチェロは、カーボンファイバーとポリマー素材を組み合わせて作られています。表板と裏板には平らなカーボンファイバーパネルを使用し、側板やネック、渦巻き部分は3Dプリンターで成形。さらに音響品質を保つため、魂柱や指板、駒といった従来の木製パーツもそのまま残されています。

そもそもの始まりは、グッドリッチさんが高校のオーケストラ指導者としてリーさんを教えていたことから。指導の一環として、3Dプリンターで楽器を作ってみようと声をかけたのがきっかけでした。
木製チェロは高価(通常5千ドル以上)で壊れやすく、温度や湿度にも敏感。こうした課題をテクノロジーで乗り越えようと、彼らは自宅に特注の大型3Dプリンターを設置し、数百回に及ぶ試作を重ねてきたそうです。
アメリカの人気投資番組で出資を獲得
そしてついに、6年の歳月を経て完成したForte3Dのチェロは、アメリカの人気投資番組『シャーク・タンク』に登場。番組内で見事25万ドルの出資を獲得しました。このチェロの音色とデザインは、あのYo-Yo Ma氏やザ・ピアノ・ガイズといった著名音楽家たちからも高評価を受けているそうです。
現在、Forte3Dはチェロだけでなく、バイオリンやビオラの3Dプリント楽器も展開中。特に、予算の限られた学校や音楽を学ぶ子どもたちにも届くよう、手頃で壊れにくい楽器の提供を目指しています。
理念は「音楽は誰でも楽しめるべき」。3Dプリンターが音楽の新時代を切り開く一助となるなら幸いです。
