将来最も有望な3Dプリント方式はDLP方式?|その特徴とおすすめ機種
将来的に最も期待されているDLP方式とは?
一般向けに展開されている3Dプリンターにおいて、液体レジンを紫外線を照射することでオブジェクトの形状に硬化する光造形方式は、先行して人気を博していた熱溶解積層方式と並んで、すでに大主流となっている。
この光造形方式、実は主に四つのタイプに分けられている。SLA方式、DLP方式、LCD方式、インクジェット方式の四つだ。
中でも現在、将来的に最も期待されている方式といえば、DLP方式だろう。
そもそもDLP方式(正式名称:デジタルライトプロセッシング)とはどのような方式だろうか。
その特徴は、紫外線をSLAのように点状にではなく面状に当てるというところにある。そのため、DLPはSLAと比較して造形スピードが速い。一方で造形範囲が広くなればなるほど解像度が粗くなったり、歪みが出たりしやすいとも言われてきたが、これは技術進歩により改善されてきており、現在はDLPこそが解像度、精度において最も高いという分析もなされている。また、速度に関しては従来、インクジェット方式には敵わないとされてきたものの、これもいずれは追い越していくだろうと言われている。
そこで今回はそんなDLP方式の3Dプリンターから、価格帯が手頃で機能が優秀なおすすめ機種を2種、紹介したい。
1.Elegoo 光造形式DLP 3Dプリンター 『Mars4 DLP』
まずはおなじみのElegoo社が展開しているDLP機「Mars4」だ。
Elegooといえば、その機能性に対して驚くべき価格帯の3Dプリンターを製造している業界トップメーカーの一つ。そのElegooのDLP機であるMars4もまた例外ではなく、非常に高い機能性を誇りながら、一方で値段はそれとは見合わない手頃な価格に抑えられている。
同機はTI(テキサス・インスツルメンツ)社のデジタル光処理技術(DLP)を採用しており、高透過率ガラスに直接、集中的にビームを投射することで、光の散乱値を低減。そのためレジンVATの底のエネルギー光量は95%以上に達している。
一方、アンチエイリアス効果は、フルグレア・アンチエイリアシング・アルゴリズムによって大幅に改善されており、出力物の表面は極めて滑らか。印刷も正確かつ精緻で、コスパでいえばダントツの機能性を持つDLP機と言って差し支えないだろう。
実際、評価も非常に高い。是非ともSNSなどで使用レビューにあたってみてほしい。
Elegoo 光造形式DLP 3Dプリンター 『Mars4 DLP』
■XY解像度:50μm
■Z解像度: 10μm
■ビルドサイズ: 132.8mm(L)×74.7mm(W)×150mm(H)
なお、弊社はELEGOO社の日本総代理店であり、弊社でElegooの商品をご購入いただければ、メールサポート、初期不良時の無償交換、1年以内の故障時の無償修理など、さまざまなサポートを受けることができる。
2.Anycubic 光造形式DLP 3Dプリンター 『Photon Ultra』
Anycubic社の大人気シリーズ「Photon」のDLP機がこちら「Photon Ultra」。
ちなみに通常のPhotonはLCD方式なのだが、LCD方式はDLP方式と基本的な原理は同じである。では何が違うのかというと、一般的なLCD方式が、3Dプリンター内部のLEDから発せられるUVライトを液晶ディスプレイに当てて、造形する場所・しない場所をオンオフの切り替えを行うという方式であるのに対し、DLPの場合はデジタルミラーデバイスの微小な画素部分(ミラー)がいくつもあり、この1つ1つがレジンを硬化させるかさせないかを制御する為、非常に細かいUVライトを照射できるという点にある。
つまり、このPhoton Ultraは一般的なPhotonよりも造形精度において優れているということだ。たとえば以下の比較表などを見れば、そのディティールの差は歴然。
この差はDLP方式が、硬化させたくない部分の光漏れをゼロにすることができるという点に由来する。
またこれはDLP機一般に言えることだが、ランニングコストにおいてもDLPパネルは非常に優れている。平均寿命はなんと20,000時間以上。LCDのパネルの寿命が一般に2000時間と言われていることを考えると、これは非常にお得だ。
「Photon Ultra」
■XY解像度:80um(0 .080mm)
■Z軸解像度: 0 .01mm
■ビルドサイズ:102.4 mm(L)57.6mm(W)165mm(H)
まとめ
DLP方式は注目度が高く、また一般向け、工業向けを問わず、今後ますます発展していくだろう造形方式だ。
また、ここで取り上げたDLP機はいずれとも、機能性に優れているのみならず、価格帯としても極めて安価となっている。
是非ともこの機会にDLP機の導入をご検討いただけたなら幸いだ。