
PLAとTPUを混合したハイブリッドなフィラメント|靱性がほぼ2倍以上にアップ
さまざまなフィラメントにはメリットとデメリットがある
現在、フィラメント素材は以前に比べてかなり多様化している。オーソドックスなABSやPLAのみならず、より多くの種類が登場し、印刷できるモデルの幅を拡張している。
その一つがTPUフィラメントだ。このTPUフィラメントはゴム系の素材であり、その高い弾力性、耐衝撃性において知られている。その特性から主にホースやパッキンなどの工業用の部品、スニーカーのアッパーやソールなどの素材として活用されているが、一方でPLAなどと比べると造形が難しく、また定着性の高さから後処理の困難さなどのデメリットもある。
いずれのフィラメントにもメリットとデメリットがある。ここでユーザーとして思うことは、それぞれのフィラメント素材のメリットだけを取ることはできないものだろうか、というものだ。
全く異なる特性の二つのフィラメントを混合したら
YouTubeチャンネル「CNC KITCHEN」のステファンもまた同じことを思ったようだ。彼はTPUコアを備えたカスタムPLAフィラメントを作成することで、TPUとPLAの美点を兼ね備えた複合フィラメント作りにチャレンジしている。
彼はまず3Dプリンターで特大オブジェを二つのフィラメントで出力して複合フィラメントを作成、その後、、Recreatorを介して実行して1.75 mmにサイズ変更して再成形している。これは特別な機器を用いずにDIYマルチカラーフィラメントを作成するのに役立てられてきた方法だ。
果たして、TPUとPLAという全く異なる特性を持った素材がうまく混じり合うことができるのだろうか。以下の画像は赤いTPUコアを持つ白いPLAを使用した3Dプリントの断面図だ。
結果的にこの実験はとても有意義なものとなっている。TPUを混ぜ合わせたことでPLAの靭性はほぼ2倍に向上。プリント全体に格子状にTPUの模様が浮かんでいるのも面白い。
皆さんも是非ステファンに続いて未知のフィラメント探求の実践に乗り出してみてはいかがだろうか。