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レーザー溶接機で金属3Dプリンターを自作するという挑戦

 

3Dプリンターの世界で「金属を3Dプリントする」という分野は今でも高価で専門的な設備が必要とされています。

そんな中、市販のレーザー溶接機を使って金属3Dプリンターを作ろうとする個人プロジェクトが登場し、海外のハードウェアコミュニティで注目を集めています。

紹介するのは、DIY精神あふれるクリエイター Cranktown City による挑戦。彼は、なんとレーザー溶接機を3Dプリンターに取り付けて金属プリンターを作るという大胆な実験を進めています。

 


発想のきっかけは「安くなってきた高出力レーザー」

近年、ファイバーレーザー技術の進歩により、高出力レーザー機器の価格が下がってきています。

レーザー溶接機は本来、金属の溶接、金属の切断、表面のクリーニングといった用途で使われる機械ですが、この強力なレーザーを使えば、供給した金属ワイヤを溶かして積み上げていくことも可能です。 

これは、産業用の金属積層造形で使われる「指向性エネルギー堆積(DED)」やワイヤ+アーク方式(WAAM)に近い考え方です。

つまり、レーザー溶接機 + 3Dプリンターの動き = 金属3Dプリントという発想です。


中古3Dプリンターをベースに改造

このプロジェクトでは、ゼロからすべてを作ったわけではありません。

ベースになっているのは、倒産したインソール(靴の中敷き)メーカーの3Dプリンターから取り外したモーションシステムです。 

そこに以下のような改造が加えられました。


  • フレームを鋼材で補強
  • 通常のホットエンドを取り外す
  • 代わりにレーザー溶接ガンを装着
  • トリガー操作をCNC制御スイッチに変更


これにより、プリンターの動きに合わせてレーザーを照射できる構造が完成しました。


使われているレーザーは2000W

この装置の心臓部は、2000Wのファイバーレーザー溶接機です。 

2000Wという出力は、DIYプロジェクトとしてはかなりのハイパワー。

 

 

供給された金属ワイヤにレーザーが照射され、溶融 → 冷却 → 固化という流れで層を形成します。

基本的な仕組みは、産業用金属プリンターと同じ「積層造形」です。

通常、金属のレーザー加工ではアルゴンや窒素といったシールドガスが使われます。

しかしこのプロジェクトでは、最初の段階では圧縮空気のみでテストが行われました。 

もちろん品質は産業レベルではありませんが、映像をご覧いただければわかるように、実験としては十分な結果が出ているようです。

 

 

何より、その挑戦精神に脱帽です。


DIYだからこそ見えてくる課題

もちろん、この方法にはまだ課題もあります。

例えば、


  • レーザー出力の調整
  • ワイヤ送りの安定化(造形面への溶着・固着の防止)
  • 反りや熱変形
  • 表面品質


などです。

しかし、こうした試行錯誤こそがDIYプロジェクトの醍醐味。

実験を重ねながら、少しずつ改良されていく様子が多くのメイカーの興味を引いています。


個人が金属3Dプリンターを作る時代へ?

これまで金属3Dプリントは「企業の設備」というイメージが強い分野でした。

しかし、レーザーの低価格化、オープンソースハードウェア、市井のDIYメイカーたちによる工夫によって、個人レベルでの金属3Dプリント研究が少しずつ増え始めています。

今回のプロジェクトはそうした流れの象徴とも言える挑戦かもしれません。

 

 

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