あのイッセイミヤケが3Dプリントフットウェアを発表|日本の「草履」をモチーフに伝統と革新を融合させた名作
日本が誇るあのデザイナーが3Dプリント技術を駆使して制作した和モードなサンダルをリリース
三宅一生が主宰するイッセイミヤケと言えば日本のドメスティックブランドの代表的な存在だ。1973年にパリコレデビューを飾って以来、川久保玲のコム・デ・ギャルソン、山本耀司のYohji Yamamotoらと並んで、1980年代のDCブランドブームを牽引、その後も常にハイファッションシーンの第一線を走り続けてきた。
そんな三宅一生が、1998年より本体であるイッセイミヤケのラインとはまた異なるラインとして取り組んでいるのが「A-POC」というブランドだ。コンセプトは「服づくりのプロセスを変革し、着る人が参加する新しいデザインのあり方」。2021年にはあらためて「A-POC ABLE ISSEY MIYAKE」として新展開も打ち出し、異業種とのコラボレーションなどによる意欲的なアイテムを打ち出している。
今回、取り上げるのはその「A-POC ABLE ISSEY MIYAKE」がこの4月に販売を開始した最新アイテム「TYPE-III Magarimono project」というものだ。
「最新テクノロジーとハンドクラフトを掛け合わせた男女兼用3Dプリントソールサンダル」として発表された本作は、株式会社MAGARIMONOとの共同開発プロジェクトによって制作され、MAGARIMONOが得意とする3Dプリントによるフットウェア技術と、職人の手仕事を掛け合わせたハイブリッドな一品となっている。
デザインに関して言えば、さすがの一言。オーソドックスさを残しつつもディテイルには遊び心が溢れている。伝統と革新の調和を目指しつつもデイリーユースにこだわり、あくまでも日常で快適に履くことができるプロダクトとして打ち出されている。
デザインのモチーフとなったのは草履という、紐を編んで履物にするという日本古来の製法の履物。そのともすれば古風になりすぎてしまうモチーフを、オールブラックでデザインすることで、モードな仕上がりに落としている。
なお、今回共同開発したMAGARIMONOは2020年に積乱雲をモチーフとしたスニーカー「ORIGINAL」を発表して、日本初の3Dプリントスニーカーとして大いに話題となっていた。
今回はそうした先行作品で培った技術を元に、あのイッセイミヤケとのコラボレーションを果たしたというわけだ。
3Dプリントフットウェアに関しては、すでに世界でも様々なアイテムが作り出されているが、デザインの洗練というところで言えば、技術ばかりが先行してしまい物足りなさがあったのも事実。今回の「TYPE-III Magarimono project」はその点、デザイン性においても極めて優れたものとなっている。
3Dプリントファンの皆さん、今夏の足元を最高品質の3Dプリントフットウェアで着飾ってみるというのはいかがだろうか。
A-POC ABLE ISSEY MIYAKE 公式ページ