世界初の3Dプリントボクシンググローブが登場|ラティス構造で従来以上い衝撃を吸収
カナダの企業Hayabusaがボクシング業界に革新を起こす
あらゆるものが3Dプリントされるようになって久しい今日、もはや何を3Dプリントしたと聞いてもそう簡単には驚かないが、まさかアレまで3Dプリントされるようになるとは思っていなかった。いや、想定していなかった、と言ったほうが正しいだろうか。
アレとはなんのことか。他でもないボクシンググローブだ。
先日、カナダの企業であるHayabusa(ハヤブサ)が、世界初の3DプリントボクシンググローブであるT3D グローブをリリースし、話題を呼んでいる。同社によれば、このT3Dグローブは従来のボクシンググローブよりも拳を保護する性能が高く、より快適にポクシングを楽しむことができるグローブになっているのだという。
そもそも、通常のボクシンググローブはどのようにできているのだろうか。
ご存知のように、グローブの外側部分は動物の革で作られている。しかし、拳に革を纏っただけでは、拳は簡単に傷ついてしまう。そこで、グローブにはナックルパディングと呼ばれる衝撃吸収材が埋め込まれる。このナックルパディングがあるからこそ、激しい打撃を行なっても拳がそう簡単には痛むことがないのだ。
今回、Hayabusaが3Dプリントしたのはこのナックルパディングとのこと。なんでも3Dプリントラティス構造のパディングになっているらしく、各パンチの衝撃を吸収して分散させるように設計された何千もの個々のストラットを備えた格子を持っているという。ラティスは従来のパディングよりも構造的に安定しており、時間が経過しても完全な状態を維持することができるという利点があり、現在、特許出願中とのことだ。
HayabusaのCEOもこのT3Dボクシンググローブには相当に自信を持っている。
「私たちは、T3Dボクシンググローブを世界と共有できることに非常に興奮しています。これにより、手の保護と快適性に対する業界の認識が根本的に変わるでしょう。Hayabusaが特許出願中の設計は、何年にもわたる研究、開発、テストを経て完成したものであり、次の時代のパフォーマンスを基礎づける準備は整っています」
T3Dボクシンググローブはすでに4月17日より、Hayabusaのウェブサイトで販売が開始されている。グローブには4つのカラバリがあり、重量も10〜18オンスまで揃えられている。
3Dプリントに夢中になるあまり運動不足に陥りがちな今日、那須川天心さんのボクシング転向にあやかって、3Dプリントボクシンググローブを携えてボクシングエクササイズを始めてみるというのも悪くないかもしれない。