まるで巣作りする蜂のよう? ドローンの群れで3Dプリントする実験が話題に
無数のドローン蜂が巨大建築を3Dプリントする近未来
今、3Dプリント技術に関する一つの実験が話題になっている。
この実験の目的はサイズの制約のない3Dプリントマシンを探求すること。通常、出力オブジェクトのサイズは、マシンフレームそのもののサイズに依存する。しかし研究チームは、ある方法を用いれば、ほぼ上限なしにどこまでも出力することができるはずだと考えた。
その方法とはドローンを用いる方法だ。
アイディアそのものはシンプルだ。素材の押出機を取り付けたドローンが飛行しながら素材を押し出していく。もちろんドローンである以上、高度は自在にコントロールが可能。これによって、マシンフレームという概念を超えた超高度の出力物のプリントが可能になるというわけだ。
しかし、当然ながら問題もある。ドローンには飛行中わずかにドリフトする傾向があることだ。正確さを求められる3Dプリントにおいてこれは問題だ。チームが思いついた解決策は、ドローンの下部にぶらさがっているデルタボットキャリアにエフェクターを取り付け、これにより測定された動きを補正し、位置誤差の大部分をキャンセルするというものだった。
果たして念願のドローン3Dプリンティング実験は複数のドローンの編隊飛行によって実現された。今回は2機。最初のドローンはスキャナーとして機能し、印刷面とすでに完了した印刷を測定する。すると2番目のドローンが近づいて1つのレイヤーを配置する。すると、また場所を入れ替えて、という流れを構造が完成するまで繰り返していく形だ。
チームの目標は、大規模で複雑な形状の構造を任意の表面に印刷できるようにすることだという。そのためには、ドローンの群れを使用して、それぞれが必要な材料を堆積させていく必要がある。
それはちょうど虫の、特に蜂の巣作りのようだ。
実際、実験の映像を見てみると、まさに新種の羽虫が巣を作っているように見える。研究チームもまた蜂の巣作りを参考に研究を進めたらしい。
遠くない将来、無数のドローン蜂の群れが大規模建築を3Dプリントしている光景を街中で見かける日が来るのかもしれない……と思うと、ちょっとゾッとしたりもする。